編集視点でカンタンに実践できる。プレゼン、PRの情報編集法

なにかのプレゼンテーションを行なうとき。あるいは社内向けに情報展開用資料を作るとき。あるいはお客様向けに提案資料を作成するとき。本当にその内容はクリアにまとめられているでしょうか?そして、その資料なりプレゼンテーションを通じて、伝えたいことは伝わっているでしょうか?
実は、広く仕事ということを考えたときに、情報を整理して伝えるという行為はさまざまな場面で登場します。そして、その行為は割とルーズに行なわれていることが多い。今回は、普段の仕事に活きる「情報のまとめかた・伝え方」ということについてレポートをします。編集者の視点を持って。

まずはゴール設定を行なうこと

では、順を追って解説していきましょう。といっても、実際のまとめ方については後述します。はじめに考えなければならないこと。それは、「その情報によって行き着くゴールは何か?」を明確にしなければならないということです。

具体例をもとに考えてみましょう。お客様向けにプレゼンテーションを行なう場合、究極のゴールはプレゼンテーションした商品なりサービスを購入してもらうことです。社内向けに技術情報を展開する資料を作成する場合であれば、その資料を読んだ人が間違いなく技術内容を理解し、普段の業務に役立てることが求められます。つまり、情報をまとめるにあたって、その情報によって生ぜしめるべき「効果」は異なるのです。

よくあるミスは、パワーポイントで「いかに見やすい図版にするか?」にだけこだわって、プレゼンテーションを通じてみると何を言いたいのかポイントがボヤケてしまうということです。後述しますが、見栄えは最後の最後に考える「味付け」でしかありません。言いたいこと、伝えたいことをはっきりさせて、呼び込みたい効果に一直線に向かうことが必要なのです。

以下では、もっとも卑近な例としてお客様向けに商品プレゼンを行なうとき、その資料を作成することを想定して解説します。この場合、ゴールは当然商品を買ってもらうことになります。

整理は後回し。ひとまず頭が擦り切れるくらい連想ゲームをする

さて、実際の資料作成において、いきなりパワーポイントに向かうようなことは決してしないでください。まずは頭が擦り切れるくらい「連想ゲーム」をします。

より具体的には、プレゼンをする商品(あるいは伝えたい情報)について、「これは言っておいたほうがよい」「これは注意点だなあ」「これは秘密にしておきたい」といった内容を白紙に列挙します。文書ソフトに箇条書きをするのでもよいでしょう。とにかく、もう出ないというところまでやり切ります。

商品プレゼンを例に考えれば商品メリット、使い勝手、反対にデメリット、使用上の注意、競合製品、市場環境、規制法令に対応しているかどうか、取り上げる対象たる商品にまつわることを洗い出します。想像力が働かない場合、社内の誰かをつかまえて会話の中からヒントを見つける方法もあります。あるいは、あるお客様を想像し、その人に対してプレゼンした場合に「どんな質問が出るか?」ということを想像するのも方法のひとつです。

箇条書きした連想ゲームをグルーピングする

次に、連想ゲームが終わったら、今度はグルーピングを行ないます。例えば、ある商品について「誰でも簡単に操作ができる」「バッテリーのもちが良い」「しっかりしたマニュアルがある」「商品サイズが手頃だ」といった連想結果が出ていたとします。となれば、これらを一括りにするキーワードとして「使い勝手がよい」というものを設定します。その大雑把な枠のなかに連想結果を整理していくのです。すると、大まかに伝えるべき内容の項目立て、それにまつわる小項目が分類されることになります。

優先順位づけ。大胆な断捨離

ある程度項目立てができたら、その大まかな項目に対して優先順位をつけます。このとき注意すべきは「最初に設定したゴールを考えた場合に優先順位は妥当か?」を振り返ることです。

例えば、「使い勝手の良さ」「他社製品と比較してスペックで優位」「アフターサービスの充実」「商品の注意点・デメリット」といった大項目がある場合、そのなかで何が一番「響きそうか」を考えて順位付けをします。そして、大項目の中において伝えたいことの優先順位付けも行います。大項目からその中に含まれる要素という順番で整理することで、手軽です。連想ゲームの結果、無数に出た箇条書きの海をいきなり順位付けすることは至難の業ですから。

さらに行なうべきは「大胆な情報の断捨離」です。先の例で言えば、商品をお客様に購入してもらうというのがゴールだとすれば「商品の注意点・デメリット」はあえて伝えなくても良い内容になります。むしろ、相手から質問があれば答えられる程度の知識として持っておけば十分です。となれば、大項目ごとバッサリ切り捨ててもよいという判断になります。この思考は、大項目に含まれる小項目でも同じです。大項目に含まれる小項目は、基本的に絞り込んだほうが効果的です。もっとも、訴求したいポイントを合理的に伝えられる範囲で、という限定は付きます。例えば、携帯型メディアプレーヤーを相手に売り込む場合「軽量で直感的に操作でき、ずっと聴き続けられる」ということを言う。にもかかわらずバッテリーの持続時間についての言及がなければ説得力に欠けます。

言いたいことに対して、必要十分な範囲で武器はそろっているかという確認が必要なのです。

箇条書きの日めくりカレンダーをイメージしてまとめる

ここまでくれば、あとはカンタンです。言いたいこと、伝えたいことの「配列」は決まったわけですからその順番で資料をまとめればよいのです(プレゼンテーションを行なう場合は、その順序で進めればよい)。イメージとしては言いたいことの箇条書きを日めくりカレンダー形式で構成するように。

実際の場面で、アナログに情報整理をしようと考えた場合、単語帳が役立ったりします。単語帳に箇条書きの項目をひとつづつ書いていきます。そして、机の上にズラッと並べてグループにまとめる。その後、いらない単語帳の用紙を捨ててしまって、残ったものを順番に並べるのです。よろしければお試しを。

「お!」と思わせる工夫、その1。エピソードで語る

このように情報のまとめ方・伝え方は実際の資料なり発表内容に落とし込む前の作業こそが重要なのです。もっとも、ちょっとした配慮で、より納得感を持って伝えたいことが受け入れられることは多々あります。ここからは「ちょっとした工夫」のいくつかに触れます。

そのひとつめが「エピソード(事実)で語る」ということです。実際に筆者が経験した例を挙げましょう。あるローストビーフがおいしい洋食店を紹介することがありました。最初は「今まで食べたもののなかで一番おいしかった」と相手に言うと「ふーん」という回答しかありません。しかし、店主から聞いた話を思い出し「料理の鉄人○○さんが来店して、お願いだからレシピを教えてと店主に耳打ちしたほど」と言うと、相手は「ホントに?」と身を乗り出しました。

事実は表現よりも強い、ということを頭のすみに置いておくとうまく編集ができます。

例えば、商品の効能を伝える場合、バックデータになる数字とともにメリットをまとめる。そして、バックデータは自前ではなく第三者の調査結果などであればなおさら説得力が増すことになります。微に入り細に入り事実化していくと効果的です。

「お!」と思わせる工夫、その2。反対意見に目配りする

多くの論説的文章、あるいは新書とよばれる書籍は大まかに言えば「著者の考えをまとめたもの」です。そして、それらは延々と自説の力強さを訴えているものではないことに気づくべきです。基本的には、自説を述べ、「反対意見に触れて」、反論としての自説と補強材料を述べる。これを延々と繰り返しています。つまり、ある程度反対意見に触れるということも、説得力を出すためには必要なのです。そうすることで「あ、別な立場に対しても配慮している。質問も想定しているのだな」と好意的に受け取られます。

この工夫をする際、最初に行なう連想ゲームで出た「デメリット」「伝えたくないこと」に分類された内容を用いると効果的に内容をまとめることができる場合が多いと言えます。

迷ったときはゴール設定を振り返る習慣を

何かを伝えるとき、とりわけプレゼンテーションやPRを行なう場合。重要なのは伝えたいことの優先順位付けとグルーピング。大前提になるのは「ゴールとしてどんな効果を期待するか」ということです。考えを進めていくと、「これも言ったほうがいいよね」「こんな情報も加えたほうがいいよね」というように足し算で考えがちです。その結果、資料なりプレゼンテーションの時間が膨大に膨れ上がる。そういったことを避けるためにも、こまめにゴール設定を思い出すことが大事です。呼び込みたい効果に対して、本当に必要かどうか。優先順位は間違っていないか。合理的か。まるで、雪山に一本ずつハーケンを打ち込んでいくように、考えをまとめていく作業こそが近道なのです。

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