コラボレーションワークは実現する? 話題のシェアオフィス、WeWorkをスポット利用して感じたこと

「通信事業の人員4割削減」で話題になっているソフトバンク。少し前には世界中で急加速しているシェアオフィスサービス「WeWork」の日本の導入の旗振り役になったことでも話題になりましたね。今回は実は前職がソフトバンクで現在フリーの身である私がWeWorkをスポット利用し、レポートしてみました。

WeWorkの入居を検討されている方、シェアオフィスのサービスに興味がある方、ぜひご参考にしてみてください。

1.シェアオフィスが普及し始めている

そもそもシェアオフィスとはなに?

シェアオフィス(シェアードオフィス)とは「一つのオフィス空間を、複数の企業や個人で共同利用する」スタイルのオフィスです。

コワーキングスペースという単語にも近いニュアンスがありますね。どちらかというとシェアオフィスは企業主体、コワーキングスペースはフリーランス主体のようなニュアンスでしょうか。両者に明確な線引きはありません。

近い考え方としては「レンタルオフィス」もありますが、レンタルオフィスはオフィスを間借りし、区切られたスペースで仕事をするスタイルです。シェアオフィスはプライベート空間がある場合もありますが、同じスペースで複数の企業、個人が共同で仕事をするシーンを指します。

シェアオフィスが利用される背景はなに?

シェアオフィスの考え方自体は、実は一部の業種の中では昔からありました。近年「シェアリングエコノミー」(カーシェア、民泊など)が提唱される中、また企業に所属しないフリーランスという働き方が増えてきた中でオフィスもシェアすればよいのでは?という考え方が浸透してきました。

シェアオフィスには

  • コスト的なメリット
  • コミュニティとしての価値

の2つのメリットがあります。

都心に割安でオフィスを構えることができる

一般的には近い立地であれば、単独でオフィスを借りるよりもシェアオフィスを利用した方がコストを抑えられるケースがほとんどです。単独でオフィスを借りた場合、最低利用期間が定められるケースも多いですが、シェアオフィスは月単位での契約も可能なところが多いです。一時的な利用や、急な事業所撤退にも余計なコストがかかりません。

また、取引先に出す名刺の住所に「丸の内」だの「六本木」だのと書けると、それだけで会社の信用が少しだけ上がります。その信用は普通に自分たちで事業所を持つより安く手に入れることが可能になります。

利用者同士のコラボレーションによる事業展開が期待できる

もう一点、異なる業種同士が同じスペースで仕事をしていると、その中から交流が生まれます。その交流の中から新しい案件が生まれたり、場合によっては新しい事業が生まれたり。同じオフィスで同僚とばかり関わっていては生まれなかったようなコラボレーションが生まれる可能性があるのも、一つの魅力です。

実はシェアオフィスとして最も勢いのあるWeWorkは同業者の中では決して利用料は安くはありません。シェアオフィスのコストや利便性よりもコミュニティの価値に重きを置いて運営されています。

2.WeWorkで仕事をするには?

実際にWeWorkで仕事をするには主に3通りの方法があります。

  • WeWorkに契約して入居する
  • メンバーシップ登録しオンデマンド利用料金を払う
  • 入居者に招待をもらう

の3つです。

「WeWorkを自分のワークスペースにする」ことを考えると一番上が基本になります。そしてWeWorkの契約には主に3つのプランがあります。

  • 専用デスク
  • プライベートオフィス
  • シェアードデスク

金額は場所ごとに異なりますが、上に行くほど高額なプランになり、サービスが異なります。

専用デスク

法人として事業所の登記ができるようになるのは「専用デスク」からです。「オフィスに行く必要はあまりないけれどコミュニティメンバーとはつながりたい」「出張の時など、ごく限られたシーンでのみ使いたい」なんて方向けのプランです。月額45$のメンバーシップ料金を支払えば、入居しなくてもコミュニティのメンバーと繋がることができます。

その上で、時間制、もしくは1日といった単位での料金の支払いでWeWorkの任意のオフィス(登録している場所とは別のシェアオフィス)を利用することができます。料金は、「スペース1日50$・会議室1時間25$」なので、単にワークスペースとして利用するだけであれば、正直あまりオトク感はないですね。

会議室が比較的リーズナブルに利用できるので、セミナーの開催などがある方は賢く使えばオトクかもしれません。セミナー会場 WeWorkってなんかカッコよくないですか?

プライベートオフィス

事業が軌道に乗ってきて50〜100人と規模が大きくなってきたの法人であれば、WeWorkの中に施錠スペースを設ける「プライべートオフィス」も魅力的ですね。WeWorkの普及を牽引しているソフトバンクも、複数のWeWork拠点にプライベートオフィスを構えています。

プライベートオフィス1ヶ所のロケーション内に独立した空間を作ることができます。WeWorkではビジネス上必要なアメニティの手配はもちろん、それぞれの会社の働き方やカルチャーに合わせてオフィスを設計することができます。また、仕切りのガラス窓にはマーカーで書き込みができブレインストーミングで活用できるなどの工夫がされています。

事業にコミットできるプライベートな空間とWeWorkに入居しているコミュニティとの交流といった両方の良い面を活用することができます。

シェアードデスク

基本的な利用だけであれば一番安価な「シェアードデスク」で十分足ります。フリーランスの方がWeWorkに入居する場合はこちらのプランを選択すれば十分でしょう。

シェアードデスクは入居者の方から招待メールを貰って受付し、中に入れてもらう形です。オフィスによっては招待メール送信者のお迎えが必要になるようです。「毎日招待貰っとけば無料でWeWork通えるんじゃないの?」、なんて考えが一瞬だけ頭をよぎりましたが、難しそうです。(よく考えたら利用履歴残るので不審なリピートは難しいですね。)

3.実際にWeWorkで仕事してみた

解放されたクリエイティブ空間

実際にWeWork日比谷にお邪魔してきました。今回は少しだけ用事があっての訪問でしたが、「その後は自由に使っていい」とのことで、お言葉に甘えて図々しくもガッツリ居座ってきました。

皆さん忙しそうにお仕事をされているので細かく撮影はできませんでしたが、こちらが共同スペースの様子です。

開放的な空間で、高速のWi-Fiも無料で使うことができます。テーブルには電源も完備。PCを使ってしっかりとノマドワークができそうな環境です。決まった場所で集中して仕事をするのが苦手!という方には適している環境だと思います。

ドリンク飲み放題。高品質な生ビールも!

WeWorkのスペース内にはフリードリンクが用意されています。みんなが飲みたいようなソフトドリンク類は一通りそろっているような印象。焙煎したての高品質なコーヒーを楽しむことができます。毎日カフェでノマドワークすることのカフェ代や、カフェなど使える無料Wi-Fiの品質を考えると、結構オトク感があるかもしれません。

極めつけは、生ビール。日比谷オフィスではヒューガルデン、もしくはプレミアムモルツの生ビールが飲み放題でした。「仕事終わりのビール」が無料で飲み放題なんて従業員の方にはとても魅力的でしょうね。

それだけでなく、ビールを飲みながら一緒に仕事をすることによって、普段の会議の中では生み出されないクリエイティブはアイディアが生み出されるなんてこともあるかもしれませんね。

4.スポット利用では難しい。WeWorkでのコラボレーション

快適な作業スペースでコーヒー3杯、ビール2杯とWeWorkの体験利用を満喫してきました。こんな快適な環境で仕事ができるなんて、WeWork入居企業の社員さんが非常に羨ましいです。一方で、WeWorkの最大の価値ともいえる「コラボレーション」はスポット利用だと(仮に招待を貰って毎日通っていたとしても)中々難しいことも実感しました。

お互い多くの時間は自分の仕事と向き合っているので、当然と言えば当然ですね。フリーランスっぽい感じの方を見かけましたが、黙々とPCとにらめっこしていてとても話しかけられる雰囲気ではありませんでした。かくいう私もビールを飲んだくれていないときはひたすら文字を打ち込んでいるので、「ライターさんですか?」なんて声掛けは到底できなかったでしょう。

WeWorkという「コミュニティ」のメンバーであればお互いのことを知る機会も多いですし、WeWork内で開催されるイベントを通じても繋がりやすかったりと、関わりを持てるチャンスも多そうです。しかし、スポット利用、ましてやゲスト利用では到底そこまでは難しいようです。WeWorkをフル活用したければやはり入居するか、少なくともメンバーシップ登録する必要があります。

5. 実際のコラボレーション事例

実際にWeWorkを通じてどのようなコラボレーションが起きたのでしょうか?日本にはまだ入ってきたばかりですので、事例として取りあがるようなシンボリックなコラボレーションはまだ起きていないみたいです。誰もが知っているような大企業、実力派フリーランスなど、続々と入居しているようなので今後のコラボレーションに来たいです。

発祥のアメリカではマイクロソフト社が同じフロアを利用しているフリーランスとコラボし、仕事をしている事例がいくつか出ているようです。

【MicrosoftがコワーキングスペースWeWorkとの提携で街中をオフィスに】

https://jp.techcrunch.com/2016/11/05/20161104microsoft-brings-back-the-traveling-salesman-with-new-wework-partnership/

また、Amazonの開発部隊もWeWorkに入居しているとのこと。こちらではまだコラボ事例は取り上げられていませんが、こちらも楽しみです。

【アマゾン開発部隊がWeWorkに入居する理由 IT大企業の活用はここまで来た】

https://www.businessinsider.jp/post-164661

6.まとめ

今後、日本にももっと浸透してくるであろう「シェアオフィス」。利便性やコストもさることながら、コミュニティとしての価値が一番重要視されているようです。これからたくさん生まれてくるであろうコラボレーション事例が楽しみです

スポット利用でも快適な環境で仕事ができますが、やはりWeWorkの価値を最大限に活用するにはコミュニティへの登録が必須。まずはホットデスクでも入居してしまうのがおススメですが、そのコストが払えなければ月45$のメンバーシップ登録でコミュニティとはつながれます。

時折オフィスをスポット利用しながら、WeWorkを自分の拠点にするかどうか見極めてみてもいいかもしれません。

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