ブレスト前に自分をストーミングするノンストップライティング

ブレーンストーミングは集団でアイデアを出す際の創造的手法として有名です。よくブレストと略します。チームで集まってお互いを批判しないというルールのもとで、それぞれがアイデアを出しあいます。ブレーンストーミングによって集団でアイデアを出し合いクリエイティブなものを生み出したりビジネスのアイデアについて考えたりしたことがある人も多いのではないでしょうか。

しかしブレーンストーミングだけでは本当に自由な発想は生まれるのでしょうか。お互いを批判しないことを前提にアイデアを出し合うブレーンストーミングですが実は本当に一番、大きな批判者の存在を忘れています。アイデアにブレーキをかけているのは自分自身のメンタルブロックの可能性も高いからです。

自分自身のメンタルブロックを外さない限り、ブレーンストーミングにあがるアイデアは既に自分自身によって検閲されたアイデアのみになります。そのメンタルブロックを壊し自分自身をストーミングするのがノンストップライティングです。

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ノンストップライティングとは

ノンストップライティングとは自分自身の中のメンタルブロック、言い換えれば反省・批判を置き去りにすることでメンタルブロックの枠から外れたアイデアや自分自身のインサイトを取り出す発想法です。

名前の通り紙にひたすら自分の考えや思いを書き続けていきます。名前の通りノンストップで書き続けていくことでメンタルブロックや自分自身の反省的な思考を置き去りにします。そして自分自身のブレーキを外すことで新しいアイデアや気づかなかった自分自身のことまで浮き彫りになります。

ブレーンストーミング前に自分をストーミングする

ブレーンストーミングではお互いの批判や評価をしないことを前提にアイデアを出し合います。しかし人間は自分自身の考えを批判や評価してしまいます。言いづらいことや自分自身の本音の枠からは抜け出せません。

つまり、普通にブレーンストーミングをしても既に自分自身の批判や評価からフィルタリングがかかったアイデアしか出てこない可能性が高いのです。

例えば

  • こんな突拍子のないことを言ったら恥ずかしいのでは?
  • どう考えてもつまらないアイデアだから言わないほうが良いのでは?
  • このアイデアを言ったら相手に嫌われてしまうのではないか?

このように自分自身が最大の批判者となり結局ブレーンストーミングをしても、ブレストに出てくるアイデアがありきたりなものになってしまうことも多いのです。そこでノンストップライティングで自分自身をストーミングしてしまうことでブレストにあげるアイデアをより創造的にするのです。

ノンストップライティングの発案者:ナタリー・ゴールドバーグ

ノンストップライティングの発案者はナタリー・ゴールドバーグです。日本でも『魂の文章術』という訳書が販売されています。全米で100万部を売り上げたベストセラーの文章術の本です。

彼女の文章術の本には心の底から湧き上がってくる思いを言葉にせよという趣旨のことが書かれています。その心の底から湧き上がってくる思いを言葉にするには頭で考えて文章を書くべきではないと主張しています。

ナタリー・ゴールドバーグの心の底から湧き上がってくる思いを言葉にするライティングのルールがノンストップ・ライティングです。

ノンストップライティングの手順

ノンストップライティングの手順は以下の通りです。しかし基本的には難しくありません。紙と鉛筆を用意してひたすら書き続けるだけです。

書く準備をして15分タイマーをセット

周りに邪魔されない環境で紙とペン、またはテキストエディタを用意します。そしてタイマーを15分にセットします。制限時間をあらかじめ決めておくのがポイントです。

タイマーが鳴るまで、とにかく書き続ける

タイマーが鳴るまで、なんでも良いからとにかく書き続けます。その際のポイントは次の通りです。

  • 手を止めて書いた文章を読み返さない
  • 書いたものを消さない。文章が不本意なものでも、そのまま残しておく
  • 綴りや、句読点、文法などは気にしない
  • 漢字が出てこなければ、ひらがな、カタカナでもいい
  • 満足できなくても、そのまま進む
  • 論理的にならない
  • 書くことがなくなっても書くことがないと書く、とにかく手を止めない

自身のマインドブロックを除去することが狙いなので、とにかく心や感情から湧き出てくるものを書きます。

怖い考えや自分でも見たくない内面の感情に飛びつく

怖い考えや自分でも見たくない内面の感情が出てきたら、そこに飛びつきます。そこにきっとたくさんのエネルギーが溢れておりメンタルブロックが外れたアイデアや自分の本当のインサイトがあります。

最大の批判者は自分自身

最大の批判者は実は自分自身であることが多いのです。人は何かを伝える時に失礼にならないように言おう、うまく表現しよう、美しい言葉を使おうと考えてしまいます。

アイデアを考えていても古臭い、幼稚、大袈裟、ネガティブすぎる、相手のことを考えていない、自分のことばかり、新しすぎる、恥ずかしい、誰か既に考えているのでは、など自分の中にある批判を繰り返していくと結局は当たり障りのないアイデアしか出てきません。

自分の中の創造者と編集者を切り離し、創造者がのびのびと呼吸し、探求や表現ができるようにすることがノンストップライティングの狙いです。

ノンストップ・ライティングの実体験

私は考えすぎてしまうタイプの人間です。言うなればメンタルブロックの塊です。そのためアイデアを出すときにも自分自身が最大の批判者になってしまい思うようにアイデアが出てきません。また心の中に自分にもわからない正体不明の感情があると、それがひっかかってしまい思うように表現が出来ないことも多いです。

そこで時々ノンストップ・ライティングを実践しています。私はノンストップ・ライティングの時はあえて紙とペンを使っています。大体、このような感じで15分が経過します。

  • 最初の書き出しでは日頃、思っていることや最近あったことなどを思いつくままに書きます
  • そして書きやすいネタがなくなってきても無理矢理、何か書きます
  • そのうち書くことがなくなり自分の中にあるモヤモヤとした感情も書くことになります
  • 書き続けていくと自分の中の批判的な感情がオーバーフローしていきます
  • 最後にはひどく人には見せられない文章にもなっていない文章が完成します

ノンストップ・ライティングを見返す

ノンストップ・ライティングの成果物を見返すと他人には見せられないひどいものが出来上がります。字も汚く論理も文法も漢字も無茶苦茶で文章の体をなしていないものに仕上がります。

そこから自分の思考を客観視しメンタルブロックの外れたアイデアの源泉を探します。自分でも気づけなかった内面に気づくこともできます。もちろんノンストップ・ライティングの成果物をそのままブレーン・ストーミングに乗せるのが難しいこともあります。しかし、いきなりブレーン・ストーミングをするよりもノンストップ・ライティングで自分自身を先にストーミングしておくことでブレストであげられるアイデアの幅と量が広がります。

SNSや本を見ても分からない自分自身のこと

SNSや本を眺めることで他人の主義や主張を受けとることはできます。他者からの刺激を受けることで自分の中にはなかったアイデアも生まれるでしょうし行動もできるかもしれません。しかし最近の情報過多の社会では一方的にメディアからのシャワーを浴び続けてしまうことで自分自身のインサイトや考えを置き去りにしてしまうこともあるのではないでしょうか。

自分の問題を解決しようと検索エンジンに悩みのキーワードを打ち込んでみても検索意図から自分のサービスに誘導しようとするメディアのサービスに誘導されてしまうだけかもしれません。

本も不特定多数の人に向けられたメディアです。ヒントは書いてあるかもしれませんが自分自身の悩みを100%解決してくれる自分自身のための回答が書いてあるわけではありません。

自分自身のことは自分自身に聞くしかありません。しかし、頭の中に浮かぶものはすぐに消えて行きます。自分自身の中にあるにも関わらず捉えどころがありません。

だからこそ書きつけて文章にすることで、客観的に扱うことができます。そのためのノンストップライティングです。

ナタリー・ゴールドバーグの学んだ禅とインフルエンサー

ナタリー・ゴールドバーグは仏教の「禅」を30年学びました。禅は欧米人も魅了するようでアップルのスティーブ・ジョブスも禅の考えに大きな影響を受けたそうです。「禅」には多くの生きるためのヒントがありますが、その中でも「あるがままを受け入れる」という考えが禅にはあります。

自分のあるがままを受け入れ、それを表現するのがノンストップ・ライティングの真髄です。実はノンストップ・ライティングは延々と自分の思考を書き続けていくことでメンタルブロックを外すし、あるがままの自分にたどり着くための手段です。

禅の考えでは他人の価値観や余計な悩みに振り回されないように、無駄なものを削ぎ落とし、限りなくシンプルに生きていくことを大切にしています。現代社会は情報過多で手持ちのスマートフォンやパソコンから他人の価値観か悩みが溢れ出てきます。日々、溢れ出てくる価値観や悩みに触れていくと多かれ少なかれ影響を受けます。

インフルエンサーという言葉が流行っています。世間に与える影響力が大きな人物のことです。インフルエンスは影響を与えるという意味です。このような言葉が流行っていること自体、現代社会がメディアを通して大きく影響を与える人と受ける人がいることの証です。インフルエンサーの発信によって影響を受ける人は少なくありません。

中には生き方を悩んでいる人がメディアを通してインフルエンサーの主義・主張に影響を受けて

  • 会社員は不自由だ。フリーランスは最高だ!。会社を辞めよう!
  • 大学にいる意味はない。さっさと辞めてブログ収益で食べていこう!
  • 仮想通貨を買っていない人は時代遅れなのか。仮想通貨を買おう!

このように考える人が世の中にはたくさんいます。もちろん自分の意思で決めたことなら問題ありません。しかし自分の思考と他人の思考を切り離せずに、意思決定をしてしまう人も多いのではないでしょうか。

自分の思考が他人の思考と切り離し自立した思考をするためにも、自分自身を見つめる禅の考えは有効です。そして座禅を組まずとも紙と鉛筆でノンストップ・ライティングをすれば自分自身の本当に考えを浮き彫りにできます。

魂の文章術

ナタリー・ゴールドバーグの著書は『魂の文章術』という邦題です。彼女の文章術では書くことを通して自分の感覚や書いている対象との直接的なつながりを保つことを大切にしています。直感的な思考を大切にしています。しかし直感は理性や常識、反省などの自己批判によってありのままの形を保つことが難しいのです。

ライティングには分かりやすく人に伝えるという相手ありきの書き方もあります。しかしライティングには自分自身の内なる考えやアイデア、思いを浮き彫りにしていくモノローグ的な書き方もあるのです。

ナタリー・ゴールドバーグの文章術はまさに自分の魂を引き出す文章術なのです。

まとめ

ノンストップ・ライティングの目的はアイデアを生む際の抵抗や不安を取り除いて自分のうちにあるメンタルブロックの先を浮き彫りにすることです。

書く準備をして15分タイマーをセットし、タイマーが鳴るまでなんでもいいから手を止めずに書き続けます。そして怖い考えや自分で見たくない感情に突き当たったら飛びつきます。そして15分経過したら見返します。

自分自身の隠れていた考えを浮き彫りにもできますし、ブレーン・ストーミング前に自分のアイデアの量と幅を広げるにも役にたちます。

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