無意識に見方を変えていないか? 上司がどこの国の人でも関係ない時代

「アジア諸国」と聞くと、どんなイメージを持つでしょうか?

身近なところで言えば、韓国や台湾。そして世界の工場と近代発展が叫ばれて久しい中国に、東南アジア。日本以外のアジア人を、日本人はどう見ていますか?

「未発展」「貧しい」などマイナスなイメージを持っていませんか。また、意識していないつもりでも、マイナスイメージがもたらす差別的な意識が、少なくともあるのではないかと思います。

私は普段、台湾の首都である台北に住み、台湾人と共に台湾企業で働いています。大学卒業後から台湾人と一緒に仕事をしてきた私にとっては、「上司が台湾人」であることは普通です。

しかし、会社や人によっては「アジア人上司を軽視する」日本人がいるようです。今日は自身の経験を踏まえて、「上司が何人でも関係ない時代」というお話をしていきます。

「上司がアジア人なんてありえない」の胸の内

グローバル展開に力を入れている日本の大企業ならば、アジアの主要国には必ず現地法人を持っています。特に中国や韓国、台湾など日本と経済的に深く結びついている国では、もう何十年も前から現地の子会社が存在し、「日系企業化」した現地人たちが日本人のように何十年も同じ会社に勤めている、ということが少なくありません。

しかし、どれだけ長く勤めていても、現地法人の社長に登りつめたとしても、外国人スタッフは、本社の社員に待遇や決裁権、機会で勝つことができないといいます。(もっとも、現地人に現地法人の社長を任せることも少なく、ほとんどが本社から名前だけ社長が来る場合が多いようですが。)

友人に優秀な中国人がいます。彼は30代半ばですが、非常に真面目で、日本人である私よりもずっと日本人らしい几帳面な性格。その上、見た目も話し方の感じもよく、中国朝鮮民族のため、北京語(中国語)、韓国語、日本語、英語の4ヶ国語をとても流暢に話します。

日系超大手企業の現地法人で、部長というポジションを任されている彼ですが、2〜3年に一度駐在で本社から送られてくる25〜29才前後の若手社員の面倒を見ることになっています。しかし、彼は自分の前で見せる若者の態度と、本社や日本人上司の前で見せる若者の態度があからさまに違うことに憤りを感じると言います。

そう、20代の若者ですら知らず知らずのうちに中国人上司をバカにしてしまっているのです。あなたも経験がありませんか? 酔っ払って理性がなくなったとき、ふと気が抜けたとき、無意識のうちに人を傷つけるような発言をしたことはありませんか?

なぜ日本人はアジア人リーダーを受け入れられないのか?

ここで、なぜ日本人がアジア人リーダーを受け入れられないのか? を深堀りして考えていきたいと思います。

相手を国力で判断してしまう

私は平成生まれの20代ですが、私が子供の頃の中国といえば、現在とは比べ物にならないほど貧しい国でした。現在では5万元(8万3,000円)まで上昇している中国人の1ヶ月の平均月収ですが、20年前、中国の一人当たりの収入は1ヶ月わずか8,000元(1万3,000円)程度でした。

実際、現在の月収も、国全体で見ると日本の半分程度なので、「アジアは貧しい」「貧しい国の人々はまともな教育を受けていない」「まともな教育を受けていない人々は民度が低い」といったイメージが蔓延っているように思います。

また、日本国内でのアジア系移民の「不法生活保護受給」などが浮き彫りになっており、日本人として日本で生まれ育つと、アジア諸国に少なからずともマイナスにイメージをもってしまうのではないかと考えます。

その人自身が未熟

マイナスイメージをもたらすような人がいることも事実ではありますが、優秀な人も実際に多く存在します。そして、その人たちが若い頃はきっとお金も名声もなく、あったのはやる気だけの若者だったことでしょう。相手の国がどうであれ、優秀な外国人を尊敬できず、国や見た目、学歴などで判断してしまうのは本当に残念なことですよね。

ソフトバンクの孫正義は、「私はビジネスが大好きです。」と優秀な若者が作り出す新しいサービスにいち早く投資していました。孫さんと、人を国で差別してしまう日本人の差は何でしょうか? それは人間としての未熟さかもしれません。

これまで優秀なアジア外国人と出会えない環境にいたから、差別的な目で見てしまうのではないですか? 彼らと同じように努力する自分でなければ、優秀な人材に出会うことはできません。

アジアのすごいリーダーたち

2019年のいま、20年前は存在しなかった「アジアのすごいリーダーたち」が世界中にはたくさんいます。私は情熱に溢れたアジアのリーダーたちが大好きで、何人でも名前と功績をあげられるのですが、ここでは特別に3名を選び、紹介します。

エバー航空の創始者「張栄発」(台湾人)

日本統治時代の1927年に、台湾で生まれた張栄発さんは、2011年3月11日の東日本大震災で個人の資産から10億円を募金してくれた経営者としても有名です。

たった一代で、小さな船1隻から1年で5000億円規模の会社を大きくした超やり手の経営者です。どれだけの情熱と愛で、たった一台の船からここまで会社を大きくし、個人資産を10億円も募金する人生になったのか想像もつきません。個人的に大好きなアジアのリーダーです。

中国版シンデレラ「ウェンディデン」(中国人)


中国版シンデレラ「ウェン・ディデン」の人生もまたすごいものです。

貧しい中国の内陸部で育った彼女は、高校時代に米国夫妻と偶然出会ったことで人生が変わります。英語を勉強したい、生活をもっとよくしたいという思いから、知り合いの米国夫妻を頼って短期交換留学、その後長期留学をし、なんと夫妻の旦那を若さで寝取ります。

米国のグリーンカードが取得できる2年できっちり結婚生活を終了させ、お金持ちの外国人男性を と結婚離婚を繰り返すことで資産を大きくしています。

私が彼女の存在を知ったのは、ロシアのプーチン大統領に新しい恋人ができえたというニュースを見たとき。貧しい村出身の彼女の、他人を蹴落としても自分が幸せになるためのシンデレラストーリーを読んだときには痺れるものがありました。

憧れませんが、「育ち」は関係ない。自分の力で何でも手に入れることができる、を実現した中国の女性リーダー、ウェン・ディデンを尊敬しています。

アメリカUberを超えた「Grab」創業者のアンソニー・タン(マレーシア)

アンソニー・タンといえば、東南アジアで生活する人で知らない人はいないのではないでしょうか。東南アジア版個人タクシー「Grab」の創業者です。

Uberの東南アジア版というと分かりやすいですが、マレーシア企業として現地のタクシー会社とうまく提携し、現地の人々をうまく取り入れたことでシェア率が飛躍的に上がったようです。2017年にはGrab Payという決済サービスをスタートさせ、2018年にはGrabに完敗したUberが東南アジア市場を撤退しています。

平成が終わる今から私たちが変わるべきこと

中国が「貧しい国」から20年で世界第二のGDPを誇る大国に成長したように、今後の世界事情は予測ができません。悲しいことに、日本の一人当たりGDPはこの10年で上がるどころか下がっており、人口の減少も考えるとこれから日本がいま以上に大国としてトップに居座ることは難しいように思います。

30年前、世界に突然インターネットができたように、これからあなたの上司になる人は、中国人かもしれませんし、アフリカ人かもしれません。いや、AI(ロボット)の可能性だってあります。

でも、平成が終わるいまから、私たち20代がすべきことは「人の本質で見ること」そして「常に変化に柔軟であること」だと思います。

誰からでも学べることがあることを知らなければいけません。自分より知識や経験がなさそうだ、と格下に見て話をしないと、大事なことを聞き逃してしまうかもしれません。

リスペクトの気持ちを持ち、相手と信頼関係を築くことが大切になってくるのではないでしょうか。

【参考資料】
・中国のGDPの推移
・震災直後10億円寄付した台湾人・張栄発氏を忘れてはいけない 「日本人より日本人的だった」実業家が東北に寄せた思いとは
・ウェンディデン
・孫氏をも魅了したGrab代表Anthony Tan氏とは。成功までの道のりに欠かせないものは「人間関係」

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