ティール組織とモンテッソーリ幼稚園PTAの類似点とは

ティール組織は、今話題のビジネスモデルです。しかし、ティール組織は非常に捉えどころがなく、難しいと思っている人も多いのではないでしょうか。そこで、今回はティール組織を理解するために、幼稚園のPTA組織というビジネスから一番遠いところにある組織と敢えて比較することで類似点を探りたいと思います。
なぜ、幼稚園のPTA組織を提案したかというと、私自身が現在、幼稚園PTAとティール組織の両方に属しているためです。
今回は実体験から、一見離れているように見える2つの組織の類似点をお伝えしていきます。

ティール組織は2018年話題のビジネスモデル

まずはティール組織の説明から始めていきます。発端は2018年の1月に刊行された『ティール組織』(英治出版刊)という書籍です。この本は従来の考え方とは真逆の部分もあったことにより、マネジメント業界に大きな衝撃を与えました。

ティール組織は民間企業の組織形態に疑問を投げかけた

ティール組織は、従来の企業組織形態を「達成型組織」と名付けており、ティール組織との比較を試みています。
従来のマネジメントのベースは現行の企業の組織形態であり、そこに疑問を持つものはいませんでした。しかし、その組織形態には「副作用」があるとし、従来の組織形態に疑問を投げかけたのです。

達成型組織の「恐れ」という副作用

達成型組織は上下関係が存在します。目標やルールを明確に定め、ルールの中で目標達成のために組織が活動するというスタイルです。主な目標は売上や収益の増加です。その方法として、上下関係による階層組織になっており上司が部下に指示を出します。
ところが、「ティール組織」の本の中で、上下関係が発生することで副作用が発生し、無駄なコストがかかることが述べられています。無駄なコストが発生する主な原因は「恐れ」です。

主な「恐れ」は以下の3つです。

・目標に追われるという「恐れ」
・生存が脅かされる「恐れ」
・上司に良い顔をしないといけないという「恐れ」

目標に追われるという「恐れ」

会社の業績アップに対し、コミットを求められることで常に結果に追われるという「恐れ」を抱くことになります。達成型組織であれば、結果を求めることは必要であるという認識です。しかし、求めすぎると従業員が会社にとって都合の良い部分だけ見せることとなり、それは、本来の従業員の持ち味をすべて生かすことができないので、組織にとってもマイナスであるという認識です。

生存が脅かされる「恐れ」

この仕事をちゃんとやらないと会社が潰れるという圧力からくる「恐れ」です。トップほど、部下に対し脅すことでコントロールするコミュニケーションをしがちです。その結果、常にビジネスは戦場であり、「生きるか死ぬか」などの思考に従業員は陥りやすくなります。同僚も含めすべてを敵として認識しやすくなり、協力をしようとしなくなります。その結果、組織として余計なコストが発生します。

上司に良い顔をしないといけないという「恐れ」

上司、部下という固定化した関係性からくる「恐れ」です。上司としてもどのように部下を説得したらいいのかという「恐れ」が生じます。また部下も上司からの指示に対してどのように受けたらいいのかという「恐れ」が生じます。
双方にとって、コミュニケーションコストがかかりますので、組織としてはマイナスになります。

ティール組織における主な3つの特徴

ティール組織には、主に3つの特徴があるとされています。そしてその3つの特徴は、前述した達成型組織で発生する恐れを解消する手立てにもなります。

その3つとは
・自分の頭で考えて動く
・存在する目的に注力する
・個人の持てる力を最大限に使う

です。以下順に説明していきます。

自分の頭で考えて動く

「ティール組織」では、「自主経営」とも言われています。誰かから命令されるのではなく、意思決定に関わる権限と責任を全メンバーに与えられ、自らの頭で考え動きます。
具体的には、「気づいてしまった」人が責任者となり、そのタスクに詳しい人に「助言」を求めます。助言の結果を聞いたとしても決めるのは「気づいてしまった」人です。上司の意見や多数決で決まるのではなく、やりたいかどうかで進めていきます。
もちろん様々な人のフィードバックを受けて、プロジェクトは変化していきます。そのプロジェクトは、たくさんの人の共感を得て大きくなっていけばどんどん進みます。
共感が得られないプロジェクトに対して、責任をもって行ってもいいのですが、どんどん尻すぼみとなっていきますので、止めざるを得なくなります。
このようにフィードバックを上司からもらうのではなく、全体で判定していくことにより上下間のコミュニケーションコストが軽減されます。

存在する目的に注力する

達成型組織でも「目的」を決めているではないかといわれるかもしれませんが、いわゆる一般の企業の目的は売上・収益の増加です。しかし、その目標が一般の従業員にとっても共通の目標となっている場合は少ないでしょう。
また、達成型組織でもミッション経営などに代表される、目的を持っているのではないかと思われるかもしれません。
これも、会社全体としてどれだけ浸透しているかは疑問です。
ティール組織の場合、存在する目的に沿えるかどうかが一番重要になります。そしてその目的は経済性でないものがほとんどです。
その目的に沿える人が集まることになりますので、従来の目標に追い立てられて行動するのではなく、自発的に行動するようになります。

個人の持てる力を最大限に使う

達成型組織では経済的な目的に対して、「達成できるかどうか」という尺度でしか判断をしません。一方ティール組織は、経済的な部分以外でも評価してもらえるよう、他の人に対して素の自分をみせてもいいように配慮がされています。
その結果安心感が生まれ、自分の持てる才能全てでタスクを行うことができるようになります。その結果、不安からくる「恐怖」ではなく、他者に対しても信頼をもって協力をすることができるようになります。

日本ではあまり有名ではないモンテッソーリ教育幼稚園

一方、今回とりあげる幼稚園PTAですが、幼稚園PTAでも、モンテッソーリ教育を行っている幼稚園PTAを取り上げますので、最初にモンテッソーリ教育の説明を行います。

モンテッソーリ教育とは、イタリア初の女性医師「マリア・モンテッソーリ」が提唱した、独自の理論を使い、子どもの知的発達を促す教育方法です。
モンテッソーリ教育の基本は「自分で考えて、行動する」ということです。その教育を推進するものとして、「お仕事」というタスクがあります。それぞれが、「お仕事」と呼ばれるタスクを自由に選び、各々がそのお仕事に没頭します。
「お仕事」の内容は、基本は手を使って自分で組み立てるものが主です。この「お仕事」を個々で行うことから、「集中力」が増すと言われる一方、「協調性」が育たないとモンテッソーリ教育を敬遠する方もいるようです。
しかし、実際通わせて感じるのは、少人数の縦割りグループですので、孤立することなく皆仲良くやっているなというのが正直な感想です。

モンテッソーリ幼稚園出身のGoogleやAmazon創業者たち

モンテッソーリ教育は、日本ではあまり有名ではありません。将棋界の藤井聡太7段がモンテッソーリ教育の幼稚園出身とされていますが、日本ではモンテッソーリ教育の小学校がほぼ存在しない状況ですので、モンテッソーリ教育幼稚園の数も限られているのが現状です。
しかし、世界をみると世界の大手企業であるGoogle創業者のラリーページやセルゲイ・ブリン、Amazon創業者のジェフ・ベゾス、Facebook創業者のマーク・ザッカーバーグなどの経済界をはじめ、経営学者のP.F.ドラッガーや元米国大統領と国務長官であるクリントン夫妻などそうそうたるメンバーがモンテッソーリ教育の出身です。
Google創業者は、会社が成功した理由としてモンテッソーリ教育をあげているほどであり、海外では広く知れ渡っている教育方法です。

PTAのメンバーはほぼ普通の専業主婦

しかし、当園に通わせている親御さんと話をしてみると、藤井七段の話以外、この逸話を知っている人は誰もいませんでした。つまり将来このような大人に育てようと思ってはおらず、当園に通っている理由は「近いから」「兄弟もここに通っていたから」「知り合いから勧められたから」などのある意味普通の理由で通わせていただけでした。

したがって、特別教育熱心というわけでもなく、ごくごく普通の専業主婦のお母さん達で作られているのが、モンテッソーリ教育幼稚園のPTA組織です。

モンテッソーリ教育幼稚園のPTA組織の活動内容

当園のPTA組織の活動は多岐に渡ります。父母のどちらかは全員加入の上、イベントごとに委員会を設置して活動します。幼稚園で指定されたイベントだけでなく、父母達が主催となって自発的に行うイベントも多数あります。
一番活動が活発な、10・11月は週3~4回、子供たちが幼稚園に行っている間、階下のフロアで入れ替わり委員会の打ち合わせや準備が行われています。

ティール組織とモンテッソーリ教育幼稚園のPTA組織の類似点

前述まででティール組織とモンテッソーリ教育幼稚園のPTA組織の概要を述べました。ここでは両者の類似点をあげてみます。

ティール組織との類似点

ティール組織の主な特徴とモンテッソーリ教育幼稚園のPTA組織は、比較的類似点が多いと考えられます。以下詳しく述べていきます。

存在する目的に注力する

モンテッソーリ教育幼稚園のPTA組織も目的は明確です。それは、子供たちの発育に対して親として貢献したいということです。その前提としてあるのは、幼稚園の園長先生の言葉に対して素直に受け取っており、全幅の信頼を置いているから行動できるというのもあるかもしれません。

自分の頭で考えて動く

当PTA組織のお母さんたちの自発的な行動には目を見張るばかりです。というより女性の方が男性に比べて小さいところにも良く気づき、フットワークも軽いので、通常の会社員をしている男性よりもずっと自分で考えて行動しているのではと考えられます。
現在では、スマートフォンにLINEなどのアプリをインストールしているため、常に誰かが提案をして、それに対して合議を繰り返すということが起きています。
また、女性なので一人で勝手に突き進むということもしません。同意が得られなければ、スムーズにその案件は何事もなかったかのように削除されていきます。

個人の持てる力を最大限に使う

こちらも他者に対して自分をさらけ出すということは、女性の方が向いているのではと思います。それぞれのメンバーに対して、私以外全員下の名前で呼び合っており、お互いの家にも行き来しています。
それぞれが出来るものを持ち寄って活動するという行為も、男性ですと上下関係が発生しやすくギクシャクしやすいのですが、自然にできているようです。

ティール組織と異なる点

男性の私からは見えづらいのですが、やはり妬みや僻みも若干あるようです。その人たちに嫌われてしまった場合、同じ地区に住んでいる場合だと幼稚園から小学校、中学校と先もずっと付き合うことになるので、行動をセーブしている部分もあると聞きます。
しかし、それほどあるとも思えず若干の程度なのかなと思っています。

4.女性のほうがティール組織に向いているのではないか

ここまで、ティール組織と、モンテッソーリ教育幼稚園PTAとの類似点を述べてきました。
総じて女性は男性よりもティール組織の概念を受け入れやすいのではと思います。ウィークポイントがあるとすれば、感情でぶれてしまう可能性がありますが、当園の場合はモンテッソーリという一つの軸があるので、知らず知らずのうちに、お母さんたちも影響をうけおり、自発的に行動しているのではと考えられます。
やはり、組織にはブレない軸が必要であると考えます。今後ますます重要性が増してくるティール組織ですが、今回のレポートがあなたにお役に立てましたら幸いです。

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