チームレジリエンスを高めるためのフィードバック方法

どんな問題もやり取りもポジティブに受け止める風土を持つチームは無敵です。そんな風土を形成することはチーム全体が求めるところですが一朝一夕には叶いません。
強いチームは、フィードバックもうまく活用して理想的なレジリエンスを築いているようです。チームレジリエンスにフィードバックの何が効果をもたらすのでしょうか。今回は、チームのレジリエンスとフィードバックの関係性に迫ります。

企業とチームと個人のレジリエンス

「すべてが変化する」ということだけが変わらない事実。目まぐるしい変化のスピードに順応していかなければ生きることすら難しく感じられる時代になっています。

1)レジリエンスとは

「レジリエンス(resilience)」とは、どんな状況にも柔軟に対応していくための精神的な能力のことを指します。逆境にも強い精神力であることは確かですが、レジリエンスは忍耐力を指すものではありません。じっと苦しみに耐えるだけでは、何も生まれない、どこにも進めないということもあり得ます。

失敗や問題は、いつのときにも「あるもの」です。

レジリエンスは、状況がポジティブでもネガティブでも、すべてを活かし、さらなるパワーにして行動し、自らも変化させ続けていく力と言えるでしょう。

2)時代が求めるレジリエンス

レジリエンスという言葉はよく回復力や立ち直る力の意味で用いられます。
つまり、その前には失敗、問題、不調などが存在します。

人もチームも企業も社会も世界レベルでも同じです。ものごとの変化に順応していくためにはレジリエンス力が不可欠となります。なぜなら、すべてにおいて慣性の法則が働き、程度の差はあっても何らかのストレスが生じるからです。

変化スパンが著しく短い現代、そのスピードに順応できずに苦しむ社員や企業が急増し、レジリエンスの重要性が叫ばれるようになったのです。免れない変化に、必然的なストレス。うまく対処し、柳のようにしなやかな変化を遂げていけるのがレジリエンス力なのです。

創り上げていくチームレジリエンス

一人ひとりのメンバーが持つレジリエンスパワーを重要視して採用を行っている企業も多いですが、その時点での個人のレジリエンス力は日に日に変化していくものです。また、組織に属する際の個人のレジリエンスパワーは、組織の風土やマネジメントスタイル、周りのメンバーとの関わりが大きく影響すると言えます。

1)さっとできあがるものではない

メンバー個々のレジリエンスパワーを高める要素として、組織側の取り組みや働きかけは欠かせません。チームのレジリエンス力も、ハードシステムのように導入すれば機能するというものではありません。
レジリエンスはメンバーと組織の状況をうまく活用してジリジリと育て上げていく、「目には見えない」大切なものなのです。

2)リーダー育成は欠かせない

職場での毎日の心理的な経験がレジリエンスパワーに影響を与えます。
メンバー個々のレジリエンスパワーを高めたいとき、その働きかけの一番の担い手となるのがリーダーです。

仕事の割り振り、メンバーのメンタル管理、そして成長に最も効力のある近い存在だからです。レジリエンス能力があり、社内メンバーのレジリエンス能力を引き上げるリーダーは世界中で求められています。

3)チームの現状分析

チームレジリエンス向上を考えるときには、組織内の現状を把握することがスタート地点です。下記の質問で振り返りを行い、チームレジリエンスに影響している要素を見出していきましょう。

  • 短期納期、継続的なプレッシャーで仕事の負荷が高すぎないか?
  • 適切なサポートのないまま、継続的に複数の業務を要求されていないか?
  • 職場環境はストレス対策を行なえているか?
  • メンバーは自分の仕事のコントロールする権限を持っているか?
  • 職場内に好ましくない雰囲気はないか?
  • 職場のメンバーに無関心さや思いやりの欠如が見られないか?

レジリエンスなチームが持つ要素

ここで、レジリエンス能力の高いチームのメンバーの特徴を探ります。個々の特徴だけでなく、さらに広い括りで、雰囲気(組織文化)として築かれているという目線で見ていきましょう。

そのためにチームとして何ができるかを考えながら読み進めてみてください。

1)安定した感情

業務的なことも、人的なものも、何があっても感情的に受け止めることなく、冷静に処理することができます。ストレスの感知や反応が低い傾向にあるようです。

2)正当な自己評価と他者評価

メンバーは、スキルや能力について過大評価しすぎず、かつ過小評価しすぎることのない自尊心を持てています。他者からの評価も納得のいくものが得られており、自己評価との間の差は少ないようです。

3)自己効力感

メンバーは自分の成長を感じながら仕事ができています。
メンバー自身が「できる」「達成できる」「うまくやれる」と思える仕事のレベルの上昇を実感できるからです。当事者意識を持って仕事に取組み、業務遂行に対するコミットメントのレベルも高いようです。

4)ポジティブに捉える力

問題の発生や関わる人とのやり取りでも、ポジティブに、かつ楽観的に捉えることができます。
ネガティブな感情や思い込みから脱する思考回路を身に付けています。協力する意欲が旺盛で、感謝の心を持つ頻度も高く、積極的に仕事にも人にも関わっていけるのです。

5)強みを活かしている

レジリエンスの高いチームのメンバーは、自分の強みや弱みを客観的に自覚しています。
その強みは周囲からも理解されていて、生産性高くクリエイティブな成果につなげています。

6)心身ともに健康

精神的にも身体的にも健康度が高いといわれます。一時的な不調があってもその回復は比較的早いようです。

フィードバックで高めるチームレジリエンス

チーム内のコミュニケーション手段のひとつとなるフィードバックの重要性が見直されています。
時間と手間がかかって非効率な手段と思えても、その効果は生産性や組織文化にプラスをもたらします。同時に、良質なフィードバックコミュニケーションを続ける中でチームレジリエンスも向上していくようです。

ここで、チームレジリエンスを高めていくためにフィードバックを行なうべき理由を見ていきましょう。

1)自己管理力を高めるために

メンバーの目標に関するフィードバックは、メンバー自身が目標達成のために自己管理することを促します。客観的なフィードバックがあることで、タイムマネジメントや業務改善を組み込むようになります。一つひとつの習慣のメリットを実感することで、他の業務や生活習慣にまで派生させる期待が持てるでしょう。

2)不安や不満を取り除くために

マネージャーからのフィードバックは、メンバーが仕事を進める上での確信材料となり、集中力の向上につながります。「いいのか」「良くないのか」の不安を持ちながらの業務は思わぬ方向に進んでしまうこともあります。後出しのフィードバックは、メンバーの不満を買うこともあるでしょう。

また、フィードバックというコミュニケーションの機会を持つことで、表面化していない不安や不満を聞き出して対処することもできるのです。

3)ポジティブな自覚を持つために

自分の能力やスキルの程度の自覚が漠然としていると、過剰評価や過小評価になりがちです。お互いに過剰評価や過小評価があると、割り振られる業務の内容や期待度にギャップを生んでしまいます。

フィードバックによって、できるかできないか(もしくはできたかできなかったか)などの「0か100」に留まることなく、不足や間違い、苦手意識や困難な点があったとしても、それが全体の一部だということの自覚を促す機会が生まれます。うまくこなせていること(≒強み)を具体的に自覚させれば、積極的な向上や改善の意識につながるでしょう。

4)理想の姿を引き出すために

本来の自分を出せると安心感と親近感の中で業務を行なうことができます。
ただ、ある業務が得意なのも自分、苦手なのも自分、難しかったことが3か月後にはできるようになっているのも自分です。好調な時期ばかりではなく、仕事以外のことに気を取られる時期があっても自分なのです。

周囲の環境や業務の特質もさまざまなビジネスシーンで「本来の自分」を自分自身で理解できている人がどれくらいいるでしょう。仕事を遂行することと、本来の自分がいつも一致しているとは限りません。本来の自分と思っている自分では進められないこともあります。

それでも自分の「こうなりたい!」を掲げることができたら、ストレッサーに打ち勝ち、集中を削ぐことがらも回避しやすくなります。その理想の姿の一片が、小さく掲げる目標ではないでしょうか。フィードバックによって目標設定を促し、リマインドとしてフォローしていくことができるのです。

5)挑戦への的確な支援をするために

フィードバックの機会は、大きな業務から小さなタスクまで、メンバーが目指したいこと、できるようになりたいことを的確に把握することができます。課題の内容が正確に共有できるというだけでなく、求められているサポートも明らかにできます。

適切なタイミングでフィードバックを行なえば、細かな障害を解消しながら進められ、メンバー自身、見守られている安心感と信頼感は高めていくはずです。ちょっと背伸びの目標に挑戦しているメンバーに対しての「的確な支援」はフィードバックによって見極めていけるのです。そして挑戦にストレスではなくモチベーションの力に変えて取り組むことを促します。クリアしたときの達成感や自己効力感がメンバーとチームの財産となるでしょう。

「無敵のレジリエンスチームはフィードバックパワーを活かす」についてのまとめ

個々のメンバーのレジリエンスが高められていくと、チームに良好な雰囲気(文化)を創り出していきます。それがチームレジリエンスです。何が起きても冷静に心を込めて取り組む姿勢が文化となり定着していくのです。

日々の変化にチームで柔軟に対応していくことで、チームレジリエンスは良質なものに鍛えられていきます。そのための効果的なフィードバックの在り方を追求していく必要がありそうです!

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