マネージャーの古い価値観が「人材離れ」を引き起こす。

昔のように、「お金」をモチベーションに働く若者は減っている。
これを勘違いしているマネージャーが組織にいると、採用がうまくいかないだけでなく、人材離れが加速してしまう。いまだに退職希望者に対して、「給与を上げるから」とか「もう少し一緒に頑張ろう」と、連日”引き止め飲み会”に連れ出している会社もあるみたいだが、それは全くの逆効果であり、「会社のファン」を減らす行為でしかない。
私はいま、株式会社SCOUTERでメイン事業のマーケティングの数値責任を背負いながら、自身でも会社を創業し、カンボジアでのシェアハウス中心とした事業立ち上げに従事しています。本記事では、私自身で会社を創業しながら、なぜ会社に所属しているのかと言うエピソードとともに、働くことに対する若者の価値観の変化について執筆していきます。

6月末からカンボジアに半移住した理由

カンボジアでSCOUTER社の新規事業立ち上げるの?」とよく聞かれるが、全く会社の事業は関係ない。もちろん会社を辞めるわけではないし、業務はリモートワークで続けている。むしろ自身のやりたいことにチャレンジしながら、業務を続けられることで、業務の生産性向上のためにカンボジアにいる。自分にとって価値ある資産は東南アジアでの事業機会だった。

カンボジアでのリモートワークが決まる前、COOの山田と1on1面談を実施していた時に、こんな話をしていた。
今の植木にとって価値のあることは何だろうね
僕は自分が向かっていきたい方向性に対して、意味を見出せない仕事をしている時は圧倒的にパフォーマンスが下がってしまう。それを知っている山田が、このような問いを投げかけてきた。

この問いに始まり、カンボジアでのリモートワークの話は、細かい条件も含めて、本格的に進んでいった。ちなみに、SCOUTER社の給与制度は、下記理論に基づき、無形資産と有形資産を選んで、価値の対価として受け取ることができる。

無形資産提供理論

支給対象者は自らの欲しい無形資産を手に入れることができる場合、必要支払報酬額は減少することを受け入れることができる。無形資産の価値を金額換算することで、相当額分の必要支払額が減少しても支給対象者は納得して、マイナスの影響0で働くことができる。

つまり、SCOUTER社が僕が生み出している価値と判断した評価から、私が必要だと思った有形資産(お金)を受け取りつつ、残りの価値に対する評価からカンボジアでの完全リモートワーク(カンボジアで事業にチャレンジできる機会)を受け取ったのである。

植木の価値に対する対価=有形資産+無形資産

本当に最近の若者は給与金額を見ても、内側にあるモチベーションはほとんど上がらない。給与を手渡しで受け取っていた時代なら現金を通して、価値を実感する機会もあったかもしれないが、今の若者は銀行口座の数値の変動を見て、それで終わりである。

しかし、僕にとっては、お金という価値を可視化したものを受け取らずとも、長年目標としていた東南アジアでの事業立ち上げに大きく近づいたのだ。これを有形資産であるお金を貯金する方法で、東南アジアへの事業立ち上げという目標を目指していたら、実現は数年先になっていたかもしれない、いや実現していなかった可能性の方が高いと思う。「給与を貯金して500万円溜まったら、起業しよう」という人がなかなか起業できない事例のように。

なぜ手段である「お金」で価値の対価を受け取るのか?

お金はあくまで手段だ。みたいな話を元ライブドアの堀江さんはよく言うけど、僕みたいな全くお金を持っていない人間でも同じようなことが言えると考えている。多くの人が、なんとなく「お金稼がなきゃ」って思っているけど、「稼いで何をしたいの?」という問いに答えられない人も多いと思う。僕は特に物欲もないし、消費活動にあまり興味がない。

先日メタップスの佐藤さんもこのような発言をされていた。

下記ツイート引用

とても本質的でかつ抽象的な内容なので、いろんな解釈があるが、「お金」に関しても同じことが言えると考えている。給与をお金で受け取り、貯金をしていても、全くその存在を証明できない。しかし、僕のように東南アジアでの事業機会というチャンスは、僕の精神性において重要な意味を持って存在を証明し続けるし、カンボジアでチャレンジし続ける以上、僕にとって大きな価値を持ち続ける。< この類の議論については、イケダハヤト氏もvoicyでこんな発言していた。

「給与が、月1回しかもらえないっておかしいでしょ。今後は価値の流動性が低すぎる。いかに価値の流動性を高めるかが重要ですよ」

(上記のvoicyの『月に一回しか給料もらえないっておかしくない?』にて)

もはや、僕にとっての価値を享受し続けられる、無形資産の方が圧倒的に重要である。そういう意味では、いちいち資本主義において手段となるお金を、価値の対価として受け取るよりも、価値の流動性は高くなる。
だから若者には、お金をインセンティブに生産性を高めようとしても、全く無意味なケースがある。それよりも、「週3日しか働かなくていいですよ、残りは自分のやりたいことやってください」とか「完全リモートワークOKですよ、もっとも生産性の高い場所で働いてください」とかの方がモチベーションが高くなるケースが多い。

マネジメントする側の勘違いで、人が離れていく


マネジメントする側が勘違いしてはいけないのは、このような若者は決して僕だけではないということである。典型的な平凡な人間である僕のような価値観を持った若者は、身の回りにもたくさんいる。
そんな価値観を持つ若者が「会社を辞めたい」と言ってきたら、どうしますか? いまだに「給与を上げるから辞めるな」と提案したり、連日飲み会を設定し”人情”で引き止めたりという手法をとる会社もたくさんあるみたいですが、そんな方法をとっても、若者はさらに興ざめして早く辞めたくなるだけだ。

そして、もう1つ僕がファクトとして持っているのは、このような価値観の変化に対応して、給与以外の対価をうまく訴求している会社は、びっくりするほど採用に困っていないという事実である。採用難、採用難と言われている市況だが、驚くほど優秀な人材を全く費用をかけずに、決して高くない人件費で採用している会社をたくさん知っている。
勝手に優秀な人が集まってくる。このような時代の変化に対応できる組織や個人に、お金ではない価値が集中する構造になってきているのを感じる。

最後に採用に関しても少しだけ触れて終わりとします。これから若者は、「お金をいくらもらえるかよりいくら使えるか」で、企業を選ぶ人が増えてくる。つまり、どんな体験ができるかで企業を選ぶ。お金に関する価値観の変化だけでなく、消費に関する価値観も変わっている。お金を払ってモノを買う若者より、お金を払ってオンラインサロンなどで仕事をすることを選ぶ若者が急増しているのも事実なのである。

そのような価値観が主流になった時に、あなたの会社は若者に選ばれますか?

上記のような価値観を「最近の若者は」と揶揄していると、採用ができなくなるだけでなく、どんどん人は流出していってしまうかもしれません。

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