転職者にとって、チームワークとはそもそもどんなものなのだろうか

「コミュニケーション力」「コミュニケーション能力」と語られることがあります。社会人でこの言葉を聞いたことがない、という人はいないでしょう。ところで、人材の流動化がどんどん進む中、読者のみなさんの中にも転職経験のある方も多いはず。リクナビNEXTの2017年調査によると、
20代では76%が「転職経験なし」、30代では半分以上の人が転職を経験。そのうち、約3割が「2回以上の転職」を経験しているそうです。ちなみに、50代では実に66%が転職経験者となり、1社のみの業務経験を持つ人は少数派です。
IT業界では著名な、尾原和啓さんは、マッキンゼー、Google、楽天…13職を経ていると豪語しています。彼の最近の著書、『モチベーション革命』はKindle版DL初日でAmazonランキング1位になったとのこと。

さて、今回の記事では、そのコミュニケーション力というものを考察しながら、では、転職者にとってチームワークはどのように判断すべきかということを一緒に考えていきましょう。

コミュニケーション力って簡単に評価できるものなのか

求人広告を確認すれば、「コミュニケーション力重視」という記述が目に尽きます。

リクナビでは、このコミュニケーション力をPRするためには、と以下のような解説をしています。

まずは、人とのコミュニケーションを形成する強みのキーワードから、自分に何が当てはまるのかをチェックするところから始めましょう。

親しみやすさ 指導、育成力 可愛がられる力 素直さ
誠実さ 真面目さ 約束を守る 協調性、チームワーク
気配り、ホスピタリティ 人を巻き込む力、働きかける力 わかりやすく伝える力 傾聴力(相手の話に耳を傾ける力)
プレゼンテーション力 理解力 調整、交渉力
自分にある力、あるいはあると思うものがわかったら、自己PRの書き方3つのポイント(1.仕事における信条、大切にしている考え方、こだわっていること・自分の強み 2.それを裏付ける具体的な行動 3.その結果として出た成果)を軸に、文章を構築します。自己PR例を見ながら、強みをどうアピールすべきか自分に置き換えて考えましょう。

今回は、これをまずプロジェクト進行にとって必要なコミュニケーション力と定義しましょう。そう考えると必要な能力は、

– 聞き取る能力
– 交渉する能力
– 指導力あるいは実行力

と3つに分けられるような気がします。特に3つ目については、「マネジメント力」と定義したいところかもしれませんが、この場合別途再定義が必要になるので、「指導力あるいは実行力」としました。

そう考えると、実は「コミュニケーション力」と言っても、そもそもこの対象範囲が広すぎることがわかります。

「コミュニケーション力重視」と語られるその会社には、果たしてどのような能力が求められているのか、その具体的なところが本来人材募集の際には語られるべきなのかもしれませんね。そうすれば、不幸な出会いが減らせるのではないでしょうか。

転職者が転職前にその会社のカルチャーを判断するすべはあるか

では、転職者からの立場で、応募する会社がどのような人材を求めているのかという「真実」を知るすべはないのでしょうか? 求人広告を見ただけでは、知り得ないところが本当は知りたい、というのも転職者にとって「真実」なはずです。

その良い例が、先月インタビューでも登場いただいたmisocaさんにありました。
https://teamhackers.io/misoca-scrum

Misocaらしさが失われない開発スタイルがあると思う

大井田:
他に、開発スタイルとしてMisocaさんの独自性というと

豊吉:
「ペアプログラミング」を大事にしている点ですね。いま、Misocaはエンジニアの数も約20人になっていますが、うちリモートメンバーは7名です。昨年1年間で、エンジニア数が1.5倍になっています。開発言語はRubyが主ですが、採用のときは開発スキルというよりは開発に関する文化が折り合うかということを重視しています。

ペアプログラミングに慣れていただく必要もありますし、開発以外の社内カルチャー、例えばランチでの話題に違和感がないなんていうマッチングも非常に大事だと思っています。

ペアプロを重視するがゆえ、技術的にはとても優秀なのにテキストコミュニケーションの苦手な方の採用を見送ったというケースもありました。

大井田:
採用については、当社もいま悩みながら前進中です

misocaさんでは、社内見学や体験、入社前の社員との交流を積極的に取り入れられて、カルチャーのミスマッチがないように気をつけているとのこと。

もう1社、ChatWorkでも体験入社を取り入れています。
2014年の投稿になりますが、iOSエンジニアのAさん
https://at-aka.blogspot.jp/2014/04/join-chatwork.html

ChatWork では二日間の体験入社を経てスキルと人柄とのマッチングを見る。初日午前中はセッティングや会社概要の説明ビデオ。そしてランチ。ゲストは食事が食べられない、と恐れられるランチ。エンジニア陣に囲まれて質問を受けながら食事を食べる。この時、用意されたお弁当を間違えて取ってしまったのはここだけの話。内容は、現職 (アクトインディ)、前職 (JVC ケンウッド) に及び、Emacs 使い・Dvorak 配列・T-Code と脇道に逸れたり、組み込み系のプログラミングの話に喰いつく人があったり、とこちらも随分楽しむランチとなった。もちろん、お弁当も完食。

午後からはプログラミング実習。課題を出されて、コーディングをする。そのリポジトリー名を見てひっくり返った。「deep-dive」。深く潜る者。

その当時の息遣いが想像できる、Aさんのリアルな投稿でした。安○さん、ありがとう。

働き方が変わっていく流れの中で「チームワーク」の意義

misocaさんもChatWorkさんも、リモートで働くことに取り組んでおられます。一方で、プロジェクト管理の現場に目を向ければ、アジャイル開発・スクラム開発という方法が増えています。(もちろん、ウォーターフォール型が管理しやすいという意見ではありません)
わかりやすい言葉で一括りにしてしまうなら、「働き方」が変わりつつある中でチームの存在意義はむしろ以前よりも高まっているのではないか、ということです。

チームを語るのに、
過去、『エクストリーム・チーム(最高のチーム)』を取り上げた記事があります。

そこで語られていた特徴は5つ。

1. 共有された目的とエンゲージメント

成功するチームは、メンバーが高いエンゲージメントで働くことができるような、共有された目的を持っています。

2. 優秀さよりも重要な「チームへのフィット感」

成功するチームは、メンバーの個性に価値を置きます。そして、一人ひとり異なったモチベーションや価値観、性格などがうまく組み合わさることで、チームの力が最大限に引き出されるようなチームを目指しています。チームメンバーに求められるのは、優秀さではなく、どれだけチーム全体の力を最大化できるかなのです。

3. 本当に必要なことを見抜いて取捨選択すること

成功するチームは、その成功のために不可欠な重要事項は何なのかということにこだわっています。

4. 気まずさを怖れず意見を交わすこと

優れたチームのメンバーは、チームにとってもっとも恐れるべきものが自己満足だということを知っています。他のメンバーの不足を補ったり、励まし合ったりする一方で、摩擦や対立をあえて発生させることも重要視しています。

5. ハードかつソフトなカルチャーを築くこと

優秀なチームは、成果や結果を出すことに対して一般の企業よりも厳しく追求するハードな面もありますが、同時にソフトな側面も持ち合わせています。

もう少し補強しましょう。

リーダーがメンバーの力を最大限まで引き出せているか、ということ。強いチームには、よいリーダが必ずいます。あるいは、そのリーダーを補佐する優秀な参謀がいます。

1人ひとりが自分の役割をきちんと理解しているか。強いチームでは、メンバーそれぞれが自走できる力を備えているものです。激動の現代に、ビジネス最前線で勝ち残っていくためには必須の条件ではないでしょうか。

情報共有ができているか、ということ。言うまでもなく、効率的な情報共有手段がなければ、上記すべての条件は何ら意味をなしません。昔の言葉で言えば、「報・連・相」ですね。

さらに、こちら、
あなたのチームを「エクストリーム・チーム」にするには
https://teamhackers.io/extreme-teams
も、ぜひお読みください。

キャリアチェンジする人が、本当に守るべき約束は

協調性・チームワークを重視する企業が多いのはなぜなのかを、転職者の立場から考えてみることも大切でしょう。仕事は、一人では成り立たないものですし、逆に一人で完結できる仕事を望むのならば、そのように生きていくと自身で決めるところがスタートでしょう。

「コミュニティクラッシャー」という言葉があります

協調性やチームワークがないと、仕事をする際に全体とは違う行動をとったり、助け合いや譲り合いをしなかったりと、特定個人の行動がプロジェクト全体の士気に影響してしまうことは容易に想像がつきます。また、過去にそうした失敗事例もたくさんあるでしょう。
特に、チームとして仕事に取り組むことが多い企業は、そうした「コミュニティクラッシャー」を避けるのは当然です。

協調性があるね、とあなた自身が評価されたことがあるか

ビジネスにおいての協調性と、プライベートの場面での協調性はまったく異なるものです。それを混同することから失敗が生まれると知りましょう。いわゆる「誰とでも仲良くなれる」は、ビジネスでは必ずしも役に立ちません。現実に、その混同をするタイプが非常に多いですよね。

協力、サポートをするということは、生産性をあげられるかということ

ビジネスで求められる協調性とは、チーム内での助け合いを意味することが多いはず。それは、つまるところチーム全体の生産性をあげられるか、と問われていることでもあります。

個人よりも組織全体を概観できるかどうか

最後に、個人よりもチーム全体を見て判断できるかということをあげます。チーム全体というのも、プロジェクト単位の10数人なのか、企業単位のそれこそ1000人を語るのか、はその時々で変わるのでしょうが、企業にとって一番必要なのは「その事業に役に立つのか」にほかなりません。

まとめに代えて

「コミュニケーション力」という言葉が実は曖昧な言葉だというところから、その求めている言葉の意味や想定されるシーンを紹介しました。
また、最後には、転職者にとって本当に求められる能力を幾つか挙げました。

転職者にとってチームワークはどのように判断すべきかということのあなた自身の答えは見えましたか?
これからますます働く人口が減っていきますし、人材の流動かも避けられません。あと10年は安泰だ、などという考えは自身の将来にとってもキケンです。
少しだけ、前に進むきっかけになれば幸いです。

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