【リスタートから独立へ】大好きな街で自分らしく働く女性美容師の物語

港町神戸に小さなヘアサロンがあります。そこはオーナーである女性美容師が30歳のときにオープンした店舗で、日々多くのリピーターに愛されています。

現在は自分の店舗を持ち、活躍している彼女ですが、一度は美容師の仕事に疑問を抱き、離れた期間がありました。それでも「好きな仕事をしたい」という思いを捨てきれず、美容師として返り咲いた彼女の物語をたどっていきたいと思います。

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美容師を志したきっかけ

彼女が美容師になろうと思ったのは、子どものころの出来事がきっかけでした。ある日、入院していた祖母のお見舞いに病院を訪れたときのことです。久しぶりに会う祖母は病気のせいですっかり弱っているように見えたといいます。

その日はたまたま美容師をしている親戚が祖母の髪をカットする日で、まだ子どもだった彼女は、親戚が祖母の髪をカットする様子を見ていました。そして、カットが終わると祖母はとても喜び、前向きな気持ちを取り戻しているように見えたそうです。

この一連の出来事を通じて、美容師の仕事はただ髪を切ることではないと知ったといいます。美容師にできるのは、だれかを可愛く(格好よく)することだけでなく、ときに人の心を喜ばせることができる。その気づきは彼女の心に残り、美容師を志すようになったのでした。

彼女にとって美容師の仕事は、だれかを元気づけて笑顔にすることだと、話してくれました。

大手サロンでの勤務を通じて感じた違和感

彼女は「美容師になる」という明確な目標をもって美容系の専門学校に進学し、専門学校卒業後には全国有数の大手サロンに入社しました。美容師を志す人ならだれもが知っている会社に入社し、彼女の美容師としてのキャリアは華々しくスタートしたかのように思えました。

もちろん、学校を卒業したばかりの彼女が大手サロンでいきなりお客様から指名をもらえるということはありません。はじめのうちはなかなか指名がもらえず、カットの機会も安定しなかったといいます。しかし、それは覚悟のうえ。焦りはあったものの、毎日できることから努力を重ねました。

その一方で、彼女は、少しずつ美容師の仕事に違和感を覚えるようになります。それはたとえば勤務時間終了後の自主トレに対してです。先輩たちに比べてまだまだスキルはかなわないと認める反面、勤務時間終了後に自主的なトレーニングを強制する空気には納得できていませんでした。

また、サロンで人気の高い先輩美容師を崇拝するような雰囲気にも、ついていけない気持ちがあったといいます。お客様のカットをしているときに新人がその様子を見ているだけではなく、片づけや雑務をするときですら、若手全員が先輩の一挙手一投足を見守るような場面もありました。

このようないくつかの違和感に対して、最後は「自分には合わない」という思いをぬぐい切れなくなり、退職の道を選んだといいます。お客様と向き合っているときには、プロとして、有名サロンの一員として、誇りと責任をもっていた分、その決断はとても難しいものでした。

そして彼女は有名サロンを退職後、一度美容師という仕事から離れることになります。

一度は離れた美容師の仕事

大手サロンを辞めた彼女は、すぐに別のサロンで働くことができませんでした。憧れを抱いていた仕事で感じた大きなギャップに、少し臆病になっていたのかもしれません。少しの間、美容師ではない接客の仕事をしながら、自分のこれまでとこれからを考えたといいます。

とはいえ、いつまでもそうしているわけにはいかないということは、彼女自身が最もよくわかっていました。そして、やはり専門学校に通って習得した知識や大手サロンで磨いたスキルを無下にしたくないという思いが強くあったそうです。

その思いに気づいてからは迷いはだんだんと消え、美容師に復帰することを決意しました。ほかの接客の仕事をしたからこそ、「自分はやっぱり美容師がしたい」という感覚を得られたといいます。

改めて美容師の仕事に戻った彼女が実感したのは、「だれかに喜んでもらえることが心から嬉しい」ということでした。一度離れたことで、自分のスキルを活かしてお客様と関われること、笑顔でお礼をいってもらえることに大きなやりがいを感じたのです。

また、リスタートしたのは、地元神戸だけで店舗展開をしているヘアサロンでした。以前勤務していた大手サロンと比べると小規模でしたが、お客様のカットをなかなか担当できないということはありません。そしてなにより、抵抗を感じてしまうような暗黙の了解もありませんでした。

復帰後はお客様の要望をかなえて、笑顔にするという美容師の仕事に、愚直にこだわって向き合うことができるようになったといいます。その後、2つ目のサロンでは店長職を任され、店舗運営や顧客獲得に関わる経験を積んだことが、彼女にとって後々非常に大きなものになります。

人に喜んでもらう仕事にやりがいを感じ、多くのお客様から支持を得られるようになった彼女は、「大切なお客様がいつも居心地よく過ごせるような空間を作りたい」と感じるようになったのです。結果として、彼女は自分の店を持つという考えを抱くようになりました。

そして迎えた30歳という節目の年に、周囲の支援を受けながら独立し、大好きな地元で自分の店舗をオープンしたのです。

それでも来た道、これから歩む道

今回のインタビューに際して、彼女は「後悔がないわけじゃない」と話してくれました。

学校を卒業したときに、もっといろいろな勉強をする方法があったのではないか。1社目を退職した後、美容師としてのキャリアを途切れさせるべきではなかったのではないか。そんなことを今でも考えてしまうそうです。

周囲からすれば「自分の店を持つ」ということは、美容師のキャリアとして、ひとつの成功をおさめているように見えてしまいますが、彼女にはそれをおごる様子はありませんでした。自分の店舗を持てたことについては、「自分はいろいろな部分で運がよかったのだと思う」といいます。

独立にあたって、自分についてきてくれたリピーターや、店舗オープン・運営に必要な支援をしてくれた家族。自分一人の力ではなく、みんなの支援があったからこそできた独立だったと語ってくれました。

そして、「今は大切なお客様とともに、店舗の5周年・10周年を迎えていくことが目標」だといいます。自分一人で作ったお店ではないからこそ、みなさんのために末永く美容師の仕事を続けていきたい。そんな思いで、今は毎日がんばっているそうです。

一度、美容師という道をそれたからこそ、自分のやりたいこと・仕事のやりがいを再確認できた女性美容師。そんな彼女が運営するヘアサロンはきっととても居心地がよく、これからも多くのお客様が足を運ぶことでしょう。

まとめ

今回は港町神戸でヘアサロンを経営する女性美容師のストーリーにフォーカスしました。毎日社会人として仕事をしていると、思い描いた仕事をできていないと感じることや、目の前の業務になんの意味があるのかわからなくなってしまうことがあります。

今回、女性美容師が語ってくれた話を聞いて感じたのは「仕事に疑問を抱いてしまったら、一度離れてもよいのかもしれない」ということです。無理して続けて、好きで志した仕事を嫌いになってしまうくらいなら、距離を置くことで見えるものや気づける思いがあるかもしれません。

実現したいキャリアは、リスタートからでもつかめるということを、女性美容師は体現してくれました。もし今、違和感をもちながら仕事をしているなら、一度少し距離を置いて仕事のこと・自分のことを考えてみてください。

それはきっと、正しいゴールへ向かう道が見えるきっかけになるでしょう。

大手サロンを辞めた女性美容師が、自分らしい働き方を見つけるまでの物語
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