働き方改革関連法案いよいよ施行!有給休暇の取得義務化で働き方は変わる?

働き方改革関連法案の施行がいよいよ4月1日に迫りました。この働き方改革関連法案についてはこの数ヶ月かなり報道でも取り上げられてきましたので、この法案が「残業時間が減る」「有給休暇が取りやすくなる」といった内容であることは知っている人も多いのではないでしょうか。確かにこの法案は、私たち働く人にとって、働く環境がより整備され、より働きやすくなることを目指しているのは間違いありません。しかし、残業や有給休暇はこれまでも改善しようとする動きがなかったわけではなく、「今度こそ本当にそうなるの?」と疑わしい気持ちになってしまいます。なぜなら、未だに有給休暇なんて消化できなくて当たり前。風邪を引いた時に使うものといった認識も根強いからです。本当に有給休暇の取得はこの法案によって改善されるのでしょうか?そこで今回は有給休暇の取得義務化についてご紹介したいと思います。

Advertisement

歴史は繰り返す?〜有給休暇の取得が義務だった時代〜

有給休暇の歴史は今から80年以上も前の1936年に始まったそうです。まさかの戦前の話です。国際労働機関(ILO)第52号条約に、労働者の有給休暇を得る権利が記載されていました。1970年には「年次有給休暇に関する条約(1970年の改正条約)」が締結されたそうですが、この時、日本は適用外。日本で有給休暇が始まったのは戦後の1947年に定められた労働基準法からです。

なんと、この労働基準法が施行されてから約6年間、有給休暇は取らせなければいけない時代があったそうです。当時の施行規則に「使用者は、法第三十九条の規定による年次有給休暇について、継続一年間の期間満了後直ちに、労働者が請求すべき時期を聴かねばならない」と記載がありました。有給休暇は労働者が請求するものという原則はあるものの、労働者が自分から請求してくる前に、使用者の側が積極的に「1年たったから有給休暇が取れるが、いつ有給休暇を取る?」と聞かなければならないというものだったそうです。

それが現在の労基法は「与えなければならない」と言いながらも、労働者の請求を待っていればいいことになってしまったため、有給休暇の取得率が低い状況になってしまったようです。

有給休暇の取得率は日本は世界最下位

旅行サイト「エクスペディア」の有給休暇の国際比較調査比較によると、19カ国中日本は3年連続最下位で有給休暇取得率が50%という結果だったそうです。有給休暇の取得日数も年間10日間と最下位。100%の取得率があった、ブラジルやフランス、スペイン、ドイツは取得日数も30日間と日本の3倍もある結果でした。この調査結果を見ると、全体的にヨーロッパ諸国は有休取得日数、有休取得率が高い傾向で、アジア諸国は有休取得日数が低い傾向にあるようでしたが、一概にはいえません。

例えば、日本と同率で有給休暇の取得日数が少なかったタイは、有給休暇自体は10日間となっていますが、「Sick Leave(傷病休暇)」という有給の休暇が年間30日も認められていて、かなりの活用度があります。風邪や怪我でこの「Sick Leave(傷病休暇)」を使うのはもちろん、上司に「来週の水曜日、Sick Leaveで休みます!」などと申告するタイ人も珍しくありません。

他にも、この調査で有給取得率70%だったオーストラリアでは最低2週間連続で休暇を取ることが労働法で定められているそうで、その休暇は会社が定める有給休暇とは別の“有給”の休暇で「leave year」と呼ばれているそうです。

日本人からすれば外国人って休みすぎ!と思ってしまいますが、世界から見れば、日本人のほうが気持ち悪いほど真面目で働きすぎなのかもしれません。

申告制ではなく、強制的な有給休暇に

働き方改革関連法案のひとつ、労働基準法の改正で「年次有給休暇の時季指定義務」がこの2019年4月1日から始まります。この法案によって「事業者は対象となる労働者に対し、1年で5日以上の有給休暇を取得させる」ことが義務づけられます。

厚生労働省のホームページを見ると、「年次有給休暇は、原則として、労働者が請求する時季に与えることとされていますが、職場への配慮やためらい等の理由から取得率が低調な現状にあり、年次有給休暇の取得促進が課題となっています。このため、今般、労働基準法が改正され、2019(平成31)年4月から、全ての企業において、年10日以上の年次有給休暇が付与される労働者に対して、年次有給休暇の日数のうち年 5日については、使用者が時季を指定して取得させることが必要となりました」と記載されています。

つまり、労働者がいつ休みたいかを指定して休暇取得を申請するだけではなく、「会社側が時季を指定して取得させる」ということが大きな変更ポイントとなります。前述のエクスペディアの調査でも、「有給休暇の取得に罪悪感がある」割合は日本人は58%と世界トップ。「会社を休むのは良くない」という気持ちが他の国に比べて極めて強い傾向があるのが分かります。だからこそ、企業が“強制的に”休ませる制度へと変わったのでしょう。

※厚生労働省ホームページ:https://www.mhlw.go.jp/content/000350327.pdf

どう変わる?企業の有給休暇の取得推進事例

有給休暇はある限り使おう、さらにいうと傷病休暇まで可能な限り使おうとする他の国の人々と比較して、「会社は休んではならぬ!」という強い信念のある日本人。使える有給休暇があっても、やむを得ない事情がないと休んではダメという意識も根強いと思います。

「有給休暇の理由、○○はOKか」という炎上した記事もありましたが、そもそも理由など必要なく、有給休暇は取る権利があるにも関わらず、「○○があるから休ませてください」と理由を伝えないと休めない、無礼である、というような意識が日本人にはあります。

そんな背景から、今回の法改正で企業のほうが“強制的に”休ませるということが決まったわけですが、実際に企業ではどのような対策が進められているのでしょうか?

ある会社では、有給休暇の奨励日を年に5日間設定して、社員を積極的に休ませるとリリースで発表していました。休むほうの都合はまったく考慮されていません(当たり前ですが)。会社が勝手に指定して、その日に社員を休ませようという本当に“強制感”のある施策です。

また、私が以前所属していた会社では、四半期ごとに1日の「リフレッシュ休暇」、年に1度の「ブランクウィーク」(週末を絡めて、平日3日以上の休暇)を取るように言われているそうです。リフレッシュ休暇とブランクウィークも前の四半期までにいつ休むかを会社に申告することが義務ずけられていて、実際に休むと、なんとあるコーヒーショップのギフト券1000円が贈られるとのこと。休むだけでなく、休むとご褒美までもらえるというのです。
ここまでしないと日本人は休まないのか、と同じ日本人ながら滑稽に思えてきてしまいます。

他にも、有給休暇を「誕生日休暇」「家族の誕生日休暇」「ボランティア休暇」などさまざまなきっかけ(理由)を付けて取得を促す企業もあります。4月以降、どのようにして企業が“強制的に”社員を休ませるのか興味深いですね。

まとめ

ここまで書いてみて、日本人は本当に働き者で真面目だなということが分かりました。ただ、所属する企業に強制されないと休まないというのは、これはこれで課題も感じてします。今後、フリーランスや副業など、働き方の多様化が進んでいく中で、所属企業に強制されないと休めない、自分で自分の働き方もコントロールできないというのは、そのほうがかなり深刻な問題のような気がするからです。誰かに言われるから休む、残業をしない、または周りの目が気になるから休まないなど、環境に流されるままではきっとまた法改正で有給休暇の取得義務化が変更になるなどの外的環境の変化で自分の働き方を変えなければならなくなるでしょう。そうならないためにも、この働き方改革関連法案で自分に良いことは起こるかなと受け身で待つだけでなく、自分はどう変わろうかという視点でも考えていけたらと思いました。

最新情報をチェックしよう!
Advertisement
>TeamHackで、タスク管理を驚くほどラクに。

TeamHackで、タスク管理を驚くほどラクに。

TeamHackは、タスク管理とチャットが同時にできる「業務コミュニケーションのしやすさ」に特化したオンラインワークスペースです。コミュニケーションツールとタスク管理ツールを行ったり来たりして、二重に管理の手間がかかる問題をスッキリ解決します。

CTR IMG