事例紹介
2018.07.30

Webディレクターの悩みどころ!社内外の多数のステークホルダーが関わるプロジェクトのタスク管理

「できるWebディレクターのタスク管理術」では、自社プロダクト開発のプロジェクト管理を行うWebディレクターが、プロジェクトの立ち上げ段階で「プロジェクト・スケジュール・ネットワーク図」を作成し、タスク管理のベースとして活用しながらチームメンバーとゴールまでのプロセスを共有しました。

では、チーム内だけでなく、社内外の多数のステークホルダー(利害関係者)と協力してプロジェクトを進める場合、どのようにタスク管理したらよいでしょうか。

そこで今回は、Webサービス開発に関するプロジェクトを事例として紹介しながら、社内外の多数のステークホルダーが関与するプロジェクトのタスク管理術を紹介します。

1.社内外のステークホルダーの進捗状況を把握したい

そのプロジェクトは数百人月の大規模なもので、社内外に多数のステークホルダーが存在していました。社外には複数の提携先があり、各社とシステム間データ連携を行なっていました。また、社内には開発チームメンバーのほかに、プロジェクト運営事務局、セキュリティ監査チーム、品質保証チーム、専門的な業務知識が必要なモジュールを開発するチーム、特殊なマスターデータを作成するチームが存在していました。

プロジェクトを円滑に進めるためには、これら各方面と密にコミュニケーションを取りながら、スケジュール管理をしなくてはなりません。

このWebサービス開発案件におけるWebディレクターの悩みどころは、

各社のシステム間データ連携について、テスト期間や各社サービス開始判定会議(リリースのゴーサインを出す会議)の足並みをそろえたい。リリース日は決まっているので、より効果を得られるタイミングで、こまやかで漏れのないコミュニケーションを取りたい。
社内の各チームに、プロジェクトの進捗状況に合わせて適宜、打ち合わせに参加してもらいたい。打ち合わせなどによって明らかになった課題には、もれなく対応したい。
社外各社、社内各チームとのコミュニケーション方法が統一されていない(社外とはメール・電話でのやり取り、社内ではチームによってRedmineを使っていたりSlackを使っていたり、といったように)。

という3点でした。

2.試行錯誤の末にたどり着いた、Excelなどによる「一覧表」活用

すべてのステークホルダーをまたいで、1つのタスク管理およびコミュニケーションができるツールを導入することが理想的ですが、それは容易ではありません。そこで、Webディレクターはコミュニケーションハブとなり、ETL(Extract、Transform、Loadの略。複数のシステムから受け取ったデータを変換・加工して別システムに渡すソフトウェアのこと)のような役割を担えばよいと考えました。

様々な方法を試した結果、最終的にたどり着いたのは、「ExcelまたはGoogleスプレッドシートによる一覧表」(以下、一覧表)という、なんとも原始的な方法でした(チーム内のコミュニケーションツールではなく、Webディレクターがコミュニケーションハブとなる場合のタスク管理の補助ツールと考えてください)。

少しイメージしてみてください。たとえば上司から「ExcelでQA管理表を作成してほしい」との指示を受けたとき、どのような項目を用意しますか。
おそらく、多くの人が想定するその管理表の項目は、以下のようなものでしょう。

・課題/質問内容、起票日、起票者
・回答内容、回答日、回答者
・備考

このプロジェクトでは一覧表を作成するに当たり、どのような項目を用意すべきか試行錯誤しました。その結果、あると役立つ項目を厳選することができました。コミュニケーションハブの補助ツールとして使う場合には、以下の項目を用意することをおすすめします。

・課題/質問内容、起票日、起票者
・回答内容
・決定内容
・完了日、完了者

「回答内容」は、メール等でやりとりした文章に回答日(日付)と回答者(担当者名)を記入して管理します。複数の回答があれば、この欄にまとめて記入しましょう。Redmine等のやりとりであれば、転記元のURLも添えましょう。
「決定内容」は、当該課題/質問で最終的に決定した内容を「回答内容」に記載されていてもあらためて記入するとともに、当該課題/質問を完了とする理由を記入します。たとえば、「XXX機能はXXXXとすることにした。当該変更がXXXXドキュメントに記入し、XXXチームに情報共有を実施したので完了とする」といったように記入します。
「決定内容」をどのステークホルダーにどのような方法で伝えたかが明確になることで、コミュニケーション漏れを防ぐことができます。
「完了日、完了者」は、「決定内容」を記入した日付と担当者名を記入します。タスク管理上、回答した日付よりも、タスクが完了したとWebディレクターが認識した日付を重要視します。

3.「一覧表」はセーフティネットになる

メールや各ツールで各課題についてコミュニケーションを取っているのだから、一覧表にわざわざやりとりなどを転記して二重管理することは手間だと感じるかもしれません。しかし、この手間の積み重ねがあなたを守ってくれるはずです。

ロッククライミングにたとえると、クライマー(登る人)がWebディレクターだとすれば、一覧表に書き込むことはハーケン(岩壁に打ち込みロープを固定する杭)を打ち込むようなものです。クライマーはハーケンを打ち込まずに岩壁を登ることもできますが、足を踏み外したときに転落を防ぐ手段はありません。

同様に、Webディレクターは一覧表にやりとりを書き込まずにプロジェクトを進めることができますが、書き込んでいれば、問題が発生した際にスムーズに対処することができます。実際にこのWebディレクターはタスク完了後に発生した問題についてステークホルダーから問い詰められ、決定事項の判断理由を振り返らなくてはならない状況に陥ったのですが、一覧表に書き込んでいたおかげで、ステークホルダーが納得する答えをすぐに用意することができたのです。

このように、一覧表はセーフティネットになるだけではなく、リスク回避にも役立てることができます。
一覧表の起票推移を折れ線グラフにすることで、プロジェクトの健康診断が可能となります。起票数の累計を折れ
線グラフにしたとき、経験則上、信頼度成長曲線を描きます。信頼度成長曲線は、主にテストにおけるバグ検出数を見るものですが、一覧表にも適用できます。曲線を描いていなかったり、起票が行われなくなったりしている場合には、プロジェクトに何かしらの問題が起こっている可能性があるので注意しましょう。

4.まとめ

このプロジェクトは大規模なものではありましたが、常にステークホルダーが合意した方向へと進み続けました。当然、いくつかの問題が発生したものの、然るべき担当者が対処しました。今回ご紹介したWebディレクターは原始的なファイル形式による一覧表と、二度手間とも思える一覧表へのやりとりの転記によって救われましたが、方法はひとつではありません。
・やはりweb上で一元管理したい
・簡単に検索をかけたい
・長くなっても質問ややり取りを正確にすべて把握したい
という場合はプロジェクト管理ツールやタスク管理ツールも便利です。
あなたにぴったりの方法を探してみてはいかがでしょうか。

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