マネジメント
2018.12.30

新入社員が組織に定着するのに有効な『クロスマネジメント』の仕組みを作る

どうやったらチームをうまくまとめられるんだろうか。

20代中頃、私は初めての部下を持ち、彼とどのように関わっていいのかわからず苦悩していました。仕事が出来ないことに苛立ち、確認すれば済むことを勝手に進めてミスを起こし叱るとますますミスが増え、褒めると変に調子に乗ってしまう…

どうしていいのかわからず、先輩たちに聞いてみるものの、マネジメント手法が先輩のキャラクターに依存するもので、自分がやってもうまくいかないのが目に見えるなど、答えのない迷路に迷い込んでいたことを今でも思い出します。

そう、社内においてビジネスマナーや問題解決力などの研修はあるものの、新人管理職向けにマネジメントの仕方を教える場面は意外となかったりします。

今回は悩める管理職に向けて、個人ではなく組織でマネジメントをする「クロスマネジメント」という手法をお伝えします。

1.管理職たちが抱える悩みとは

管理職たちに聞いた、チームをマネジメントしていく上での悩みアンケートによると、上位トップ3は

  • 部下の育成
  • チーム管理
  • 業務フローの改善

とのこと。

管理職の悩みは業種・職種には関係なく、共通しているものが多いことがわかります。引用)
https://sp.otsuka-shokai.co.jp/media/theme/business-improvement/management/
大塚商会インターネット調査より

中でも7割以上の管理職が悩みとして上げた項目は「部下の育成」。

部下を育てることは会社から求められていることでもあり、管理職自身が次のステージに進むためにも必要なことです。これだけ多くの管理職が悩んでいると言うことは、ある意味部下の育成が上手くいくかどうかが会社全体の売上や成果にも直結する課題であるともいえますね。

部下の育成に取り組む上での上司の悩みとしてよく上がる声は、

●部下との関係性・距離感がわからない
→フレンドリー過ぎるのもまずいし、厳し過ぎるのも…

●信頼関係がつくれない
→家族構成やプライベートなことを全く知らないし、聞くこともできない

●何を考えているのか理解できない
→受け応えのひとつひとつがなぜそうなるのか理解できない

と言ったもの。

これらの悩みはすべて部下との日常のコミュニケーションに起因しているものと言えます。

2.コミュニケーションとハラスメントの分かれ目

「良かれと思って。」

部下との関係性でトラブルや問題を抱える管理職がよく口にする言葉です。部下のためを想って取った行動が部下にとっては迷惑になる。コミュニケーションとハラスメントは紙一重ということですね。

その分かれ目は

「何をしたか、ではなく、誰からされたか。」

コミュニケーションもハラスメントも結局は「受けとった側の判断が全て」だということです。

ある上司から指摘された時には「自分のことをそこまで思ってくれて嬉しい!」となるけれど、同じことを別の上司から言われたら「何でそんなん言われなきゃならないんだ!パワハラだ!」となったり。行為や言動の中身よりも、受け取り手の心象に左右されるということですね。

「いや、俺はあいつと信頼関係ができているから大丈夫。」

そうおっしゃる方もいるかもしれません。いえ。こういう人が危ないです。

私も過去に失敗したことがあります。意図せず無意識に加害者になっちゃうパターン。その始まりは相手が望んでいない「良かれと思って」。自分が勝手に信頼関係◎だと思っているだけで、相手がどうなのかはわかりません。

注目すべきは、相手との「関係性」です。上司部下の関係性はもちろん、相手との関係が、先輩・後輩やクライアント・発注先のように「上下関係」にある場合は気をつけなくてはなりません。

何故なら、相手より自分が上の立場だった場合、相手は何を言われても「NOと言えない」可能性があるから。

「部下が自分ではい!と言っていた」

これは相手に選択を迫った時点で、YES・NOではなく、実質NOは選べない状態になっており、YES1択だった可能性があると言うこと。

上司に嫌われたら評価に影響するかもしれないと思い、NOを言えずに部下が我慢し続けている可能性もあり得ると認識しておきましょう。

3.若い世代の価値観を知る

相手との関係性によって、どんな行動・行為もハラスメントになり得る。ということはまずは相手のことをよく知るのが大切ですね。

実際に自社の新卒若手メンバーたちを見て感じた、彼らから聞いた、若者世代の価値観について簡潔にまとめてみました。

●やりがいある仕事をしたい
●責任は出来れば持ちたくない
●みんなでつくりあげる仕事をしたい
●褒められたい、認められたい
●失敗が怖い
●無駄な我慢はしたくない
●仕事は時間内で終えたい
●オンとオフはしっかり分けたい
●業務外で上司(会社の人)と絡みたくない
●多様性に寛容で決めつけが嫌い(男らしく、女らしく、新人なんだから)

あくまで傾向ではありますが、代表的な項目を挙げてみました。

現在50代以上の上司世代が出世したい・お金を稼ぎたい・車を買いたいといったいわゆる野心、「自分のため」が主なモチベーションだったのに対して、若者世代は褒められたい、感謝されたい、社会的に意味のある仕事をしたいといった「誰かのため」がモチベーションの源泉である傾向が見えます。

また、意味の感じられない理不尽や我慢、根性論といった根拠のないものを嫌い、仕事とプライベートも分けたい傾向もあります。

なので、自分が飲みたい人と思う人とならともかく、望んでいない上司や先輩からの業務外の誘いはストレスになる可能性があるということですね。

お酒を飲まない人も増えていますので、無理に飲みに誘うのではなく、お茶や面談で話を聞いてあげる形でもいいかもしれません。

良かれと思って、無意識にハラスメント加害者にならないよう気をつけたいところですね。

4.斜め上のメンター

とはいっても、新入社員たちは会社に入ってわからないこと・やったことないことだらけの仕事に取り組んでいくわけなので、ストレスを抱えやすい状況でもあります。その際に社外の友人だけではなく、仕事をわかっている社内の人で相談できる人がいるかどうかは望まない離職を防ぐ為に大切な要素です。

直接の上司とのコミュニケーションはもちろん大切ですが、上司には話しにくいこともあったりします。そこで有効なのが「斜め上のメンター」です。

同じ部署ではなく、違う部署・仕事の先輩がメンターとして関係性を創り、悩みを聞いてあげることで直接の上司に話しにくいことも話せるし、本人もいつもとは違う視点の話が聞けて視野が広がるといった効果が生まれます。

私の所属する会社では、この斜め上のメンターを人事である私が担当しています。

エントリー → 選考 → 内定 と最初の接点からずっと知っている採用担当者が入社後も斜め上のメンターとして繋がり続け、メンタルケアをするかたち。

もし、仕事でモヤモヤしたことがあり解消出来ない、本気で辞めたいかもしれないといった時は最初に僕に連絡が来るような関係性をつくっており、実際にそこから離職が止まるケースもあります。

5.組織全体でクロスマネジメント

若手世代の価値観の多様化などの背景もあり、ひとりの管理職が自部署の部下全員をマネジメントする難易度はかなり高いのが現状です。これからは人依存ではなく組織全体でマネジメントしていく仕組み・環境をつくれた企業が伸びていくと考えます。

斜め上のメンターを相互に置き、組織全体として「クロスマネジメント」をすると管理職同士で互いの部下の強み・弱み、近況などを共有し合え、自分では引き出せなかったことがわかったり、部下の本当の悩み・気持ちを知ることができたりとマネジメントしていく上で必要な情報を正確に把握することができます。

その情報を基に、上司と部下が適切な距離感を保ち、仕事にあたることで人間関係のこじれ・ハラスメントといったトラブルも未然に防ぐことが可能です。

まとめ

いかがでしたでしょうか。自部署のマネジメント、とりわけ部下との関係性で悩んでいる管理職は多いです。

ひとりで悩み続けるのではなく、隣の部署の管理職たちと協力し、会社全体・組織全体での横断的なマネジメントに取り組んでみてはどうでしょうか。

これまで知らなかった部下の強みや魅力が見えてくるはずですよ。

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