チームのモチベーションアップは、対話と分析にかかっている

チームをいかに効率よく運営させるか、というのは永遠の課題です。単純にチームの構成スタッフをチアアップしてやる気を引き出すだけでよいかというとそうではない。そのやる気を、チームが抱えている課題解決に向けさせなければならないし、無駄なく課題解決に当たらせなければならない。また、チームはひとりではなく、構成スタッフそれぞれに個性というものがある。したがって、一方的なやり方を押し付けてもうまくいくはずがない。ことさらかように難題だらけなのだ。そこで、今回はチームを効率よく運営し、終局のゴールであるチームが抱える課題解決に向かわせるためのコツになりそうなノウハウについてレポートします。

チームは自由に構成できるわけではない。
大抵は与えられるものであるという事実。

まず、スタート地点として理解しなければならないのは「チームの構成員はリーダーが自由に決定できるわけではない」ということです。

日本の企業において、たいていの場合チームは部ないしは課、あるいは係という単位になる。そして、それぞれの単位におけるリーダーは気づくでしょう。そこにいる構成スタッフは辞令なるもので会社が決めたスタッフであることを。場合によっては昇進によって、その部なり課なりをまかされることもあります。「このチームを率いていくのか」と希望と不安が入り混じった状態でチーム運営がスタートするのです。それまで同僚として、あるいは同じジャンルの仕事を担当する同志として存在した社員がチームの構成員になるから「なんとかなるだろう」とたかを括ってはいけません。

スタート時点こそ大事なのです。

どこまでいっても「違い」はあることを理解する。同時に「親和性」もありえる。

はじめに理解しなければならないのは、チーム構成スタッフは自分とは異なる別個の人間であるということです。

趣味趣向が異なれば、仕事に対するモチベーションだって異なります。そして大事なのは、あなたが気づいていない「良さ」や「親和性」があるかもしれないということです。それぞれのパーソナリティを理解することこそが重要です。無論、ここで言うパーソナリティとは決して趣味の話ではありません。仕事観であったり、目標に対する意識であったり、同じ働くものとしての意識が主になります。

最初にすべき、「対話からの把握」がある。


「あてがわれたチーム構成スタッフ」との「違い」や「親和性」を把握する際、やはり対話からスタートすべきことは明白です。しかし、対話と言っても趣味の話をすればよいわけではありません。大事なのは、チーム構成スタッフの違いや親和性を理解し、最終的にはチーム運営の効率化を図って、イノベーションを創出しなければならないことです。そのために必要な対話を行うことが求められます。そして、その対話にはちょっとしたコツ。聞くべき内容が存在します。以下では、順を追ってその要素を分解していきます。

印象によって生じる行き違いを防ぐために

まず、人間は誰しも印象、もっと言えば見た目によってその人への理解が形成されることがあります。しぐさや態度。ごく一般的に感じる人との接し方などから感じ取れる部分などです。そこで、見た目や印象についての質問を行い、違いや親和性を把握することが求められます。第一印象でどんな点を重視するのか。服装や態度、人との話し方などにおいて何を重視するのか。そして、そこからその人ことをどのように理解するのか、などです。

例えば、広告代理店のような職場で上記のような質問をした場合、「時流を踏まえた服装をしていると仕上がるモノのセンスもよいのではないかと思う」「クライアントに対して下手に出るが、同僚には厳しい人には賛同できない」などの意見がでるかもしれません。一方で、金融機関では「ジャケットパンツスタイルなんて論外だと思う」と言う意見がでるかもしれません。要は、その職場におけるチームにおいて、共通認識として存在するだろう見た目や印象に対する理解に対して、ズレた意識を持ったメンバーがいないかを把握することが重要なのです。見た目や印象に対する意識で不協和音が生じることは不経済である、という理解をもたなければなりません。

言動によって生じる行き違いを防ぐために

次に、言動によって生じる行き違いを防ぐために行う質問です。

コミュニケーションのとり方は人によってさまざまです。例えば、本気で言っていたとしても人によっては冗談と受け取られることもありえます。仮にこの行き違いが重要な案件の納期についての誤解につながったとしたら、背筋に冷たいものが走ることでしょう。チームを組んだ際に重要なことは「その人がどのようなコミュニケーションスタイルなのか」を早い段階で把握しておくことなのです。そして、それに応じた接し方をチーム内で心がける必要があるのです。

例えば、率直な言い方を好むのか、それともオブラートに包んだ言い方を好むのか。意見は率先して言うタイプか、そうではないか。上司が何も言わなかったときは、黙認と考えるタイプなのか、不満を持っていると思うタイプなのか。誰かとの約束は小さなことでも守るタイプかそうではないか、などです。特に、約束に対する意識の高さはチーム内で共通化を図る必要は高いと言えます。

行動規範によって生じる行き違いを防ぐために

個性が違うメンバー間では「何を大事に考えるか」という規範意識の違いによって不協和音が生じることは多々あります。できるだけ構成スタッフ内で不要な衝突を避けるためにも、あらかじめそれぞれが大事にする行動規範を確認しておく必要があります。

具体的には、チームで行動するときに個人の自由が尊重されるべきか、相互協力を重視すべきかという選択。率先して仕事にチャレンジする環境を求めるのか、仕事を任命される環境を求めるのかという選択。納期意識についてどの程度の厳しさを求めるか(クオリティ優先で多少の遅れはやむなしと考えるか)などです。規範意識の違いを把握しておき、それによってアサインする仕事の量や内容をアレンジすることに役立てるのです。

仕事意識に対する行き違いを防ぐために

これまでに触れた把握すべき「違い」や「親和性」は、人対人のコミュニケーションについてのポイントです。そして、これらを把握した上で最も重要なポイントが「仕事意識」に対する違いや親和性の把握です。場合によっては、行動規範に対する意識の把握においてチェックした内容と重複するケースもありますが、とりわけ仕事(もっと具体的に言えば、チームが取り組む業務や課題)にフォーカスして質問を行うことが求められると言えます。

例えば、仕事において全体と細部のいずれを重視するかという質問。仕事における失敗はどの程度、どんなものが許されると考えるかという質問。発展的には計画とのズレがどのくらい許されると考えるか、という質問。仕事によって達成した結果、達成しようとすべき結果について、確実性と柔軟性のいずれが大事だと考えるか。こうした質問項目を設けて話を聞くことで、仕事への取り組み方が把握できます。行動規範で把握した傾向とあわせて、チーム構成スタッフに割り振るべき仕事の量や内容についての指標となります。

これまでまとめた、大きく4つのジャンルについての質問を通じてチーム構成スタッフの考え方が把握できます。仕事をしながら「ああ、コイツはこういう奴なんだな。じゃあ、次回からはこうしなければならないなあ」と言ったコミュニケーションにおけるトライアンドエラーをショートカットできる点で有用だと言えるでしょう。そもそも、わからないもの同士なのだからあらかじめ理解するために最初から踏み込んだ違いと親和性の把握を行うのです。質問を通じて理解することは、「俺はこう思う。だからお前もこうやれ」というよりも、その人が考えている方向性を引き出すのには有効です。だからこそ、質問と対話を通じてあらかじめ傾向把握を行うのです。

その後にチームリーダー側に求められること。

さて、チームのまとめ役はこれまで触れてきた内容を踏まえてどのように対応すべきでしょうか。そして、どうすれば最終的なゴールであるチームを効率的に運営させることができるでしょうか。以降はこの点について触れることにします。

まず、行なうべきは質問を通じて把握した内容をもとに、チーム構成スタッフの「分析」をすることが求められます。決め付けであってはなりません。「こういう質問にこのように応じたから、こういった傾向がある」という分析です。

分析の軸としては「実務スキル(この点については、質問を通じた内容よりも営業成績などの数値面を重視することが求められる)」「信頼度」「熱意・積極性」「対人能力や社交性」「判断力」などが挙げられます。もっとも、これらの分析軸はチームが担う業務領域、あるいは達成すべき課題に応じてどこに大きな力を割くべきかが変わります。場合によっては特殊な分析軸がありえる部分です。

分析を共有することも重要

そして、分析結果をチーム構成スタッフ間で共有することも重要になります。

例えば、「Aさんは細かい部分のデータについて正しさを重視する。そして納期の遅れは絶対に許さないと考えるタイプです。そのため、データ分析と取りまとめが適した業務範囲だと思う。もっとも、誰かに対して率先して意見を言うのが苦手だと考えているので、その点はみんなも理解して折に触れてコミュニケーションを取ってほしい」というように。分析を踏まえて、その人が得意だろうと考える分野をまかせてあげ、不安に感じている部分もチームの構成スタッフ間ではじめから共有してしまうのだ。得手不得手は誰にもあるのです。であれば、あらかじめ大っぴらにしておいた方が、すんなりことが運ぶというものです。

ただし、注意すべきなのは質問において把握した「印象」や「言動」において嫌う部分は避けるようにすること。まとめ役にはやや窮屈さが求められるかもしれません。しかしながら、仕事が好循環で回り始めれば、達成感や成功体験が生じます。これらが「このチーム運営は正しいものだったのだ」という理解にもつながります。
まずは、最初の質問と分析。その共有。これが大事なのです。

まとめ:最初の質問から好循環に導く。一連の流れこそが大切

さて、今回はチーム内の意思疎通をスムーズにさせるために、導入としてチーム構成スタッフへの「質問」こそが大事だとまとめました。ある程度人間関係が構築されたあとで、これまでまとめてきた質問をした場合、「なぜこのタイミング?もっと早い段階ですべきものでは?」という疑問を持たれかねません。また、「あらかじめ質問をして把握しておけばよかった」という後悔をしないためにも最初に質問から入ることが重要です。

人間関係が構築されない段階なら多少失礼とも思える質問でも「失礼かもしれないが」と付け加えて聞けば、「ああ、まずは私を理解しようとしてくれているのだな」と受け取られる傾向があるともいえます。
もっとも、質問で把握したことを活用しないでいた場合、本当にタダの失礼な人になってしまいます。チーム構成スタッフの「違い」や「親和性」をもとに、アサインすべき業務の範疇を確定し、理由とともにスタッフに共有を図ることで構成スタッフには明確な「やるべきこと」が見えるようになります。スタッフに仕事の羅針盤を与えるためにも、まずは材料集めとしての「質問」。これに取り組んでみる価値はあるはずです。

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