世界一の民泊プラットホームを生み出したAirbnbの働き方

これまでの世界をがらっとかえるほどのインパクトある先駆的な業務内容と成功で話題の会社。そのような会社では「エクストリームチーム」が日々仕事に邁進し、改革をおこしているのです。最強のチームで仕事をすることは、一人で仕事をするのとは違った醍醐味ややりがいがあります。2017年11月に発売され、話題になっている『エクストリーム・チームズ(EXTREME TEAMS)』(ロバート・ブルース・ショー著、上原裕美子訳、すばる舎)をもとに、先鋭的企業におけるエクストリームチームでの働き方や仕事に対する考え方を成功のヒントとしていくこの記事、第2弾はオンラインの宿泊サービスで先陣を切るAirbnb(エアビーアンドビー)について紹介していきます。

宿泊を大きく変えたAirbnbの快進撃

元アートスクール出身のブライアン·チェスキーとジョー・ゲビアの2人に、ハーバード大学卒のIT技術者ネイサン・ブレチャジックが加わり3人で2008年に創業したこの会社は、わずか10年で、利用者数が1億人を超える巨大な民泊プラットホームに成長しました。日本でも、Airbnbを利用した訪日外国人が2016年度(16年4月~17年3月)に前年比約4割増の約400万人に達したと報じられています(https://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ01HY7_R00C17A6TJ2000/)。

今後も利用者数は増加していくと思われます。実際、Airbnbを介した宿泊利用者は、世界的なホテルグループのマリオットとヒルトンを合わせたよりも多く、日々Airbnbのサービスを利用する人たちは増え続けているのです。このような成功を収める先駆的企業ではどのように仕事が進められているのでしょうか。

年間計画書はA4用紙たった1枚。それにこめられたものとは

Airbnbはシェアリングエコノミーを宿泊に導入した先駆的企業です。自社で物件を所有することなく、空きのある部屋をオーナーが宿泊用にユーザーに貸す、というシンプルなビジネスモデルは、それまでにないサービスでした。

イノベーティブなサービスを始めようとする企業にとって、参考にできる、ぴったりフィットするケーススタディはなかなか見つかりません。Airbnbの創業者メンバーは、自分たちで試行錯誤をしながら仕事をすすめ、なんとか会社を軌道にのせていきました。がむしゃらに働く中で、彼らは成長のための計画や目標を明確に作り始めました。目標や成長計画は企業存続への重要な鍵ですが、多ければ多いほどよいというものでもありません。Airbnbは、創業から2年たったころに、年間計画を10件ほど並べた計画書を作ったといいます。

しかし、新しい会社につきものの混乱状態の中で、年間計画を10件進行していくことは容易なことではありませんでした。計画や目標が企業のサイズに対して大きすぎたり多すぎたりすると、追求すべき内容が曖昧になったり、優先順位がつけづらくなり、焦点がずれてしまうリスクが高まります。そのためAirbnbは、年間計画を簡素化することにしたということです。

社内で「ザ・シート」と呼ばれているこの文書には、4つの目標と、目標を達成するまでの期限、そしてその責任者が記されているそうです。いまや数千人規模となったAirbnbにおいて、すべての社員に共有する年間計画を簡素化して作成することは、目標を数多く設定するよりも非常に難しく、困難を極めます。しかし、内容に吟味に吟味を重ね簡素化した目標は、すべての社員に到達しやすく、実現しやすいというわけです。

どんな企業も時間や人員、予算は有限なので、業務に優先順位をつけ、それを徹底することが大切です。そのためにはシンプルな目標を持つことが役に立ちます。マネージャーたちは、そのシンプルな目標を完璧に達成するために、チームワークに集中することができるのです。

目標の共有を徹底し、主体的に動く組織を作り出す

事業をすすめて大きく成長するために戦略的目標や優先事項を明確に設定することができても、安心するのはまだ早いです。完璧な目標を設定できたら、それをチーム、社員全員に徹底して共有させる必要があります。会社の年間目標を完璧にそらんじて言える人材は多くはいないでしょう。先駆的企業は、常に目標を社員に徹底し、その目標や優先事項をいかに達成できるのかを日々考えさせ、実行させるような努力を惜しまないのです。

Airbnbは社員に対して、全社が掲げる優先事項や目標を理解と共有を求めますが、具体的な手順について事細かく指示することはありません。実際に個人やチームが仕事をする際に、どのように仕事を進めていくのかはそれぞれが主体的に考え、実行していきます。このようなアプローチをとることで、上層部で勝手に決めた目標を漫然と受け入れるようなやり方とは異なり、社員一人ひとりやチームが主体的、能動的な行動をとることができるようになります。またそれが、会社全体のペースや行動に良い影響をも与えることになるのです。

Airbnbでは、社員がほかに興味がある部署やプロジェクトがあれば、移動してもよいシステムをとっています。自分がやりたい仕事をするほうがパフォーマンスがあがると考えているからです。そのかわり、社員一人ひとりに主体的責任があたえられます。共通理念のをしっかり共有していることで、社風や働く雰囲気を良くし、働きやすく、一体感も生まれているのです。

目標や優先事項を少なく設定するときの注意点

期限付きのシンプルな目標を持つ

本当に目標はシンプルなほうが良いのでしょうか? 目標は多ければ多いほどよい、多く設定すれば、たとえ達成できない目標があっても、ほかの目標ができていれば達成率が高まるのではないか、という考え方のリーダーやマネージャーの方もいるかもしれません。しかし、常にリソースは有限であるということを忘れてはなりません。この流動的で変化の大きいビジネスの世界において、優先順位の低い仕事や優先順位がつけられない仕事を片付ける余裕はないのです。優先順位が高く、達成できれば会社に大きな成功をもたらす目標を数個設定するという意思を持ちましょう。

また、目標にはかならず期限をもうけましょう。期限をもうけ、定期的に進行状況をチェックしていくことが重要です。その目標達成までにどれだけの期間が必要なのかを見極めていくためにも期限を設定してください。そして目標達成だけに意識をもつのではなく、過程もチェックできるように管理をしましょう。目標が数値のものだけになると、業務改善や目標を新たに洗い出したいときに、アイディアを捻出しづらくなってしまいます。

例えば、今回達成できた期間より短い期間で、さらによい商品や企画を考える、などといった目標が必要になるときもあることでしょう。結果を出すためのプロセスにも注意を払った業務進行を行うようにしましょう。

目標以外に目を配ることを忘れない

完璧な目標や優先事項を設定できても、それに集中しすぎて重要なことを取りこぼしてはなりません。目標を達成しようとしながら仕事を進めているときに新しく見えてくるもの、新しいアイディアを見逃さないようにしてください。目標と新しいアイデアのバランスをとることは難しいですが、時代の流れや多様性などをしっかり見据え、事業に活かすことができそうなことを実験してみたり、比較してみたりすることから大きな気づきが生まれることもあります。

これまで業界の先駆として宿泊をリードしてきましたAirbnbでも、同業他社やライバルたちの乱立に対して常にアンテナをはり、どう動くべきかを試みています。

例えば、すばらしい宿泊先であるにもかかわらず、写真があまりいいものではなかったために利用者が少なかったホストに対して、プロのカメラマンの撮影を無料で行うサービスを始め、ゲスト利用者を増やすことに成功したという事例があります。今や業界において、大きく一流の存在になっても、他社からの脅威に注意をはらい、自社のビジネスモデルが時代遅れにならないように常にイノベーションにつとめ、スピードある行動をとるAirbnbの姿は、他社の追随を許していません。

「世界一の民泊プラットホームを生み出したAirbnbの働き方」についてのまとめ

自社で成功したビジネスモデルに固執せず、定期的に実験をしてつねに時代をリードしていくことができる企業には、それを実践しているエクストリームチームが存在するのです。目標の優先順位つけや、目標を少数精鋭なものにすることは、どんな規模の企業や個人の会社であっても取り入れられることでしょう。この記事にあなたのチームに足りないところを見つけたら、ぜひ参考にして取り入れてみてください。

 

事例に学ぶ

愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶと言います。ビジネスについても同じことが言えるでしょう。
他の企業の戦略や取り組みを分析し、そこから抽出した要素を組織に取り入れてみることで、あなたのビジネスを成功に導く鍵が見つかるかもしれません。

詳細を確認する

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

同じタグのついた記事

同じカテゴリの記事