「自由」と背中あわせにあるテレワーカーが陥りがちな「危機」

日々、目覚ましく進化する技術のおかげで、今やパソコンどころか、スマホ1台あればどこでも仕事ができるといっても過言ではありません。実際に、国土交通省の「テレワーク人口実態調査」によると、全就業者におけるテレワーカーが占める割合は年々増加傾向にあり、2017年には約15%に上っていました。
「時間と場所を選ばずに」「自分のスタイルで」「自由に」「ワーク・ライフ・バランス優先で」といった、先進的で魅力的な働き方として注目を集めるテレワーク、実態はどうなのでしょうか?
働き方改革で長時間労働の改善や効率化が騒がれている昨今ですが、「時間と場所を選ばずに」働けるテレワークだからこそ、長時間労働や非効率化に陥ってしまうポイントもあるように感じています。

今回は、正社員時代に5年以上週1在宅勤務を経験し、現在はフリーランスとしてテレワークを続ける筆者が自身の実体験をもとにテレワークの中での陥ってしまいがちな注意点についてお伝えしたいと思います。

テレワークのチームスタイルは大きく分けて2つ

孤高に1人で仕事を完成させる完全なるフリーランスでない限りは、正社員であれ、個人事業主であれ、アウトソーサーであれ、テレワーカーも一定のチームの中で仕事を進めるのが一般的です。どんなテレワーカーでも働き方を大きく左右するのが、自分が所属するチームのコミュニケーションスタイル。このスタイルには大きく2つのタイプに分かれているといえます。

ひとつは、定例のミーティングでコミュニケーションを中心に仕事を進めるタイプで、もうひとつは都度コミュニケーションを取って仕事を進めるタイプです。はっきりと2つに分かれているわけではなく、定例ミーティングもあり、都度コミュニケーションもある、またはミーティングが毎日あるなど、中間に位置するタイプもたくさんありますが、ここでは分りやすいように両極端にして、それぞれの特徴と陥ってしまいがちなポイントについてご紹介します。

定例ミーティング型テレワークチーム


だいたい週に1回程度、オンラインまたはオフラインでミーティングを実施し、その場がチームのコミュニケーションの中心になります。特徴としては以下の項目が挙げられます。

  • 週1回程度、オンラインまたはオフラインでミーティングを行う
  • このミーティングで進捗共有や議論など集約して行う
  • このミーティング以外のやりとりは、かなり急ぎの案件に限る
  • コミュニケーションツールはメールがメイン

正社員など組織に属して働いている方に特に多いのがこちらのタイプです。 在宅勤務が週に何日か限られていたり、もともと定例ミーティングがあったりするチームではごくごく当たり前のあり方です。ただ、普段オフィスで顔を合わせて仕事をするチームではなく、顔を合わせることがほとんどないテレワーカー同士のチームになると、この定例ミーティングの意義がぐっと増してくるのです。

この定例ミーティング型テレワークチームは、週1回程度のミーティングで小さなPDCAサイクルを回していきます。そのミーティングに向けて、自身の仕事のプランを立て進捗を報告できるようにし、相談ごともその時にまとめて話し合えるように準備します。このミーティングがあることで、プロジェクトが大きく遅れたり、止まったりすることなく、目指す目標に向けて、各自の判断で効率的に動くことができるのです。

この定例ミーティング型は、チームと自分のミッションが明確化していて、それぞれのメンバーが自身の判断で自立的に動ける一定の経験のあるメンバーが揃っているチームには最適です。各自の裁量で、まさに「自由」で「時間と場所を選ばず」「ワーク・ライフ・バランス優先」で仕事が進められます。

一方で、注意しなければならないポイントもあります。まず前提として、チームとメンバー各自のミッションが週単位で明確化されてなければなりません。次の定例ミーティングまでに自分は何をすべきかが決まっていなければ、その間に何をすればいいか分かりません。さらに、ミッションを明確にしても、都度判断を仰がなければならないチームメンバーがいたり、自立、自走で動くことが苦手なメンバーがいると、限られたミーティングの時間ですべてを解決しようとしても時間が足りません。結果、週1回のミーティングがダラダラ長引いいてしまい、本当に話したいことが話せない、議論が進まないといったことになってしまいます。さらには、ミーティングをすることが目的化されてしまい、ミーティングさえやれば仕事をしている気になることも…。
チームそして個人の目標、出すべき成果は何か、共通認識を持って進めないと、何カ月経っても何もアウトプットしないまま時間が過ぎてしまうという事態になることもあるんです。

当然、仕事(有償)で何カ月も成果を出さないままなどということはあまり許されることではないですが、プロボノやボランティア、副業など主務ではない活動だったりすると、このようにミーティングだけ出て何もせずに時が過ぎるといったことは珍しくありません。

チャット型テレワークチーム

フリーランンスや業務委託、ベンチャー企業などに多いのがこちらのタイプ。どんどん進化し、新しいサービスが生まれるビジネスチャットツールを駆使し、基本的にオフラインでのコミュニケーションは取らず、都度オンラインのメッセージでやりとりを進めるチームのスタイルです。特徴としては以下の項目があげられます。

  • コミュニケーションの主体はビジネスチャットツール
  • 発生ベースで連絡・相談・確認・依頼を行う
  • コミュニケーション量は1日10回以上になることも

定例ミーティング型のチームと比較すると、ビジネスチャットツールがメインなので、よりコミュニケーション頻度の高いチームになっているのがこちらのタイプ。チャットメッセージなので、いつでも、気楽にメッセージのやりとりができて、顔を合わせることはなくてもあまり物理的距離はを感じずに働くことができます。パソコンだけでなく、スマホでも仕事の情報やファイルのやりとりができるので、スマホさえあればどこでも仕事がどんどん進められるという便利さがあります。

ただ、この便利さがゆえに、仕事のオン・オフの境目が極めて難しくなってしまいがちです。パソコンを開いてメールチェックしなくても、スマホさえあれば常に仕事の連絡がリアルタイムで飛んできます。それは、週末であれ、早朝であれ、深夜であれ…。「時間と場所を選ばず」に仕事の連絡を受け取ることができ、そして発信することができるのです。これこそがブラック企業にも勝る昼夜問わず仕事に追われる生活になる要因です。

実際に私も、テレワークのフリーランスとして働き始めた当初は、土日や深夜に仕事を仕上げたり、休日に旅行先でチャットのやりとりに明け暮れたりと、精神的に病むほどオンとオフの切り替えができず苦しんだ経験があります。そして、とりわけテレワークのように仕事仲間と顔を合わせる機会のない働き方をしていると、そういった悩みや苦しみを“ランチ時間に愚痴る”などの発散もできず、ひとりで抱え込んでしまうことになってしまいます。

健全なテレワークチーム運営のポイントは、ルール設定


テレワークを健全に進めるポイントは、ルール設定に尽きます。これはもちろんチーム内のルールでもあり、自分自身の中でのルールでもあります。
例えば、

  • (チーム内ルール)オンタイムは平日9〜18時
  • (自分自身のルール)平日9〜11時は企画・作業時間なので返信不可

など、時間や稼働日を決め、それをチーム内に周知します。

顔を合わせず、ビジネスチャットのコミュニケーションが中心となるテレワークチームは、どうしても「メッセージを送ったのに返信がない」というだけで、「ちゃんと読んでいるのか」「仕事は進んでいるのか」、もっと言うと「生きているのか」といちいち不安になってしまうもの。テレワークは顔が見えないがゆえに、ちょっとしたコミュニケーションのすれ違いによる信頼関係の崩れが一気にチームのコンディション、ひいては成果に悪い影響を及ぼしてしまいます。テレワークのコミュニケーションにおいては、行間や空気を読むカルチャーは通用しませんので、こんなことまで言う必要あるかといった細かいことでも、きちんと自分で表明するということを意識して行うことが重要です。

また別の側面で、オンとオフのバランスを脅かす問題とまではならないですが、チャットでやりとりしている間に1日が終わってしまうということもよくあること。これはメールの返信をしているだけでその日の仕事が終わってしまったというだいぶ以前から言われていた問題と同じですが、企画や制作など何の生産にもつながらない仕事で1日を終わらせないためにも、ビジネスチャットはオフラインにして、自分の作業に集中する時間というのも1日のうちに時間を決めるなどして、こちらもチーム内に知らせておくほうが、自分自身だけでなくチームの生産性向上にもつながりますのでおすすめです。

「自由」と背中あわせにあるテレワーカーが陥りがちな「危機」のまとめ

テレワークで働くということは、自分自身の判断や自己コントロール力、発信力など、自分をしっかり持ち、それを発信するということが不可欠です。自我を通すようで抵抗あるという人も多いと思いますが、チームの成果を高めるためにも、自分に最適なワークスタイルを見つけ、適切に周りの理解や協力を得る気持ちで進めてみてはいかがでしょうか。

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