レッドブルのマックス・フェルスタッペンに見る、批判に屈さず信念と芯の強さをキープしながら結果を出すためのコツ

ホンダのお膝元、鈴鹿サーキットで開催されたF1(フォーミュラ1)日本グランプリが10月7日に幕を下ろしました。台風が重なる時期の開催に、毎回やきもきさせられるレースですが、本番の日曜日はすばらしい晴天で、30周年記念大会に天気も味方したようでした。

小林可夢偉選手が2014年にケータハムを去って以降、日本人レーサーが不在のF1は、鈴鹿での観客数が年々減少していましたが、今年の鈴鹿は、イベントや趣向をこらし、動員数を大幅に増やすことに成功しました。

肝心なレース内容はというと、2018年は21回行なわれるレースでのチャンピオンシップ(年間王者)にもっとも近いメルセデスのルイス・ハミルトンが制し、5度目の年間王者に王手をかけました。2位にメルセデスのバルテリ・ボッタスが続き、コンストラクターズ選手権(車の製作者)でトップのメルセデスが1位2位と安定の内容でした。そのなかで、レッドブル所属の21歳、マックス・フェルスタッペンが3位入賞していたのが印象的でした。

マックスは、父も元F1ドライバーという2世ドライバー。アグレッシブなドライビングと批判されても強気な発言が特徴的で、次世代の王者と嘱望される存在です。世界唯一の立体交差があるサーキットであり、難易度の高いドライビングスキルが問われるコースのため、偉大なレーサーたちから「神が作ったサーキット」とも称される鈴鹿を3年連続3位入賞したマックス・フェルスタッペン。ビジネスにおいて、彼が備える信念と芯の強さをキープしながら結果を出すためのコツについて、この記事で考察していきます。

先輩達の批判にさらされたらどうするか?

マックス・フェルスタッペンは、今回の鈴鹿でも3位入賞という結果は残していますが、やはりアグレッシブで危険とも言われかねないドライビングで、ペナルティや批判にさらされています。

参考URL https://www.as-web.jp/f1/417582

フェルスタッペンは、1周目のターン16で曲がり切れずに、シケインをカット。コースに戻ってきたところ、フェラーリのキミ・ライコネンと衝突。フェルスタッペンは危険なカタチでコース復帰したと判断され、5秒のタイムペナルティとペナルティポイント1を科されました。接触はもう一つ、年間王者をめざし勝利をかけていたフェラーリのセバスチャン・ベッテルの間でも発生しました。ベッテルはスピンして大幅に順位を落としてしまいました。

計らずも、フェラーリ2台と接触してしまったフェルスタッペン。今回のレースで、熱狂的なファンがいるフェラーリを敵にまわしたも同然です。しかし、当のフェルスタッペンは、自分は安全に運転していたが接触してしまった、どうしてペナルティを受けなくてはならないのかわからないというスタンスを崩しません。
フェルスタッペンは、いつもこの調子です。2016年でのハンガリーグランプリでも、危険な防御行為ともとれるドライビングを行ない、先輩ドライバーであるキミ・ライコネン、フェルナンド・アロンソ、ジェイソン・バトンに批判されました。フェルスタッペンを批判したドライバーはみな大物ばかりです。

2018年の中国グランプリのときは、カーブでロックがかかり、ベッテルに接触。自らの順位を落とし、さらにベッテルの順位にも影響を与えてしまい、10秒ペナルティを加算されてしまいます。フェルスタッペンは、珍しくベッテルに直接謝罪をするほどに危険なものでした。

周囲から批判をされても、めったに謝罪をすることはないフェルスタッペン。非を認めるときは、本当に心から自分が悪いと思ったときだけです。一種の清々しさと、根底に流れる負けん気の強さを感じ、彼はもうこのようなスタイルなんだな、と周囲に感じさせてしまうものがあるのかもしれません。

ビジネスにおいて、このようなスタイルを取ることは、非常に立場を難しくする場合もあるでしょう。しかし、彼のように常に自分の意見を曲げずに押し通す強さは、軋轢を産む恐れもありますが、一方で、いざというときのリーダーシップや、交渉に役立つ側面もあります。そして、いつも自分に正直でいることは、余計なジレンマを作らないというメリットもあります。このような態度を取率づけることは、常に大きなプレッシャーとの戦いでもあるF1レーサーという職業において、ストレスを減らすためのフェルスタッペンなりの工夫なのかも知れません。

ビジネスパーソンも、本当に感じていることと、仕事上でとるべき主張が常に違っていると、ジレンマに苦しみ、疲労やストレスが大きくなる恐れもあります。そんな自分の姿に気づいてしまったら、フェルスタッペンのスタイルを思い出してみるのもいいかもしれません。

意見を押し通す自信

なぜ、フェルスタッペンは自分が一見不利な状況であっても意見を曲げずに、キープできるのでしょうか?
先輩ドライバー達に批判されるのが常な彼ですが、2015年からF1に参戦してから、着実にステップアップし、結果を残しています。2018年、現在のドライバーズランキングは173ポイントの5位。実質の第一ドライバーとみられる同僚のダニエル・リカルドのポイントを30ポイント近く上回り、もはやレッドブルの第二ドライバーとは言えない存在感を示しています。

先輩達が一言言いたくなる危険な運転は、同時に卓越したドライビングスキルを証明するものであり、着実な結果をチームにもたらし続けてきているのです。
フェルスタッペンは、結果を出している自信から、自分のスキルへの自信が生まれ、どんな批判も意に介さない鉄の心臓と、ボスからの絶対的信頼を得ることに成功しています。

フェルスタッペンが所属するレッドブル・レーシングは若手育成に長けたチームです。そんなチームの代表であるクリスチャン・ホーナーは、いつもフェルスタッペンへの信頼を言葉の端々に感じさせ、どんなにフェルスタッペンが危険なドライビングで難しい立場になっても擁護する姿勢をキープします。そんな彼らの姿を目の当たりにしてきたチームメイトのいつも陽気なオーストラリア人、ダニエル・リカルドはフェルスタッペンの成長に危機感を持ったのか、格下とも言えるルノーに移籍を決めてしまいました。

周囲を変えてしまうほどの結果を出し、ボスとの結束を深めるということは、ビジネスに置き換えて考えてみても理想的な状況です。フェルスタッペンは、言うなれば、結果のために手段を選ばないタイプです。もし仕事で行き詰まったり、アプローチの方向性を変えたいと感じたときには、フェルスタッペンのようにアグレッシブなスタイルを取り入れてみるのも一考の価値があるのではないでしょうか。

レジェンドにも一言申す大物ぶり

往年のF1レジェンドドライバーであるジャック・ビルヌーヴは、何かにつけて同僚のリカルドの方が上であるなど、何かとフェルスタッペンを批判しています。とにかくフェルスタッペンのドライビングがお気に召さないことがわかります。ビルヌーヴだけでなく、3度F1王者となり、現在はメルセデスF1チームの非常勤会長を務めるニキ・ラウダも、フェルスタッペンに関して、普通は自分のミスから学ぶものだがそれは彼(フェルスタッペン)には当てはまらないようだ。若さゆえの問題ではなく、知性の問題だ、などと手厳しいコメントを残しています。

そんな大ベテラン達の批判にもひるむことなく一言返す強心臓のフェルスタッペンの姿は、和を重んじてしまう日本人の筆者はいつも驚いてしまうばかりです。
ビジネスにおいて、目上の人に辛口なコメントをされてしまったときは落ち込んでしまい、押し黙ってはいませんか? 意見を言うべきときはどんな相手でもひるまずに実行しましょう。フェルスタッペンのように大きな結果を生み出すきっかけを作ったり、上司からも一目おかれる存在になれる可能性も増すものです。

ルールを越える

なぜフェルスタッペンは批判されがちなのでしょうか?

それは、これまで行なわれてきた従来のレースでの暗黙知や常識、紳士協定を越えたドライビングをするからにほかなりません。フェルスタッペン以前には、危険でしないことが暗黙の了解であった「ブレーキングゾーン中に動くこと」が、多くの元F1ドライバーからも、同僚たちからも、そしてF1ファンたちからも批判され続け「いつか大事故を起こす」とも言われています。

しかし、ドライビングスタイルを変えるつもりはないフェルスタッペン。さすがに目に余る危険な運転を回避しようと、2016年にFIA(国際自動車連盟)は、ブレーキング時に走行車線を変えてはならない、というルールを追加しました。これはフェルスタッペンのために行なったルール追加であり、彼が常識を越えた運転をし続けたためにとられた措置です。ある角度から見れば迷惑ですが、ルールを変えてしまうほどにインパクトのある運転をするフェルスタッペン。レースに勝つというシンプルな目的のために、すべての常識を疑う、常識を越えるという若さゆえの潔さは目を見張るものがあります。

これをビジネスに置き換えて考えてみると、これまで常識と思っていたことを、はなから信じてしまわずに疑ってかかってみると、新しい可能性や発見を得られることがあるのではないかと感じさせされます。

「批判に屈さず信念と芯の強さをキープしながら結果を出すためのコツ」のまとめ

日本人は、和を重んじ、周囲にあわせてしまいがち。フェルスタッペンのような資質のある人物に出会うことはなかなか難しいでしょう。フェルスタッペンは、周囲になんと言われても、自分の意見をしっかり持っており、周囲の批判にも流されることがありません。ぶれない軸を持っているところは素晴らしい資質です。

しかし絶対に謝らない、悪いのは周りだ、という態度をとり続けてしまえば、いつか周囲にそっぽをむかれることもあるでしょう。

スキルはすでに持っているので、それを生かしながら、批判されたときにそこに学びを持つ事ができれば、彼は最強のドライバーになる可能性があります。彼の果敢なドライビングテクニックを楽しみつつ、成長を見守りたいものです。彼のもつ資質の良いところ、悪いところを見極め、ビジネスを行う上でのヒントのひとつにしてみてはいかがでしょうか。

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