映画『マネーボール』に学ぶチームビルディングに役立つ5つの力とは?

日本ハムに所属し、投打二刀流で活躍していた大谷翔平選手が、MLBのロサンゼルス・エンゼルスに移籍したことは記憶に新しいですが、この4月1日に、メジャー初先発を果たし、6回3安打3失点の好投で初勝利を挙げました。大谷選手は初回に時速160キロのボールを投げ、空振り三振を奪い存在感を示しましたが、2回に逆転3ランを浴びてしまいます。しかし、その後は冷静に修正し、無失点に納めるという修正能力を発揮してメジャー初勝利を手にしました。

参考URL: http://news.livedoor.com/article/detail/14527705/

そして4月3日、(日本時間4日)米カリフォルニア州アナハイムであったインディアンス戦において、今度は打者として登場。メジャー初本塁打を放ちました。本拠地での初お目見えでの本塁打を含む三安打の成績をアピールしました。さらに翌日のインディアンス戦では、大谷は8番・指名打者で先発出場。2点を追う五回に2死二塁から同点2ランを放ちました。インディアンスの先発投手は、2014年と17年に、サイ・ヤング賞に選ばれているクルーバー。そんな大リーグ屈指の右腕から、エンゼルスの本拠地でホームランを奪い、勝利投手後の2戦連続本塁打という成績を残しました。

参考URL: https://www.asahi.com/articles/ASL4526CHL45UTQP009.html

勝利投手後の2戦連続本塁打は、野球界の大いなる伝説、ベーブ・ルース氏も成し遂げなかった快挙です。今後も、その活躍に注目が集まる大谷選手。日本のみならずアメリカの野球ファンも、彼を通じて、皆に愛されるスポーツである野球に、大きな夢を見ることでしょう。

映画『マネーボール』について


野球、その白球を追うチームプレーのスポーツ。少年の頃から野球を始めて、誰もがいつか少年野球を卒業する日がやってきます。
そんななか、この記事で紹介する2011年作の映画『マネー・ボール』の主人公、ブラッド・ピッド演じるビリー・ビーン(Billy Beane)は、未ださめない野球少年の夢のなかにいるのかもしれません。彼は、大谷選手の対戦チームである、オークランド・アスレチックスのゼネラルマネージャー。56歳になった今もなお、アスレチックスのGMとして、また球団の副社長として野球に携わる仕事に就いている彼は、かつては超高校級選手としてニューヨーク・メッツからドラフト1巡目指名を受けたスター候補生でした。そのスカウトがなければ、名門のスタンフォード大学の奨学生の権利を使い、大学に進学するはずでしたが、プロ野球への道を選んだ彼は、残念ながら選手としては鳴かず飛ばず。さまざまな球団を転々としたのち数年で現役を引退。その後、スカウトに転身し、第二の野球人生を歩み始めたという実在の人物です。

映画では、2001年のディビジョンシリーズ(プレーオフ地区シリーズ)の様子が最初に描かれます。ビーンがGMをするオークランド・アスレチックスは名門ニューヨーク・ヤンキースに敗れてしまいます。そのオフに、スターである3選手のフリーエージェント移籍が確定的に。2002年シーズンに向けて3選手の穴をうめる戦力を整えたいところ、規模の大きくない球団アスレチックスのオーナーは、資金に余裕を持たせてはくれません。そんなとき、トレード交渉のためクリーブランド・インディアンズのオフィスを訪れたビーンは、イエール大卒のスタッフ、ピーター・ブランドに出会います。彼は、『セイバーメトリクス』という様々な統計から選手を客観的に評価する方法で、選手を分析していました。従来のスカウト達が行ってきた旧態依然的な選手への評価方法に不満をもっていたビーンは、ブランドの理論に興味を抱き、ビーンの補佐として引き抜きを決断。他球団からは評価の低い戦力を発掘し、低予算でチームを改革していくというあらすじの映画です。

この映画を題材に、さまざまなビジネスの局面で役立つチームビルディング力を紹介しましょう。

自分の言葉を持つ力

頭は切れるが短気で完璧主義なビリーは、アスレチックスが負けると物を壊したり、車で広場を暴走したりと激しい性格が見て取れます。それを抑えるために、試合は野球場で見ない、試合中にランニングをしたり、筋トレをしたりして気を紛らわせるなどといった行動をとっています。GMという上にたつ人材として、短気な性格はマイナスポイントかもしれませんが、そのかわりに、彼は強い意思と強い言葉を持っています。意思とはすなわち、勝ちにこだわるということ。

強い言葉とは、勝つために話す言葉に、余計な装飾はまったくつけないということ。そして、話す言葉によって生じる軋轢を気にしないこと。その強さは見ていて清々しいほどです。彼と相容れない働き方や性格を持った人材にとっては、非常に不愉快な存在であることでしょう。しかし彼の姿に、ビジネスでのリーダーシップを学ぶことができます。言葉が乱暴で、周りを顧みることがなくとも、結果を出すことができれば、強烈なリーダーシップはチームに大きなモチベーションをもたらすことができるのです。

ビーンの補佐をつとめるブランド(ジョナ・ヒル・フェルドスタイン)の表情が魅力的です。ビーンの言葉を聞いているときのブランドの表情に、カリスマと一緒に歩むチームメンバーのワクワク感や喜びを見てとれるカットがいくつもあります。

制約の中で戦う力

ヤンキースのように、潤沢な予算があれば、どんな選手も雇うことができます。しかし、ビーンのチームの低予算は、他球団やスカウトから揶揄されるほど。限られた予算で、ビーンとブランドは最大限の結果を出そうと手をつくします。このマイナスにも感じられる低予算ですが、裏を返せば、限られた予算、という「制約」があるからこそ、ビジネスにおいて結果を出せるときがあることを忘れてはなりません。実際、ビジネスではシンプルな制約やルールがあるほうが、よい結果を得られると言われます。

MITで戦略論の教鞭をとっているドナルド・サル教授と、スタンフォード大で教鞭をとるキャスリン・アイゼンハート教授の共著『シンプル・ルールズ』では、圧倒的な結果を出すためには下記のようなシンプルなルールを採用するとうまくいく、と記されています。

ルールの数が少ない
使う人に合わせてカスタマイズできる
具体的である
柔軟性がある

ビーンのアスレチックスのように、少ない予算で結果を出さなければならないときが誰しもあることでしょう。そんなとき、少ない予算に悪態をつくのではなく、この制約こそが大きな結果を産むルールなのであると考え、行動にベストを尽くしましょう。

柔軟性と、それを維持する決意の力

ビーンは、選手をさまざまな数値で判断し、チームビルディングを進めていきます。それは、昔ながらのスカウトたちとは違った評価手法であり、他球団でも例を見ない方法論でした。その方法論で雇った選手達を、監督は選手への先入観から、なかなかビリーの思うように使ってくれず、そのためかアスレチックスは負けを重ねます。周囲にも、ビリーたちは白い目で見られ、世論にもけなされ続けます。マイナスの状況に耐える姿は見ていてつらいものです。

ビーン自身、長年球界に身を置き、よくその体制を知りつつも、新しい手法を模索し、挑戦しようとする柔軟性はまさにビジネスパーソンが見習うべきスキルであると感じます。仕事歴が長ければ長いほど、その仕事の方法論に固執して、新しいことにチャレンジしなくなっていく人が大部分なのではないでしょうか。もしそう感じたら、ビリーの姿から何かを感じ取れるかもしれません。

フィリップ・シーモア・ホフマン演じる監督が、新しい選手を使ってくれないことが重なり、監督が好んで使っていた選手の存在をトレードで消してしまう強引さには笑ってしまいます。しかし、自分たちの信念を貫くために必死にとったこの行為に、仕事への真剣さと決意の力の勇気を感じます。

個々の能力を数値化し、客観性を持つ力

この映画では、さまざまな数値で選手を評価するカットがでてきます。出塁率、打率、などなど、それらを総合的にみて、どの選手を雇うかビーンとブランドで決めていく場面は、選手がゲームの駒のようで、何だかわくわくしてきます。出塁率がいいと数字が示していても、選手の日頃の行ない、パートナーのルックスなどの情報に気をとられ、雇うことに後ろ向きになるスカウトの姿が印象的な場面があります。その姿が、そのままビジネスでもよくありがちな評価を感じて、はっとさせられます。

例えば「妻帯者になれば、管理職にプラスだ」、「太っているから自己管理能力が低く、仕事もできないだろう」、「タバコを吸うから我慢ができないタイプだ」、、、直接の仕事内容の評価とは違った観点で評価を行なっていないか、その会話自体ナンセンスになっていないでしょうか。
数字は嘘をつきません。業績を数値化できれば判断に客観性がうまれます。人材個々の力を数値化したり、正当な評価ができれば、その人材をバランスよく配して、チームに統合して大きな仕事を生み出せます。そしてそれが、目標にフォーカスする力をもたらすことにもつながっていくのです。

真の情熱の力

野球は野球場で見ない、選手のトレードや解雇もしょっちゅうで、相手によっては冷酷な人物にも感じられるビーンですが、彼が精魂尽くしてチーム改造を行なった結果、アスレチックス20連勝という快挙を成し遂げたときに、改心のガッツポーズをとります。

他にも、要所要所で、彼の野球への本物の情熱を見て取れるシーンがあります。結局、何かの信念や目標を達成したいと考えたときに、真の情熱をどれだけ持つことができるのか、それがチームビルディングの鍵のひとつであると、この映画を見て感じました。真の情熱は、見る人が見れば、わかるものです。

みなさんも、映画「マネーボール」から、たくさんの仕事へのヒントを感じ取ってみてください。

間違いないチームマネジメント

競争的な市場の中でビジネスを加速させていくためには、強力なチームの存在が欠かせません。効果的なチームビルディング術や、チームでの共同作業に役立つツールやポイントを押さえることで、最高のチームを作り出しましょう。

★ これまでにない解決法を試してみる TeamHackの試用体験へ

詳細を確認する

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

同じタグのついた記事

同じカテゴリの記事