すること・しないことをはっきり分けて、生産性やチーム力を向上させるには?

「おもてなし」力の高さで知られる日本。実際、買い物に行けば、店員のサービスの良さに驚くときが多くあります。そんなサービスのよさが当たり前な土壌をもつ日本人。職場でも、自分の業務以外にもかかわらず、何か周囲に仕事を頼まれたときに、ついつい何でも引き受けてしまったことはないでしょうか? その頼まれ事が、自分のキャパシティを超えない程度の依頼であったり、自分の主義にマッチしていたり、または自分の成長のために役立ちそうなことになるのならば、前向きに捉えられる事かも知れません。しかし、ある程度の年齢やキャリアを重ねているビジネスパーソンの場合、何でも受け入れるなんでも屋になってしまうことは、リスクが高いという事実を見逃してはなりません。この記事では、何でも屋にならず、しないことを決め、それを守ることが、本来の仕事に役立つということについて考察していきます。

優秀な人材、でも何がしたいの?

私自身の経験で恐縮ですが、ライターが以前、前職の外資系企業にて面接官を担当したときのこと。スキルの高さや資格の多さにもかかわらず、採用は積極的になれなかった面接者がいました。その人物は、取得するまでに大変な労力と実力が必要な資格を様々持っていたのですが、その資格のひとつひとつに一貫性がないのです。なぜこれらの資格を取得したのかを質問しても、要領を得ない返答が続きました。資格を沢山持ち、能力が高いにもかかわらず、具体的にしたいことや、一貫性がないために、その人物にしてもらいたい仕事がぼんやりしてしまい、採用しづらくなる、という、資格が役に立たない悪循環を感じた面接での出来事です。

この経験から、まずビジネスパーソンとは、自分がしたいことやミッションを持ち、そこに行き着く事までに何が必要なのかを見分け、習得していくことが非常に重要であることを感じました。

レストランでも徹底している する or しないの線引き

一般的な日本のレストランであれば、ウェイターや、店員に頼めば、何でもオーダーを通してくれる事が多いでしょう。しかし、アメリカでもある程度のランクのレストランに行くと、お酒のオーダー担当の店員に食事のオーダーをしても、「自分の仕事じゃない」と言って取り合ってくれません。日本人の根底にある「お客さまは神様」的な思想から考えると、なぜこの店員はオーダーを受けてくれないのか? と疑問を持ってしまうかもしれません。でも、逆に考えると、お酒のオーダーの担当は、お酒のサービスに徹し、メニューオーダー担当は食事のサービスに徹したほうが、お店をトータルではかると、総じて一人一人のサービスを掘り下げていくことが可能になり、ひとりひとりのレベルが高くなり、その店はサービスが高い、ということにつながるのです。仕事を分業して、サービスを深く掘り下げることとは、最小限の人材コストで、最大限の結果を出すという効率化につなげることができるのだ、という構図を見て取ることができます。ここで仮に、店員がわからないのにお酒のオーダーを受けてしまって、間違ったお酒を出してしまうほうが、よっぽどお客に失礼なことになりますし、間違ったものを出したコストのロス、その人材が無駄に動いたコストもロスになってしまう、というわけです。

やらないことを決める

グーグルの共同創業者として有名なラリー・ペイジ氏がかつての若き日に、経営に関するアドバイスをアップル社の元会長であるスティーブ・ジョブス氏に求めた時のこと。ジョブス氏が、「やらないことを決める、それが経営だ。」などと、アドバイスした、という内容が、まことしやかにWEB上の記事に書かれています。しないことを選択するということについて、アップルの商品に置き換えて考えてみると、アップル社がこれまで発売してきた時代をも変えてしまう商品の数々は、あらゆる機能を搭載したなんでもできるマルチ的な特長を持つ商品ではなく、ミニマムにデザインを削ぎ落とし、何を搭載しないのか、何をカットしていくのかを十二分に考え尽くした商品ばかりであり、ジョブズ氏は、しないことを決めることを徹底して行ってきたと言えます。これまでのマッキントッシュの商品は、何を選択しないのか、何を搭載しないのかを見極め、商品を機能やデザインをミニマムにすることで、マキシマムに商品の革新性をアピールすることに成功してきました。そして、マックユーザー自身を、時代を先取りする進歩的な人に見せてしまうマジックを生み出してきたと言うわけです。

一転、私たちの身の回りには、使わない機能が搭載された電化製品やモノがあふれています。炊飯器についている蒸しケーキを作れるボタン、電子レンジの、特定の食べ物のあたためのみに使える機能ボタン、テレビやエアコンのリモコンにも、使ったことのないボタンが多くあるのではないでしょうか。そこに気づいた家電メーカーが、多機能性をアピールし続けるのか、ボタンをすっきりさせて、主要の使い方のボタンに機能を収斂させ、利便性をあげつつデザインもすっきりさせていくのか選択をすすめることによって、メーカーの方向性や、獲得したいユーザー層へのアピール力もおのずとわかり、消費者は自分の好みにあった商品を安心して選ぶことができるようになります。

ボタンは沢山あればよいのか、明確なボタンがあればよいのか

しないことを決めることとは、したいことを明確にすることに直結することを表します。炊飯器で例を述べると、炊飯器を買うときに、とにかくお米をおいしく焚く事だけを追求している商品を買うのか、お米は普通に炊けて、おかゆも蒸しパンも作れるほうを買うのか、どちらに決めるか迷うかもしれません。しかし、多機能の炊飯器が、その多機能を叶えるために貴重なコストを、お米を焚くこと以外にも分散させて商品が作られていると考えてみるとどうでしょうか。炊飯器に求める、おいしいお米をたく、という機能が突出して良い商品であると考えられるでしょうか。一方、お米を焚く機能だけに集約している炊飯器は、お米を焚くという一点に機能をかけていかなくてはならないがために、「おいしくお米をたく」という目的を叶えるためにどうしていくべきなのか、その商品の機能を高めるための工夫が重ねられているのではないかと考えられるのではないでしょうか。

同じことが、ビジネスパーソンのスキルについても言えるのではないでしょうか。新しい人材を採用しようとしているときに、ある人材が、あれもできます、これもできますが、突出したスキルや、したいこと、ミッションがわからないという人材よりも、スキルに幅広さはないが、一点強いスキルやアピールポイントがある人材のほうが採用先を考えやすく、採用される確率が高いと考えられるのではないでしょうか。スキルの幅が広い人材は、そのスキルが脈絡ない構成になってしまっていると、スキルのひとつひとつに説得力がなくなり、その人材は仕事で何をしたいのか、企業はその人材に何をさせるべきかが曖昧になってしまうのです。せっかく苦労してとったスキルが無駄になるのは非常に残念です。スキルアップをかなえようとして、新しい分野の資格にチャレンジしようとしている人は、勉強を始める前に一度立ち止まって、これまでの自分の仕事がそのスキルを取得することによって一段とよいものに成る可能性があるのか、よく考えてみてください。

安易に仕事を引き受けるリスク

感じがよい人や、断ることが苦手な人は、頼まれた仕事を何でも引き受けてしまったりすることはないでしょうか。また、できませんと言いづらいために、角が立つ前に自分で片付けてしまおうとする人もいると思います。しかし、そのようなことを積み重ねていくと、いずれ自分の意に沿わない仕事をまかされてしまい、その経験が積み重なり、徒労感や、本当はこんなはずじゃなかったのに、という後悔が大きくなり、自分を見失ってしまう恐れもあります。あるいは、頼まれた仕事が、自分にできそうなことだけれど、今後のキャリアを考えるとあまり前向きになれない、とかキャリアとあまりマッチしない、という場合もあります。ひとつひとつの仕事が自分のキャリアを作り、表しているという認識を忘れずにして、自分の意に沿わない仕事や、自分の方向性と違うと感じる仕事を見極め、しないと決断する勇気を持ちましょう。ビジネスのチームの中でも、このチームでするべき仕事、しないほうがよい仕事を精査し、確実に成長につながる仕事を行いましょう。

すること・しないことをはっきり分けて、生産性やチーム力を向上させるには? のまとめ

何でも屋にならずに、しないことをきっちり決める勇気を持ちましょう。しないことを決めることで、すべきことをしっかり進めることができ、生産性をアップさせることにつなげましょう。ひとりひとりがそうすることによって、チーム力アップにも役立つことでしょう。

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