チーム
2018.11.19

QUEEN の映画『ボヘミアン・ラプソディー』から考えるチームに必要な力とは?

時代を超えて愛される音楽。本物の音楽はいつも、私たちの心に何かを深く訴えかけてきます。音楽とは時に聞く人の気持ちを奮い立たせて勇気をあたえ、時に癒し、時に感動を与えながら、大いなるカタルシスの彼方へといざないます。
そんな偉大な音楽のレジェンドのひとつである、イギリス出身男性4人組ロックバンド、クイーン。リードボーカルのフレディ・マーキュリーが1991年11月24日に死去してもなお、その曲は古さを感じさせず、ファンを増やし続けています。フレディの死後も、ブライアン・メイ(ギター)とロジャー・テイラー(ドラム)の二人は精力的に活動を続けており、特に元バッド・カンパニーのボーカル、ポール・ロジャースを迎えて行なわれたワールドツアーは、大成功を収めています。
クイーンは、1973年にデビューし、これまでに15枚のオリジナル・アルバムを発表しています。本国イギリスをはじめ、アメリカや日本でも高い人気を誇り、アルバムとシングルを合計した総売り上げは3億枚を超えるという、世界でもっとも成功したロックバンドの一つにも数えられています。
ロックや洋楽をあまり聞かない人でも「ウィー・ウィル・ロック・ユー」「ウィー・アー・ザ・チャンピオン」などの曲はおなじみなのではないでしょうか。
そしてこの2018年11月には、クイーンとフレディ・マーキュリーの人生にフォーカスした映画『ボヘミアン・ラプソディー』が封切られ、世界中で観客動員数を増やし続けています。
クイーンの楽曲は、ロックというカテゴライズさえ窮屈に感じさせてしまうのほどに幅が広く、壮大で唯一無二なもの。数々の曲は、メンバー一人ひとりが持つ高い音楽性から生まれました。全員自分で作曲ができるクリエイティブでスキルの高いメンバーであっただけに、バンド内での軋轢や衝突はつきものであり、その様子が映画でも描かれています。衝突や切磋琢磨の困難さと同時に、それらがあってこそ、最高の曲が生み出されるという事実もまた表現されていました。

この記事では、この映画で描かれるクイーンのバンドとしての姿を、ビジネスのチームとしてとらえ、彼らのチームのスキルを高めていたものについての考察をすすめていきます。

「ボヘミアン・ラプソディー」あらすじ

『ボヘミアン・ラプソディー』は、クイーンのボーカル、フレディ・マーキュリーの半生を中心にバンド内での人間ドラマを描く映画です。
1970年、イギリスのヒースロー空港で荷物の運搬係の仕事をしていた彼は、後にクイーンとなるバンドメンバーと出会い、新たなバンド・QUEENを結成します。才能あふれる彼らは次々とヒット曲を作り、世界中でツアーを成功させ、スターダムに登り詰めていきます。フレディは、生来抱えていた移民としての孤独や、当時現在よりもタブー視されていた同性愛者という彼自身のセクシュアリティに悩み、孤独をつのらせメンバー間の不仲が進んでいってしまいます。そんななか、フレディがエイズを発症していることが明らかになります。そして、当時最大のチャリティーコンサートであったアフリカの飢餓に苦しむ子供たちへの支援を目的に開催されたライブイベント、「ライブエイド」に出演し圧巻の演奏で世界中を魅了します。その後、1992年にフレディが死去するまで、空中分解しそうだったバンドが、心を新たに再び一つになるまでを描く物語が2時間15分で構成されています。
人一人の半生をこの時間で濃密に表現することにも成功した映画でもあると言えるでしょう。

ベースになる知識を手に入れる

 

クイーンのメンバーは、「セックス、ドラッグ、ロックンロール」という異性にもてるために音楽を選ぶような、ステレオタイプのロッカー然としたものではなく、非常に知的なスキルを持つ人材が集まったグループでした。

ボーカルのフレディはアートカレッジで芸術とグラフィックデザインを学んでおり、ギターのブライアン・メイは天文学天体物理学博士号を取得。ドラムのロジャー・テイラーは歯科と生物学を専攻、理学士号を取得しており、ベースのジョン・ディーコンは電子工学科を首席で卒業、名誉学位も取得した機械に強い人材でした。4人とも違った分野での知識を持ち、それぞれ一流のスキルを持っていました。その上でクイーンの音楽を作りたいという目標を持って集まっていたグループなのです。したいこと、目標を成し遂げるために、さまざまな分野のスキルを持っている人材を集め、グループメンバーの特性を生かしながら目的へと皆の業務を集約させるという、ビジネスでも行なわれていることに、クイーンの姿を置き換えて見ることができます。

彼らは、一見遠回りのようにも思える音楽以外のことに興味を持ち、深く知識を得たことが、結果的に音楽に厚みを持たせることにつながったのだと考えられませんか。
クイーンのメンバーのように、まず自分の得意分野や学びたいことを知識として蓄え、それを生かして新たな創造を行なうことは、大いなる目的と成功に近づく第一歩であると感じさせられます。

お互いに認め合えるスキルのそろった人材を集める


クイーンらしい音楽を奏でるためには、めざす音楽に対して、高いレベルとスキルが必要です。良い音を良いと感じ、いまいちな音にはNGをみんなが同じように感じられるためには、バンドメンバーのスキルと感性の高さが同レベルでないとそのチームは成り立ちません。

クイーンは、フレディのカリスマ性から、彼がリーダーであると捉えられがちでしたが、フレディ自身は、みんなあってこその自分、自分だけの力ではなくて、みんなで成功を成し遂げた、というスタンスをとっていたことを映画から見て取れました。クイーンとは、高い能力を持つメンバー同士が、お互いに認め合えるほどのスキルとレベルの高さを兼ね備えたグループであると言えるのです。

ビジネスにおいても、高いスキルを持つ人材が集まって何かを成し遂げようとしたときに、それが成功するかどうかは、お互いを認め合うという信頼関係を構築できるかどうかにかかっているのではないでしょうか。

衝突を恐れない

この映画では、有名なヒット曲の数々が生まれ出る瞬間を次々と披露されていきます。そのシーンを見ているだけで、とてもワクワクします。ある曲ができるきっかけのストーリーを知り、聞き慣れていたはずの曲が突如としてまったく違った曲に聞こえてくるという強烈な体験をすることができます。

彼らがいいと思える曲を作るために、メンバーは衝突を繰り返していました。そして本気でぶつかり、切磋琢磨していくうちにいいものを生み出していったのです。本気で本音を出してぶつかっていくうちに、クイーンを家族のように感じるようになるさまに、友情の尊さを感じさせられます。特にフレディは、両親がインド系であり移民の子で、出っ歯を気にしていたというように、周囲の環境に自分をフィットさせられずに孤独を感じていたさまが描かれることから、家庭や日常生活での居場所のなさに悩み苦しんでいたと言えます。そんな彼が、クイーンという居場所を得、そこで本当の家族のような関係の友情を得たことが、後世に残る名曲を生むバンドにつながったのであるとも感じさせられます。

目標や成功を手にするために、彼らのように、衝突を恐れずにメンバーと切磋琢磨しあうことは非常に価値のあることではないでしょうか。ビジネスを、なるべく波風たてずに前例を踏襲して事なかれ主義的に行なおうと考える人も多いでしょうが、新しいことや、本物の成功を手にするためには、人との衝突で能力を出し合うこともまた必要なのだと考えます。

個人を尊重する


この映画では、当初は女性の恋人がいたフレディが、自分が本来持っていた同性愛者というセクシュアリティに戸惑いながらも、その事実を受け入れようとする姿が描かれています。彼の取り巻きが、女性から男性に変わっても、雰囲気がゲイ的になっても、アイデンティティを無理に掘り下げたりせずに、尊重するメンバーの姿が非常に紳士的だと感じました。

特に興味深いと感じたのは、映画のタイトルにもなった「ボヘミアン・ラプソディー」の曲の歌詞の意味を、メンバー誰一人分かってないという不思議さでした。この曲は、「ママ、僕はいま一人の男を殺してきた」という衝撃的な詩を含んでいます。その男とは、異性愛者であったフレディが、その偽りの自分を殺して、同性愛者の自分を受け入れようという意味ではないかと言われています。

その歌の歌詞を、コーラスに長けたメンバー4人で一生懸命にレコーディングしているシーンはとっても楽しいものです。そして、この詩に「ガリレオ」とか「ビスミラ」とかといった、作詞作曲を担当したフレディ以外のメンバーにとっては意味不明な固有名詞が含まれています。ドラムのロジャーは高音のコーラス担当。「ガリレオ」とハイトーンボイスで何回も録音させられるシーンも愉快です。ロジャーは、『「ガリレオ」ってなんだ?』 と言うのですが、ただそれだけです。実際、本当の歌詞の意味がどういうものなのかをメンバー誰一人としてフレディに問うことはありません。レコード会社の重役に難癖をつけられても、「音楽はリスナーのものだ」などといって、意味を説明することはありません。きっと、クイーンにとって、意味を問うこと自体に意味はなく、リスナーが聞く音楽だけが価値があるのだとわかっているのでしょう。

仕事を成功させるには、お互いのスキルを高め、能力を出し切るための衝突は必要ですが、詮索は必要ありません。そして、仕事をうまく着地させるために個人への尊重と尊敬が大事なことであると感じさせられました。

配給会社のチーム力

製作発表から実に8年の歳月をかけ、ついに封切られたこの映画。配給会社である20世紀FOXの、映画オープニングファンファーレがクイーン風のロックテイストバージョンであることも、配給会社や制作者の並々ならぬ思い入れと愛情を感じさせられます。フレディは40代で亡くなってしまいましたが、メンバーのブライアン・メイと、ロジャー・テイラーはまだ60代で、ミュージシャンとしての活動もまだまだ現役です。

そんな彼らのおめがねにかなうフレディ役を見つけることも、またストーリーをクイーンのメンバーの納得のいく着地点を見つける事も至難の技だったことが、製作発表から8年という年月がかかっていることから拝察されます。特に監督に関して、最終的にクレジットされた監督の名前は『X-MEN』シリーズで知られるブライアン・シンガー氏となりましたが、実際は撮影を残り2週間残して解雇されたという報道もあり、その残り2週間分の撮影時の監督は、2013年に一度監督に選ばれながら降板したデクスター・フレッチャー氏が監督を引き継ぎ、無事に撮影完了させたという離れ業も話題となっています。

参考URL https://news.yahoo.co.jp/byline/saruwatariyuki/20181111-00103726/
途中で何かを引き受けるという難題に対して、どのように残りの撮影を引き継いだのか、非常に興味深いところではありますが、この話題も20世紀フォックスのチームがこの映画に懸けた情熱と執念を感じさせるものではないでしょうか。

まとめ

シンプルに音楽のエンターテイメントとしても楽しめるこの映画『ボヘミアン・ラプソディー』。
QUEENの音楽を通してLGBT、移民問題、人生、愛情、友情等等、様々な視点から考えさせられる、見所のある映画です。ぜひ映画館に足を運んで、かれらの音楽から何かを感じ取ってみてください!

またそのほかの映画のまとめ記事は「厳選した5つの映画から学ぶ!チームビルディングやタスク管理のスキル」でご紹介をしています。ぜひ参考にしてください。

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