マネジメント
2018.04.25

5月病は大丈夫?「組織」とは「会社」とは何かを改めて考えてみる

ほんの少し前に桜吹雪に立ち会ったかと思っていると、はやGW直前。新緑の匂いがあちらこちらで漂うこの頃です。この季節は「木の芽どき」と呼ばれます。1年を通してもっとも気持ちが浮き立つのだと考える人も多いでしょう。
一方で、4月から新しい環境へと変わった人たちがいわゆる「5月病」と呼ばれる「不安」を抱えることも少なくありません。

「5月病」とは何かと言うと、新しい環境に変わってしばらくすると新入社員や新入生を中心に、「やる気が出ない」「気分が沈みがちになる」という傾向が見られる状態を示すもので、そもそもある疾病の名称ではありません。

そもそもこんなはずじゃなかった、という感情はおそらく誰もが経験すること。新しい環境へと勇んで飛び込んだものの、思っていた活躍ができない、想像していたよりも劣る環境に不満だ募る、、、など。あなたも過去に経験したことがあるでしょう。

とりわけ、人間関係の変化は個人が想像するよりも心身への影響が大きい、と最近では医学的にも説明されるようになっています。「うつ病」をはじめ精神疾患の医学的な進化は、近年目を見張るものがあります。

「5月病」で気分が落ち込んでしまって、一時的にうつ状態になってしまうこともあるようです。その多くはそのうちに治ってしまうことが多いため、うつ状態でも必ずしも病気とは言えないのだということです。

さて、前置きが長くなりましたが、今回は多くの新社会人にとっての「新しい環境」となった「会社」というものに焦点を絞ってみました。

あなたは、そもそも「会社」とはなにか、きちんと説明ができますか?

いま世の中にある「会社」の期限を遡れば、中世の大航海時代に至ります。
自分の持っているもので参加して富を手に入れることと、損が発生する時の危険分散(リスクヘッジ)が、まさにこの時に始まりました。

少し、「歴史」の勉強を始めましょう。

ヨーロッパから世界中の香料や宝財を求めての「大航海」へ

コロンブスのアメリカ発見(1492年)、ヴァスコダ・ガマのインド航路発見(1498年)、マゼランの世界一周(1519~1522)。

この当時の外国貿易は、「前人未到」の大西洋や東インド洋に乗り出すものなわけで、それは生命身体に危険を及ぼしかねず、失敗したら何もかも失うかもしれない、まさに命をかけた「賭け」でした。非常に魅力的な事業には感じられても、この危険な事業に自ら出て行こうとする勇気を持つことは簡単ではなかったのです。儲けたいけれども危険は避けたい。そこで、「金はあるが自らは危険な目にあいたくない」人たちと「金はないが度胸と勇気がある」人たちを結びつけることが考えられました。
つまり、「賭け」に伴う危険と資本の冒険を同時に緩和する方法として考え出されたわけですが、これをジョイント・ストック・カンパニー(Joint Stock Company 株式会社)と呼びます。株式会社の誕生です。
※ ジョイントは共同を、ストックは商品・在庫を、カンパニーは組合・会社を表す。
 

「わが国の『会社』というテクニカル・タームは、福沢諭吉が造語したイギリスの『カンパニー』(Company)の訳語である。ところが、カンパニーというタームはラテン語の『共に』を意味する『クム』と『パン』を意味する『パニス』とから造語されたということであり、『共にパンを食べる』という語義から『会社』という意味に転じたもののようである。つまり、食事を一緒にするということは、仕事の相談をする仲間ということにもなり、ついには、共同で仕事をすること自体までも意味するようになったわけである。
 したがって、『カンパニー』とは本来共同事業形態を指すものであったが、いつのまにか、共同事業を遂行する法的組織形態たる『会社』を意味するまでになったのである。このことは、会社という共同事業形態を理解するに際して、さまざまなヒントを提供する。すなわち、第一に、会社とは本来人間の共同事業組織であること、第二に、共同事業組織のうちでも、パートナーシップ(組合)とは異なり、特に『会社』とよばれる共同事業形態であること、第三に、カンパニーの本来的語義は『仲間』ということであるが、それは団体的な一体性を意味すること、等々である。フランス語のソシエテ(societe)やドイツ語のゲゼルシャフト(Gesellschaft)もほぼこれに近い語義をもつものである。
 他方、アメリカでは、株式会社を意味するタームとして、コーポレーション(corporation)が用いられることにも注目しておきたい。このタームは、人格ないし団体を意味するラテン語のコルプスを語源とし、イギリス法において次第に法人を意味するものに転化したが、その含意は『永続的承継』(パーペチュアル・サクセッション)である。つまり、コーポレーションとは、やや誇張した表現を用うれば、『永遠の生命をもつ人』なのである。
 こうしてみると、日本語の『会社』という語感からは、せいぜいのところ、『団体性』を読みとることができるにすぎないが、原語をみると、そこには『継続性』という意味がこめられていることに気がつく。それが『法人』という観念を生み出したのである」

(1994 日本評論社 奥島孝康「会社法の基礎~事件に学ぶ会社法入門」)

もう少し詳しく株式会社の誕生を振り返ってみましょう

会社とは、お金儲けのために、多くの人が自分の持っているものを出し合い協力し合うとともに、万が一の場合の危険負担を分散する人の集まりである、と説明できます。

中世、ヨーロッパからは毛織物などを船に積んでアジアに向かい、目的地アジアにおいて香辛料や絹、金銀などと交換して帰りました。目的地にはないものを持っていきその地には豊富にあるが自国にはないものと交換したため、無事帰国すれば膨大な利益を得ることができました。
しかしながら、それは計画通りに目的地に着き無事に帰国できる保証はまったくなく、命がけの商売。「サンタマリア号」でアメリカを発見したコロンブスも、その一人にすぎません。

現在の会社で言う「ステークホルダー」はどういう人達がいたのか、と言うと、

船主(現在の会社で例えると、創立者一族)

当時の国王や領主たちは、その富を利用し船を建造しオーナーとなりました。当然、彼らは生きて帰れる保証もないような航海に出るという大きな危険を冒しません。

船長・航海士(現在の会社で例えると、経営者)

言わば、その時代の知識層です。星を見て方角が判断でき、季節の違いで潮や風の方向が分かり、異国でも言葉の壁を超えてコミュニケーションができること。航海には不可欠な船を操る技術や知識、そしてなにより船員を統率できるリーダーシップが必要でした。

船員(現在の会社で例えると、社員)

船長や航海士ほどの知識や能力は持っていませんが、大海原に出て行く勇気や度胸があり、航海士の指示のもとで船を操ることができる。航海の目的を達成するには不可欠な人々。

一般市民(例えると、株主)

船を造る資金はなく、船長のような知識もなく、さらに船員のなる勇気もない一般の平凡な市民。彼らの中には、異国からの珍品を期待しつつ、なけなしのお金で、布製品やろうそくなどの日用品を用意し、船長に託す人たちがいたわけです。

そのようにして、インドなどアジアをめざした船団は、目的地で香辛料や絹織物などの貴重品や珍品を積み込み、何カ月、時には何年もかけ帰国しました。その後は、出港前に交わした契約に沿って、「戦利品」を分配したわけです。

人間の欲望にはキリがありません。「大航海」は無事帰国すれば莫大な利益をもたらしますが、命がけです。船を10隻仕立てて出発しても、無事帰国するのは1隻か2隻だったそうです。つまり、帰れないことのほうが多い。
そこで、もっと安全で確実で、しかも儲けの多い方法はないものかと考えます。すると、航海術が進歩しました。造船技術も進み、船も大きく安全率が高いものになっていきました。となれば、一般市民も乗船できるようになります。

そのタイミングで、手を上げたのは宣教師たちです。「野蛮人に神の教えを…」と。それが、「未開の土地」を植民地にすることの有益さを発見することとなりました。そうすると、いかに効率よく安価に、その運営をするかが課題となります。
1601年、植民地運営と交易を目的として最初の株式会社が誕生しました。オランダの「東インド会社」です。この会社は軍隊も持っていました。「東インド会社」、授業で習った覚えがありますね。

このようにして、「会社」は誕生しました。

日本では、坂本龍馬の「亀山社中」

(http://www.mapfan.com/)

日本では、1865年、坂本龍馬が中心となって創設した「亀山社中」が最初の会社の原型、と言われています。亀山社中の目的は薩摩・長州両藩の物資の調達と運搬でしたが、将来的には上海などの外国との交易を目標としていたようです。
なお、「亀山」とは長崎にある亀山という地名、「社中」とは同じ目的をもった仲間という意味で、現在でも伝統芸能などを伝承しているグループで「○○社中」という名前を見かけます。

日本最初の株式会社は、1873年に渋沢栄一が中心となって設立された第一銀行です。

渋沢栄一(1840-1931)は、現在の埼玉県出身。幕末にフランス留学。日本の資本主義の黎明期である明治時代に、実業界で活躍。多くの会社を興し「実業界の父」とも呼ばれています。また教育、社会事業にも尽力した人物です。現在は名称も事業内容も大きく変化していますが、彼が設立にかかわった会社や学校などは数えきれないほどです。彼の業績を振り返れば、日本の資本主義の歴史が理解できます。

今回は、株式会社の誕生を追いかけてみました。
次回は、では「会社」の役割ってなんだろう? ということを深掘っていきたいと思います。

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