ギグエコノミーと評判の時代に生きる戦略

ギグエコノミー(Gig Economy)という経済のあり方をご存知でしょうか。

ギグという名前は聞いたことはなくてもフリーランスやライドシェアなどの言葉を耳にしたことがある人も多いはずです。

世界の働き方は現在、急速に変わりつつあります。日本も例外ではありません。既に会社に正社員やアルバイト・パートタイムで働くだけではなくWebのプラットホーム上で、その時々に必要な人材と仕事をマッチングしてプロジェクトや案件が終わると解散するという働き方が珍しくなくなってきています。

エンジニアがWebのプラットホームを経由してプロジェクトに参加することも、ライターがクラウドソーシングサービスからプロジェクトに参加することも急速に広まっています。海外で配車アプリを使って安心して目的地に行けるのも、いまや当たり前の時代です。

これらはすべてギグ・エコノミーという新しい経済の在り方の上に起きている現象です。

このギグ・エコノミー化する社会では個人の信用や評判のヒストリーが自分の付加価値を左右する時代。日本の元号も平成から令和に変わります。新しい元号に最初はなんだか落ち着かないと感じる人もいるかもしれません。しかし、次第に新しい元号は生活の中に浸透するのと同じように、ギグエコノミーも生活に根付いていきそうです。

ギグエコノミーとは

ギグエコノミー(Gig Economy)とはインターネットなどを通じて単発の仕事やプロジェクトを受注する働き方や、それによって成り立つ経済の在り方です。

そもそも「ギグ(Gig)」とは、元々はライブハウスで気のあったジャズやロックなどミュージシャン同士が、その場限りの演奏をすることです。そこから派生して単発で働く仕事のことをギグと呼ぶようになりました。

フリーランスという言葉をSNSで見ることも増えましたがギグエコノミーの参加者はフリーランスだけではありません。どこかのレーベルに属しているミュージシャンと違うレーベルに属しているミュージシャンがその場かぎりの単発ライブをすることがあるのと同じで、ギグエコノミーのプレイヤーの属性はさまざまです。

フリーランス・会社員・主婦・学生などさまざまな人達が自分の技術や得意を持ち寄ってセッションを繰り返すことが当たり前になる時代。それがギグエコノミーの時代です。

ギグエコノミーのメリット・デメリット

ギグエコノミー化する社会にもメリットとデメリットがあります。ギグエコノミーの良いところと不安視されているところを浮き彫りにすることで、ギグエコノミーの特徴を整理してみましょう。

ギグエコノミーのメリットは流動性

ギグエコノミーは働き方の多様性を促します。

例えば昭和・平成の時代では、学校を卒業し会社に入って仕事をして定年を迎えるというライフスタイルが一般的でした。いわゆる社会のレールから外れると生きるのが難しかった時代ではないでしょうか。レールから外れたら日本では生きていけないという強迫観念や空気が平成の日本を支配していたと言っても言い過ぎではないでしょう。昭和の高度経済成長の時代は学校を卒業し会社員になり定年まで勤めあげるというレールがしっかり敷かれていました。

しかし平成に入ってからは不況による就職氷河期で昭和の時代に機能したレールにひびが入りました。レールに最初から乗れなかったり脱線したり、乗ったはいいものの乗り心地が悪すぎて苦しいといった問題が噴出したのです。就職できなかかったり出産や病気で退職した人はレールから外れると社会復帰は困難でした。

言い換えると「流動性のない社会」だったわけです。

ギグエコノミーは社会に流動性を提供します。レールから外れた人もギグエコノミーから仕事を受けることもできます。そしてギグの流動性は「会社」も飲み込んでいくでしょう。レールは流動性という名の海の底に沈みます。レールから外れても泳いでいける時代になるのです。

  • 昭和はレールが敷かれた時代
  • 平成は古いレールにひびが入った時代
  • 令和はレールが流動性に埋もれていく時代

ギグエコノミーは硬直化した日本に流動性をもたらすのです。

ギグエコノミーのデメリット

ギグエコノミーは働き方の自由を促す反面、安定した待遇や労働者保護の仕組みで問題があるのではないかという議論もあります。例えばフリーランスでは会社員のような保障がない、労働基準法が会社員のように適用されない、市場原理に任せてしまうことで弱肉強食の厳しい時代になってしまうのではないかという意見です。

また専門能力の優劣により収入面、受注面でも大きな格差が生まれるのではないかという懸念があります。

現在はギグエコノミーと旧来の働き方の価値観が綱引きをしている状況ではないでしょうか。

– フリーランスが良い?
– やはり会社員が安定している?
– 会社員をしながら副業もするのが一番?

こんな話題がSNSでも散見されています。各々の立場で新しい時代における立ち位置を模索している人がたくさんいます。

ギグエコノミーのプラットホーム

ギグエコノミーを支えるプラットホームがIT技術の発展により次々に生まれました。そして、それぞれのプラットホームは働き手と仕事を依頼したい人の「ギグ」の場を提供しています。

代表的なプラットホームを確認しましょう。

UberやGrabタクシー

UberやGrabタクシーは配車アプリのサービスです。しかし見方を変えれば運転手とサービスを利用したい人を結びつけるギグエコノミー時代のプラットホームでもあります。

日本ではタクシー業界の反発も強いためUberやGrabタクシーによる運転手のギグエコノミー化は見られません。しかし東南アジアではGrabタクシーの利用が既に活発になっています。

またアメリカではLyft(リフト)という配車アプリのサービスが盛んで2019年春にアメリカ市場でIPOされて話題を集めています。世界中の投資家もギグエコノミーは時代の大きなトレンドと感じており盛り上がっていました。

クラウドソーシング

最近では、日本でもフリーランスや主婦、会社員の副業家がクラウドソーシングのプラットホームを利用してギグ・エコノミー的な働き方をしている人が珍しくありません。日本ではランサーズやクラウドワークスがプラットフォーマーとして有名です。

Webライターやデザイナー、エンジニアなどの様々な職種の人がクラウドソーシング上で仕事を依頼する人とマッチングして仕事を請け負っています。

Airbnbなどの民泊

エアビーアンドビーもある種のギグエコノミーの形です。宿泊施設や民宿を貸し出す人向けのWebサイトで世界中で部屋を貸し出したい人と借りたい人の需要と供給をマッチングすることでシェアを拡大してきました。

最近の若い10代〜20代はエアビーを積極的に利用して宿泊費を節約しながら旅行しています。

ギグエコノミーは個人の評判の時代

ギグエコノミーの世界では個人の評判が大切になります。言い換えると今までは所属している会社の名前などに重きが置かれていましたがギグエコノミーの世界では会社や組織に属していること自体をアイデンティティにしてはいけないということです。会社員であれフリーランスであれ個人のブランド化や信頼・評判を積み上げていくことでギグエコノミーの世界で仕事につながります。

ギグエコノミーでは個人の実績や評判をもとに仕事をとりやすくなるかどうかが決まります。例えば配車アプリのGranタクシーでは運転手とサービスを利用した人が最後に相互評価をします。

いわゆるボッタクリをするような運転手は低い評価をつけられ続けるため悪い評判が可視化され結果的に仕事を引き受けようとしても避けられるようになってしまいます。そして評価が悪い運転手は最終的にはGrabタクシーで仕事を受けられなくなります。

ギグエコノミーでは信用や評判がプラットホームやSNSによって可視化される仕組みが取られているので個人が信用を築いていくことが求められます。

ギグエコノミーではSNS発信で評判を高めることも大切

SNSが社会的なインフラになりSNS上で評判を高めることも重要な時代になりました。ギグエコノミーの世界では多数のプラットホームが乱立しており、それぞれのプラットホームごとに可視化される信用もありますがSNSで評判を高めれば様々なプラットホームでもSNS上で獲得した評判をポータブルに持ち運ぶことができます。

もちろん中身のないものをSNSで発信しても中身がないことに変わりはありません。そのためSNSで発信する以前に仕事の実力をつける必要はあります。

一方で実力や実績を可視化するための努力もギグエコノミーでは重要になってきました。つまり実力や実績、ポートフォリオを社会に届けるまでが大切になったのです。

リンクトイン

リンクトインはビジネスに特化したSNSです。特に海外でユーザーが多いSNSで登録しておくことで仕事につながりやすいコミュニケーションが生まれやすくなります。フェイスブックなどと違いビジネスに特化しているため登録して活発に実績を発信し交流を重ねると仕事につながる可能性が高まります。

欧米に比べ日本ではリンクトインはメジャーではありませんが世界的に見ると非常に大きなプラットホームです。

Twitter

Twitterは140文字以内で情報発信できる拡散性の高いSNSです。Twitterのフォロワー数が信用経済の尺度の基準だと言われることもあります。Twitterで情報発信や交流をすることで知名度をあげて仕事獲得につなげているフリーランスや会社員も今では珍しくありません。

闇雲にフォロワー数を増やすために小手先のテクニックを使ったりフォロワーを業者から買うようなことをしても本当にリーチしたい層に届きません。

届けたい層に有益な情報やフォローしたくなるような魅力を日々、発信していくことでTwitterのアカウントのフォロワー数は一般的に増えやすくなると言われています。

Instagram

InstagramはFacebookが運営する写真共有SNSです。若者や女性に支持されているSNSで、デザイナーや写真家などビジュアルに訴えるポートフォリオを発信したい人に適しています。

Instagramでフォロワーを増やしていきながらSNSマーケティングを行う個人や企業もいまでは珍しくありません。

デジタルタトゥーに気をつけるべき時代

SNSによる情報発信が盛んになる一方で信用が大切なギグエコノミーの世界ではデジタルタトゥーに気をつけるべきです。デジタルタトゥーとはWebに一度、公開された書き込みや個人情報、画像、動画などが拡散してしまうと完全に削除するのが不可能なために残ってしまうデータのことです。

ギグエコノミーでは個人の信用が仕事につながることもある一方で悪い評判が重なると、仕事を受けづらくなります。また就職活動でも企業はSNSで何を発信しているのか調べることが当たり前の時代です。

そのためSNSやWeb上で自分の信用を落とすような書き込みは控えるべきです。過去の思わぬデジタルタトゥーが未来の可能性の足をひっぱる可能性もあるのです。

ギグエコノミーの先にあるスマートコントラクト

ギグエコノミーではプラットホームを通して仕事をする人と依頼する人がマッチングされます。しかし、もうひとつ先の可能性もあります。それがスマートコントラクトによるプラットホームすら介さない社会です。

スマートコントラクトとは書き換えが不可能な契約のことです。取引履歴の書き換えが不可能なビットコインを代表する暗号通貨にも用いられている技術です。

最終的にはギグエコノミーのプラットホームすらもなくなりスマートコントラクトによる個人間のやりとりが盛んになるのではないかという見方もあります。

ギグエコノミーでは実力をつけることと発信をセットで行なう

ギグエコノミーでは個人のブランドや評判が仕事につながります。ギグエコノミーを生きていくために大事なことは2つです。

  • 仕事の実力・実績を高める
  • 自分の実力・実績を求める人に届ける活動をする

この2つがギグ化けする社会で個人が意識しなければいけないことです。昭和・平成の時代のように良い会社に入る、良い大学に入るといった所属先をアイデンティティにする時代は令和の時代の中で終わりを迎えるかもしれません。

まとめ

ギグエコノミー(Gig Economy)とはインターネットなどを通じて単発の仕事やプロジェクトを受注する働き方や、それによって成り立つ経済の在り方です。

ギグエコノミーで社会はますます流動性が高まることが予想されます。そして個人で仕事を引き受けるときに重要なのが評判や信用を実力と共に高めること。SNS発信なども重ねながら自分の実力や得意なことを必要な人に届けるところまでデザインしていく時代になるでしょう。

昭和から続いたレールは平成でひびが入り令和で流動性の海に埋もれます。過去の人生の攻略法では通用しない新しい時代に少しずつ変わりつつあります。

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