就活生と企業、双方にとってのU・Iターン!近年生まれた新しいかたちとは?

就活をしていると、たびたび見かける「U・Iターン」という言葉。この記事ではUターンとIターンがそもそも何なのかを説明するとともに、近年新たに生まれたU・Iターンの考え方について紹介します。

就活生側・企業側、双方にとってどう位置づけられているものなのか。また、実際にあった事例をまとめていきます。

Uターン・Iターンとは?

Uターン・Iターンとは、「Uターン」と「Iターン」をまとめたもので、就職や転職をきっかけに都市部から地方に移住することをいいます。動きの流れとしては、それぞれに下記のような形です。

「Uターン」

地元→都市部→地元

<例>進学を気に鳥取から関東へ移り住み、新卒として就職する際に鳥取へ戻った。

「Iターン」

都市部→地方

<例>生まれも育ちも東京で、大学卒業後も都内で仕事をしていたが、長年沖縄への憧れがあり、社会人5年目に移住を決意・実行した。

上記のように、U・Iターンとは都市部から地方へ移り住むことを指し、地方創生や東京一極集中緩和を目指す政府の方針とあいまって、近年注目を集めています。

株式会社マイナビが2019年5月に発表した「2020年卒 マイナビ大学生Uターン・地元就職に関する調査」によると、2019年新卒のうち「地元で就職したい」と考えている人の割合は全体で50.8%でした。

また、進学先別の志望度を見ると地元に進学した人は71.7%、地元外に進学した人のうち33.8%がそれぞれ地元での就職を希望しています。このデータを見ただけでは、Uターン就職を希望する人の割合は多いとはいえません。

この調査では、地元外進学者で地元での就活を考える2020年卒の学生に、「地元就職で障害を感じていること」も質問しています。その結果、「地元までの交通費(26.0%)」と答えた人が最も多く、以下5位までは下記の通りになりました。

Q : 地元就職で障害に感じていること
1位地元までの交通費(26.0%)
2位地元までの距離・時間(14.4%)
3位やりたい仕事がない(13.3%)
4位 地元企業の数が少ない(10.8%)
5位 地元企業の情報不足

このうち、就活の費用や距離・時間に関わる部分は、近年の採用活動の変化によって是正される傾向にあります。地元の仕事に対する情報不足という点を解決し、就活生と地元との距離を近づける動きについては次章で紹介します。

就活生が地元就職しやすくなる傾向

地方就職を後押しするのは、対面面接にこだわらない企業が増えていることと、各地方の情報サイトの盛り上がりです。

まず、対面面接についてですが、近年多くの企業がリモートでの採用活動に力をいれています。電話面接やビデオ面接によって求職者の見極めをする企業が増えているなか、SNSでのビデオ通話を活用する企業も少なくありません。

このような動きがさらに広まれば、これまで面接を受けるためにかかっていた時間やお金は大幅に軽減されるでしょう。「面接を受けたいけれど、時間的にも金銭的にも負担が大きい」と感じる場合には、企業にリモートで面接を受けられないかどうかを確認する方法もあります。

また、地元企業の情報を入手しにくいと感じているのであれば、地方での就職を支援する情報サイトを活用してみてください。地元企業の意外な一面を知ることができるかもしれません。

  • LO活(Local+就活)

厚生労働省の「地方人材還流促進事業」に位置づけられている情報サイト。社会人が地方で自分らしい働き方を見つけるためのサポートを行っている。
https://local-syukatsu.mhlw.go.jp/

  • glow

「地方の優良企業」と「地方で働きたい人・活躍したい人」とのマッチングサイト。希望勤務地はもちろんのこと、さまざまな条件で地方の仕事を探すことができる。
https://glclwork.com/

  • キャリタス就活2020

新卒向け就活情報サイトの地元就職、およびU・Iターン特化ページ。各エリアの就職フェアや県知事のインタビューなど、仕事探し以外のコンテンツも豊富。
https://job.career-tasu.jp/2020/features/area/

企業にとってのメリット

一方で企業にとって、U・Iターンにはどのようなメリットがあるのでしょうか。明確な理由は下記の2点です。

  • 新しい母集団の獲得
  • 質の高い就職希望者との接点獲得

地方はそもそも学生の総数が少ないことは否めません。進学を期に地方から流出した若手人材を地方に呼び戻すには、最初の就職時が最も大きなチャンスです。このような状況に対して、今後U・Iターンの促進をはかる企業が増えてくることが期待できます。

学生側の理由として紹介したリモート面接の促進に加えて、面接時の交通費を負担したり、お盆や年末の帰省時に面接を実施するなど企業側が配慮をすれば、学生はもっと気軽に地方就職を希望できるようになるでしょう。

また、手間とお金がかかる地元就職を希望し、アクションを起こす学生の意欲は高い傾向にあります。地方に住んでいて、ただ「近いから」という理由だけで選考を受けに来る学生よりも期待が持てるはずです。

妥協して働こうとする、意欲が高くない人材を採用するくらいなら、多少の手間とコストをかけてでも「地元に帰って働きたい」と明確な希望を持っている学生を採用したほうが、自社と地域の活性化につながるでしょう。

このような点に気づいた企業から積極的にU・Iターン希望者を受け入れ始めています。

新しいU・Iターンのかたち

株式会社リクルートキャリアは「2019年トレンド予測」という資料の中で「就域」という考え方を掲げました。同社は「今後、地域での就職は1社と1人ではなく、地域コミュニティとU・Iターンを希望する学生集団との関係構築へと変わっていく」と説明しています。

これまで母数の少ないU・Iターン希望者を取り合っていた地域の企業ですが、今後は共同で学生にアプローチし、人材を囲い込む動きが有効だといいます。また、この資料のなかでは実際に、「就域」のアプローチを実践し、成果を残した2つのエリアが紹介されています。

事例1. 但馬(兵庫県豊岡市、養父市、朝来市、香美町、新温泉町)

但馬地区で行われたのは人事と新卒者、双方の間に横のつながりを作ることでした。人事情報共有会の発足や合同キャリア開発研修を実施するなかで、相互理解を深めていったといいます。

ある企業の人事担当者は就域の考え方についてのインタビューの中で、「まずは地域の魅力を伝えること」、そして「自社の説明だけでは不十分な場合には同じ地域の他社を紹介する」と語っています。

また、U・Iターンで就職した若手社員からは「会社で町のためにという言葉を聞く機会が多い」という声もあがりました。U・Iターン希望者を企業間で取り合うのではなく、地域全体で受け入れるということが体現されている事例といえるでしょう。

事例2. 十勝(北海道帯広市)

十勝エリアの「就域」が目指したのは、学生のニーズを点ではなく、面で受け止めることでした。合同就職フェアや合同内定式を実施し、就活の最初から最後まで、地方の企業同士が協力して学生を十勝に呼び寄せたのです。

企業の人事担当者は「2011年頃には200人だったフェア参加者が直近では60人程度」と苦しい状況を語りながら「十勝のどこかの企業に学生が勤めてくれれば」と就域に対する考えを語っています。

また、 Uターンで十勝に帰った若手社員は「休日は同期の社員と遊ぶことが多い」と言います。さらに、就職活動を通じて、別の会社の同期とも連絡先を交換したそうです。地域の企業が結束して学生を受け入れる過程で、学生の間にも絆が生まれたことがうかがえます。

地方移住支援によるIターン推進

地元就職のUターンとは違い、拠点を持たない地方への就職となるIターンでは、地方での就職・転職活動の難易度が高くなる傾向があります。そのようなネックを解決するため、近年では都内に地方移住窓口を設ける自治体も増えてきています。

たとえば、宮城県と山梨県はともに千代田区有楽町に、それぞれ「みやぎ移住サポートセンター」、「やまなし暮らし支援センター」という相談窓口を設けています。これにより、東京にいながらにして、各地の生活や仕事の情報を得られるようになりました。

また、長野県をはじめとする多くの自治体では県内の空き家を紹介するサービスを提供。新しい土地での生活スタートを支援しています。さらに茨城県では、「いばらきふるさと県民」という移住検討者の優待制度を設け、土地への愛着を持ってもらおうと試みています。

このようにIターン就職についても近年多くの自治体が力をいれ、都会から地方へと人が動きやすい状況が生まれつつあります。

まとめ

就職活動を通じて耳にする「U・Iターン」という言葉は、地元に帰って就職したいと考える就活生や都会に疲れてしまった転職希望者にとって頼もしいものです。興味をお持ちの方は、まずは積極的に情報収集を行い、ぜひアクションを起こしてみてください。

近年は地域全体で就職希望者を受け入れる動きもあります。企業とのつながりはもちろん、地方で働くことを希望する者同士のつながりが生まれるという面でも、良い刺激になるでしょう。

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