年収は自然に上がる? それとも、自分で上げる?

退職や転職の季節、春。4月から夏にかけては転職が盛んになるシーズンといわれています。ボーナスをもらったと同時に会社を辞めたいと考える人が増える時期だからです。私も過去何度か「年度が終わるまでは」と我慢して、4月の新年度を迎えるとともに転職活動を始めたことがありました。実際に2度の転職経験がありますが、いずれも3月に退職して5月から新しい職場に入社しました。

ある調査によると、会社を辞めたいと思う理由の1位が「給与(年収)が少ない」だといいます。前の期の振り返りを経て、次の1年の給与やボーナス(年収)が現実的になってきたタイミングは、まさに次のステージやさらなる年収増への期待を馳せる機会なのかもしれません。

とはいえ、転職をすれば給料が上がるかといえば、そう簡単な話ではありません。転職支援会社の発表しているデータによると、転職者の半数程度は年収が上がっているという結果になっているようですが、逆にいうと2人に1人しか上がっていないという事実。さらには、上がっているのは第二新卒と言われるような20代前半の若手がほとんどです。では、転職以外でどのように年収は上げれば良いのでしょうか? 転職シーズンの前に、日本の年収(賃金)体系について書いてみたいと思います。

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この20年間、個人の賃金は上がっていないという悲劇

厚生労働省のデータを見ると、日本はこの20年間で経済成長率は上がっているにも関わらず、賃金上昇率はマイナスとなっています。バブル期から90年代にかけて毎年、賃金は増加していました。確かにその頃は物価も年々上がっていたのを思い出します。お小遣いで買うポテトチップスが100円から110円になったり、30円のアイスが50円になったりしたことに、ショックを受けていたものです。それが、1995年から賃金はほぼ上がらないものになってしまったのです。

大卒の初任給もこの20年程度、ほぼ横ばい。私自身もちょうど20年のキャリアがありますが、現在に至るまで賃金はそれほど目覚ましく変わっていません。20代の頃はそれなりに上がっていきましたが、30歳で出産をしてからは時短勤務になってしまったので、新卒の頃よりも月々の手取りは逆に少ない状況が続きました。

このような状況を見ると、年収はずっとこのままなの? と気持ちが暗くなりそうですが、実際のところはどうなのでしょうか。

報酬制度も多様化 自分に合ったタイプはどれ?

誰もがより高い年収を目指したいものですが、終身雇用や年功序列が当たり前ではなくなったいま、評価・報酬制度も各社さまざまになってきました。従業員の給与について、誠実かつユニークに決めている会社を見てみましょう。

某外食産業

ある外食産業の企業では、2018年度にベア5%、評価や昇格による昇給も含めて平均 6.4%の賃上げを実現していました。この会社では、年2回の会議で、社長の「○%アップ」という鶴の一声で給与や賞与の上げ幅を決定しているそうです。「給与は上がっていく。だから安心して長く働いてほしい」という社員へのメッセージが込められていると言います。

外食産業といえば、離職率の高さや賃金水準の低さなどが有名で離職率も高い業界。そんな中、同社は待遇を良くして、日本一働きたい外食企業になることを目指しているといいます。このような会社なら年収が不満で辞めるなんて人はいないのかもしれません。

外資系企業

実力主義といえば外資系。「Pay for performance」つまり、実績によって年収に差があるのと同時に、透明性も重要視されるといいます。社員は、みんな自分がどれくらいの年収レベルか、次のグレードに上がると給与・賞与はどのくらいになるのかがオープンになっているのが一般的。外資系は日本よりはるかに流動が激しいため、「この会社にいたい」というモチベーションを高めるための仕組みが整っているようです。

確かに、日本以外の国では、働く上で賃金がとても重要視されているように思います。どの国も、どの企業も、他社に負けない賃金を提示します。逆に、提示された賃金に不満があると、ホイホイ転職するのが当たり前です。

某ITシステム企業

この会社の方針は、 社員全員に対して情報をすべてオープンにすること。給与も例外ではなく、業務委託を含むメンバー全員の給与をオープンにしているというから驚きです。しかも、その給与もチームによる話し合いで決めるそうです。実力給を決めるための会議を半年に1回開き、全員で一人の給与について議論するのだとか。

このような、全員で話し合って一人ひとりの給与を決めるという会社は最近では決して珍しくなく、ベンチャーを中心に導入されている仕組みのようです。

この他にも、初任給といえば一律同じ金額であったのが少し前までは常識でしたが、IT業界のエンジニアを中心に年収1000万円などの破格の金額を提示するなどといったこともニュースになることも。どれも珍しい制度のように感じますが、報酬制度がどんどん多様化してきている証拠です。

さまざまな報酬制度があるからこそ、一概に年収の高さだけを考えるよりも、どういった制度やカルチャーが自分の働く感に合っているかというのを見極めるのが重要なのかなと思います。満足度高く、モチベーション高く働くためには切っても切り離せない年収。自分の働く志向性と照らし合わせて、自分にあった仕組みを見つけていきたいものですね。

自分の年収は、どう上げる?

日本の一律、年功序列や終身雇用であった時代は終わり、各社によって評価・報酬制度がさまざまになってきていることがわかりました。外資系のように実績に応じた報酬制度になれば、年収は「年齢とともに上がる」ものではなくなるでしょう。つまり、20代がもっとも年収が高く、以降はどんどん下がっていく会社なども出てきそうです。

一社に勤めてさえいれば年齢とともに自然に年収が上がっていくという時代ではなくなるいま、どうやって年収を増やすかは、個々人のパフォーマンスにかかっています。例えば、副業やパラレルワークなど、働き方の工夫が年収アップには欠かせなくなるかもしれません。報酬は自然と上がるものではなく、自らの手で上げていくというスタンスです。

自身の能力を活かす場所を所属企業以外にも見つけ、アウトプットに見合った報酬を得る。こうした自分自身の働くスタイルを見つけることで、キャリアの幅を広げるだけでなく、報酬アップにつなげていけると良いですね。

まとめ

年収が上がらないといったネガティブな表現になってしまいましたが、日本の制度でもっとも素晴らしいとも言えるのは、解雇規制だと思います。「明日から会社来なくていい」などといきなり上司から言われることは、いまの日本ではほとんどありません。急にクビになるリスク、それはそれでかなりのストレスでしょう。日本の正社員はそうとう守られた存在なのです。外資系の多くは、いつクビになるか分からない恐怖があるのですから、年収水準がそれなりに高くなるのも頷けます。どちらかが優れている制度というわけではなく、重要なのは自分に合った制度かどうかということです。

もし副業やパラレルワークでフリーランスとしても活動する機会を持てば、まさにそれは「Pay for performance」。働いた分だけ収入を得ることができるものの、いつ契約がなくなるか分からない仕事ばかりです。所属する一企業だけで仕事をすると、賃金の仕組みも画一的で他の仕組みを経験する機会もなかなか得られませんので、まずは変わりゆく多様な報酬体系に向けて、副業・フリーランスなどから経験してみてはいかがでしょうか。

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