【事例紹介】本当の意味で「残業ゼロ」を実現する方法。申告だけじゃ意味がないぞ!

日本人は働きすぎだというイメージが強いです。一家の大黒柱は家庭より仕事が第一で、仕事の日は家に寝るために帰るだけという人も多いのではないでしょうか。 いっぽう、そこまで仕事に追われていながら、所得や資産に満足できていないという人が半数以上を占めているのも事実です。 今回は、残業しても所得が増えないという現状をシビアにとらえ、どうすれば本当の意味で「残業ゼロ」を実現できるのかについて考えてみたいと思います。

残業ゼロにするための方法はあるか?

日本人は仕事に時間を取られ過ぎているといわれています。その割に所得は先進国の中でも低めで、公的年金など将来の安定も十分ではありません。 内閣府による平成26年度「国民生活に関する世論調査」によると、所得・収入面で不満を感じている人は全体の54%資産・貯蓄の面で不満を感じている人は60%となっています。

国内総生産が低く、労働分配率も低い日本

■平成26年度「国民生活に関する世論調査」所得・収入面満足度

  満足している まあ満足している やや不満だ 不満だ どちらともいえない わからない
総数 5.9 38.8 37.4 16.7 0.8 0.4
男性 4.8 37.8 39.7 17.0 0.5 0.2
20-29 8.5 37.5 40.5 13.0 0.5
30-39 2.9 39.6 42.5 15.0
40-49 4.4 42.3 39.3 13.7 0.2 0.2
50-59 3.7 38.6 39.0 18.1 0.4 0.2
60-69 4.3 36.1 38.4 20.8 0.3 0.1
70以上 6.4 34.7 40.1 17.2 1.3 0.3
女性 7.0 39.5 35.3 16.5 1.0 0.7
20-29 7.2 44.1 36.4 11.0 0.4 0.8
30-39 5.6 40.4 37.5 16.3 0.2
40-49 4.5 41.7 39.3 14.1 0.5
50-59 6.9 39.1 36.7 15.8 1.0 0.5
60-69 7.0 37.2 36.0 17.9 1.2 0.7
70以上 9.9 38.5 28.6 19.5 2.0 1.5

データ参照元:内閣府(http://survey.gov-online.go.jp/h26/h26-life/2-1.html) また、時間については、労働生産人口の世代ほどゆとりがないという回答となっています。

■平成26年度「国民生活に関する世論調査」時間のゆとり有無

  かなりゆとりがある ある程度ゆとりがある あまりゆとりがない ほとんどゆとりがない わからない
総数 19.5 47.1 24.8 8.4 0.2
男性 17.6 48.4 25.6 8.0 0.3
20-29 14.0 58.0 22.0 6.0
30-39 7.4 48.0 34.0 10.6
40-49 6.5 45.8 36.5 10.9 0.2
50-59 8.1 49.2 31.7 10.8 0.2
60-69 21.1 51.1 21.5 6.3 0.1
70以上 37.7 44.0 12.8 4.5 1.0
女性 21.1 46.0 24.1 8.7 0.1
20-29 19.1 48.7 25.4 6.8
30-39 5.8 42.9 37.3 14.1
40-49 7.2 46.2 31.7 14.9
50-59 13.9 50.4 27.2 8.4
60-69 24.9 48.2 20.9 5.9
70以上 44.7 41.1 9.9 3.9 0.4

データ参照元:内閣府(http://survey.gov-online.go.jp/h26/h26-life/2-1.html

働けど働けど生活レベルは向上せず、将来への貯えも十分にできない。プライベートを犠牲にして定年まで働き続け、娯楽をセーブし倹約しても十分な老後資金も確保できない。そんな人が多くを占める世の中で、消費が増えるわけがありません。

  • 労働生産性が向上しないのは労働に見合った対価が得られないから。
  • 労働分配率が上げられないのは企業利益が少ないから。
  • 企業利益が少ないのは労働生産性が低いから。

不毛過ぎる悪循環、無限のループです。

ある企業の例では、残業代が増えると「業務効率が悪い」と評価され、賞与の査定が低くなってしまうそうです。つまり「残業をしてもしなくても、年収レベルでは同じ」という恐ろしいこともあり得るのです。

残業ゼロ実現企業の成功例

残業ゼロの企業が増えているといわれますが、実態はどうでしょう。企業側へ申告する残業時間が減っていても、実際にサービス残業やサービス出勤、仕事の持ち帰りなどまったくなく、残業が減った時間でプライベートな時間を確保できている人がどれほどいるでしょうか。 申告する残業時間を減らすこと、ゼロにすることは簡単です。 しかし、それは個人のサービス精神の上に成り立ってあるものであって、本当の意味での残業ゼロではないことがほとんどです。残業ゼロを実現するには、従業員に責任を委ねず、企業側がルールを明確にすることが重要です。 そんな中、残業ゼロを実現している代表的な企業の取り組みをみてみましょう。

未来工業株式会社

岐阜県大垣市に本社を置く「未来工業」は、日本一休みが多いことで有名な電気設備メーカーです。年間休日日数140日、1日実働7時間15分、残業禁止なのに利益率は15%近くという、まさに理想的なホワイト企業。 仕事に8時間、睡眠に8時間、自分のために8時間という、日本人としてはかなりレアなワークライフバランスを実現しています。

未来工業の取り組みは、労働時間の短さだけでなく「従業員の自主性尊重」も大きなポイント。外せる制約をできるだけ外し、部下への命令禁止、上司への報連相の義務はなしと、常に自分で考える態勢を整えています。そうすることで、新しいアイデアなど利益につながる成果も生まれるということ。 それも、従業員は全員正社員で給与も年功序列式という安定があってこそではないでしょうか。

実際にがむしゃらに頑張らなくても、余裕ある労働時間の中で思いついたアイデアをもとした商品が利益を上げることも多く、「未来工業で働けて幸せだ」との声も聞かれます。 仕事でがんじがらめにならず、自分の時間がたっぷり確保できるというのは、シンプルながらも仕事の効率化に確かにつながるということなのでしょう。

手順と取り組み

社内外への通達の徹底

まずは、未来工業のように「うちの会社は残業禁止です」と宣言してしまうことがもっとも重要です。定時になったらネットワークを遮断するなどの強制措置はもちろんですが、社外での仕事もしてはいけないと徹底しなければ、本当の「残業ゼロ企業」にはなりません。 バブルの頃はみんな長く働いていたとよくいわれますが、今はバブルとは程遠い水準の労働対価であることがほとんどです。 IT普及によって、仕事にかかる時間も短縮されているはずです。長時間労働が利益につながる時代は終わったといっても過言ではないでしょう。

上司から先に業務を終了する

上司が残業していると、部下も帰りにくいのは当然のこと。上司が率先して残業をやめれば、部下もそれにならいます。間違っても「あとはよろしく」と部下に任せるのではなく、適正な業務量であるかなどは常に目を配るようにしなくてはなりません。あくまで無理を押し付けずに、業務を早く終わらせる空気をつくりましょう。

失敗を生まないために

単に残業禁止を宣言、強行しても、そこに無理があればかえって従業員のストレスを生むだけです。失敗しないためには、常に以下のことに留意しておきましょう。

業務効率化のための取り組みを社内でルール化する

未来工業のように、報連相禁止などのルール化はなかなか勇気が要ることかもしれません。 しかし、わずらわしい報告をなくすことで業務効率がアップしているのは事実。完全に報告をしないというのは難しくても、課題管理ツールやファイルの共有などによって手順を簡略化することもできます。 ほかにも、確認に時間がかかるメールから、出先でも確認・返信できるチャットツールに変えるなど、雑務を減らすために使えるものは使いましょう。

≫あわせて読みたい…「業務効率化のための人気ツール3選」はこちらから

業務量の適正化する

基本的に、経験が増すにしたがって作業時間は短くなっていくものです。短い時間でこなせるようになったからといって、業務量を大幅に増やすといった急激な負担増は従業員のモチベーションを下げるもと。 業務にかかる時間を定期的に記録し、業務量を常に適正化することが必要です。

従業員の提案や要望を受け入れる態勢をつくる

従業員の提案や要望は現場経験からの気づきによるもの。義務を果たさず権利だけ訴えるというのはもちろんNGですが、たいていは業務効率化につながることが多いので、受け入れる態勢を整え意見交換の場を積極的につくりましょう。

「残業ゼロを実現するには」についてのまとめ

残業ゼロを実現するには、企業の努力が不可欠です。従業員に委ねるのではなく、企業側から残業ゼロの姿勢を貫くことが実現の要です。そのためには、業務量を適正にし、時間を費やしやすい雑務をツールなどで簡略化すること、意見の受け入れ態勢を整えることなどが大切でしょう。 ライフワークバランスが適正化されれば、従業員のモチベーションもアップし、結果的に企業利益につながるという例は決して夢ではありません。

事例に学ぶ

愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶと言います。ビジネスについても同じことが言えるでしょう。
他の企業の戦略や取り組みを分析し、そこから抽出した要素を組織に取り入れてみることで、あなたのビジネスを成功に導く鍵が見つかるかもしれません。

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