ベテランPMが予算編成で中長期計画を勧める理由と3つのコツ

先日、今年から取り組んでいた予算編成の業務が2月末にようやく終わりました。

予算編成は来期の活動内容を売上と費用を明確化する重要な業務だと認識しています。とはいえ、予算編成業務は各部調整で時間もかかり、会計士など専門的な対応も必要となることが多く煩雑です。

今回は予算編成業務の内容やメリット、また予算編成の大変さやコツについて紹介したいと思います。

予算編成とは?

そもそも予算とは利益を確保するために、いくら売上を立てるのか、費用はいくら使うのかを事前に決めることです。

予算編成のスケジュールは一般的に、多くの日本企業が4月を期首としている1月から3月中旬にかけて予算編成に仕掛かることが多いです。

私が在籍していた会社では、経営企画部が主導して、各部署に売上や費用を入れるように依頼し、各部署の責任者はロジックを立てて経営企画部に提出します。

経営企画部はその年の売上見込みや費用の妥当性を関係部署とともに検証します。
疑問点があれば、各事業部にヒアリングをおこない、提出された予算の数値修正を依頼することもあります。

予算編成は最終的には代表取締役社長などボード層の承認を経て確定します。

予算編成のメリット

すぐれた予算編成ができる企業には次のようなメリットがあります。

何をするのかが明確になる

売上や費用を数値化しているということは、数値は誰がみても解釈は異ならないため、関係者にとって「何をするのか」が明確になっている状態になります。

事業部が事業計画を元に編成した予算をきちんと理解して、従業員一人ひとりが活動できているということは、すなわち計画通りに実施できていることを意味します。

いきあたりばったりの計画だと、何をするのかから検討する必要があり従業員の動き出しが遅くなりやすい傾向があります。

予算と実績との差異要因をすぐ検証。
まさにPDCAサイクルを回すことができ、タイムリーに打ち手を講じることができる

例えば、4月の実績の売上が予算の売上より20%も少なかった場合、すぐに原因調査とタイムリーな対策を講じることができます。

これは、予算の売上を立てているから比較できるのであって、予算がない会社は比較することもできません。そうすると、もちろん打ち手も遅くなってしまいます。

年次・半期・四半期・月次・週単位と予算と実績を確認する頻度は業態によってさまざまですが、私が所属していた会社は月単位で予算と実績の差異分析を行なっていました。

まさにPDCAサイクルを回すことができているため、予算と実績の差をきちんと確認・調査することで商況の変化が把握できたりします。結果、事業の方向性を迅速に、そして柔軟に変更することができます。

予算編成の何が大変なのか?

知人から予算編成が大変といったことを聞いた方も多いのではないでしょうか?
予算編成は思った以上に事業部が提出した内容を確認・精査するのに時間がかかります。

その理由の1つとして、予算編成は細かい数値を記入するため、担当者の記入漏れや誤りが多かったり、予算編成が繁忙期と重なる場合は担当者の提出が遅れることもしばしばあるからです。

関係部署全体に対して納期までのスケジュールコントロールが重要となります。

多くの企業は慣習として事業部が予算編成のやり方を知っている人が多いですが、部門長など一部の人に限られる業務のため、予算編成時に人事異動が発生する場合は予算編成の引き継ぎがされているか確認する必要があります。

さらに、各事業部共通の費用は各部署に適正に繁栄するため按分計算が必要になるケースがあります。経理部や財務部などは専門的で、かつ手作業が多くなるため、予算編成業務は複雑性を増すことになります。

予算管理システムを導入している企業も少なくありませんが、筆者の所感では、まだまだExcelで予算編成をしている企業が多数派の印象です。

手作成したExcelシートでの予算編成業務は、その会社独自の計算ロジックを組んでいることが多く、市販の予算管理システムに適用されないことがあります。

さらに人件費の予算編成は人事部からデータを提供してもらう必要がありますが、1~3月はちょうど人事組織改編の時期と重なるため、人事部が多忙を極め、スケジュール通りに進まないこともあるでしょう。

質の高い予算を編成するための3つのコツ

1.質の高い中長期計画書があること

3ヵ年や5ヵ年といった中長期計画を立て、1年間の売上を達成するために設備投資や人件費をあらかじめ組んでおくと、予算も事業計画に基づいて編成されるため、整合性が取れた予算を編成することができます。

事業計画と予算編成のスケジュールが前後しないように整合性が取れていること。そして、事業計画書に対して数値化された予算の辻褄が合うようにしましょう。

2.取引先との契約更新は早めに仕掛かること

たとえば、ソフトウェアのライセンス費など、今期の価格ベースで予算を組んだものの、来期からライセンス費が値上がりしてしまう、ということはよくあります。

したがって、契約を更新する取引先に対して、なるべく早めに更新内容の確認をする必要があります。

予算編成の精度をどこまで求めるかは企業によってさまざまですが、会社にとって影響が大きいところの契約だけを更新する企業もあるようです。

契約更新を滞りなく進めるためにも、予算編成という業務から派生して取り掛かる企業も多いようです。

3.大型備品購入をする場合は見積もりを早めにとること

業種にもよりますが、大型備品など何か大きな買い物をする企業の場合は、複数の取引先から見積もりを取るようにしましょう。

予算編成の精度が上がるのはもちろん、複数取引先から見積もり検証も同時にできるので、いい買い物ができます。

少し専門的な話になりますが、一見すると固定資産になり減価償却費として予算編成できそうだと思っていた大型備品が、専門家の判断では修繕費になるケースがままあります。どちらに当てはまるのか、税理士に相談するようにしましょう。

まとめ

いかがでしたか?私見では、すぐれた企業はきちんと中長期計画をたてて、それに基づいた予算を編成しています。

予算編成はまさに数値でどれだけ売上を上げるのか、どんなものにどれだけ費用をかけるのかを表すものなので、数値のロジックをきちんと立てているのか、まさに事業部代表の力量が問われます。

各事業部の代表はボード層に予算の説明を求められることがあり、そこでの説明は非常にシビアです。しかしながら、予算編成を強いロジックを組んでいるほど、ボード層に認められる確率がアップして業務が円滑に進んでいる印象があります。

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