人材育成環境の変化に気づいてる?そのやり方、時代遅れかも!

人が成長するための環境が変わりつつあることをあなたは感じていますか。

近年の働き方改革によって、プレミアムフライデーやノー残業デーが少しずつ進んでいます。しかし、仕事の量自体は減っていないので、社会は生産効率の向上に目を向け始めています。生産効率の向上で重要になってくるのが優秀な人材の育成です。

人材育成環境、というと堅苦しいかもしれません。本稿ではビジネスにおける人材育成だけでなく、教育現場やスポーツなど、人が成長していく環境のことを幅広く見ていき、そしてそれがもたらす社会への影響はどのようなものなのか、事例を挙げながら考えていこうと思います。

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人材育成環境の変化とは


人材育成環境、と言われてあなたはどのようなことを思い浮かべるでしょうか。「OJT」(On the Job Training)や「Off-JT」(Off the Job Training)などの企業のビジネスにおける人材育成を思い浮かべる人もいれば、外部研修やスクールなどを思い浮かべる人もいるかもしれません。

しかし、先ほど述べた通り本稿の人材育成環境は「人が成長する環境」であり、ビジネスだけでなく教育やスポーツも含みます。そしてそこでは近年変化が起きているのです。

なぜ人材育成環境が変化しているのか

そもそもなぜ近年人材育成環境が変化しているのでしょうか。

一言で言ってしまえば時代が変化しているからでしょう。現在、第四次産業革命によって技術力が格段に上がり、時代は目まぐるしいほどのスピードで変化しています。時代が変化しているからこそ人材育成環境もそれに伴い変化しなければならないのです。

企業では、トヨタ自動車株式会社社長の豊田章男の「雇用を続ける企業などへのインセンティブがもう少し出てこないと終身雇用は難しい」という発言からも考えられる通り終身雇用制度や年功序列制度の終わりが見え始めています。加えて「インセンティブがもう少し出てこないと」という言葉を考えると、より優秀で企業に利益をもたらしてくれる人材が重要視されてくるのは明白です。

こうした時代の変化の一方で、株式会社サイバーエージェントの「新卒社長」などを筆頭に、ミレニアル世代の管理職育成が重要視されてきています。ミレニアル世代は、仕事に対して意味や目的を求めたり、フレキシブルな働き方などを重視するなど、今までの世代とは少し違った働き方の目線を持っています。>>ミレニアル世代の3つの特徴から社内コミュニケーションの重要性について考える

また、スポーツの現場や教育現場でも時代の変化が見られます。

二世代前までは殴るなどの体罰も当たり前の時代でしたが、今ではそんなこと考えられません。過度なトレーニングや詰め込み教育などは時代遅れになってきていると言って間違いないでしょう。その背景には家族の在り方の変化や世間の教育に対する価値観の変化などがあり、それらよって、人材育成環境も変化しているのだと考えられます。

吉本隆明から学ぶ時代の変化

先ほど第四次産業革命の話題を取り上げましたが、これまですべての産業革命において仕事の作業効率は向上しています。そのたびに人々の働き方には変化が起こり、そのたびに人材育成環境も変化しているのです。

『共同幻想論』『言語にとって美とはなにか』などの著書を残し、「戦後思想界の巨人」と呼ばれた思想家の吉本隆明(1924~2012)は、生前さまざまなことについて論じていました。

吉本は1990年頃の設備投資による労働者の作業効率化について、働き方の観点からこのように語っています。

労働者の方で、うまくコントロールすれば、いままで1日8時間働いていたのが、1日3時間で済むんだからっていうふうに、そういうふうにコントロールできますけど、そう機械的にいきませんから、1時間働いて、ほんとは従来の5時間ぐらい働いたことになっているんだけど、物足りなくて、やっぱり8時間働いちゃうっていうようなことはありうるわけなんで、その手の混乱っていうのは、さまざまなかたちで出てくるんじゃないかっていうふうに思われます。


「吉本隆明の183の講演」(https://www.1101.com/yoshimoto_voice/)から引用

もちろん設備投資によって作業効率は上がり、1990年頃から労働者の習慣労働時間は下降傾向にありました。しかし1日に3時間だけ働くような人は現れませんでした。以前の8時間分の労働が3時間分の労働で済むようになったにも関わらず、です。
そのような働く環境の変化が、現代の日本にも起きようとしているのです。AIなどの人工知能の台頭によって、仕事がAIに奪われるという話ももう驚くような話ではなくなりました。そういった変化に対応するためにも、人材育成環境の変化は必然であると言えるでしょう。

スポーツにおける環境の変化

従来スポーツの現場では、「とにかく走る」、「とにかく練習する」といった、「根性論」的な教育が一般的であったように感じますが、現在ではそういった教育は古いとされ、変化が見られています。
ここでは元プロテニス選手として活躍し、現在コーチだけでなくメディア活動などでも有名な松岡修造と、プロ卓球選手として活躍している水谷隼選手を例に見ていきたいと思います。

松岡修造のイメージは、「アツい」「やればできる」といったような「根性論」的なイメージがあると思います。しかし、意外にも彼はそういった「根性論」的な育成に否定的です。

テレビでは泣きながら走っているジュニアに追いこみをかけるような場面がピックアップされがちですが、メンタルトレーナーと相談しながら、その子の性格や家庭環境なども考慮してかなり計算をしたうえで行っています。具体的な方法論がないまま「がんばれ」と言うだけで、できるわけない。根拠や理論に裏打ちされていない根性論は一番嫌いです。


「GOETHE」(https://goetheweb.jp/person/slug-n5124c81db5c7)より引用

滝川クリスタルとの対談の中で松岡はこのように語っています。実際に彼がコーチングをするときは「目標シート」と呼ばれるものを利用し、何をどれくらいやればいいのかという技術的な目標から、人の役に立つことをするといったメンタル的な目標を立てさせるといいます。

また、水谷隼選手はNHK BS1で放送された「Why?強くなった?卓球ニッポン」で、「日本人コーチは精神論が多い」と語りました。
日本人コーチは集中しろとか、強気で行けといった精神論、根性論が多く、中国人コーチはフォアできたらこう返してあそこを狙えといった具体的なアドバイスをしてくれるのだと言います。

水谷の事例を見ると、人材育成という観点で見ると日本はすでに中国などの海外に後れを取っているのかもしれません。
このように、スポーツの現場では「根性論」的な育成ではなく、「論理」的な育成方法が主流になっていくと思われます。

人材育成環境の変化は社会にどのような影響を与えるのか


時代の変化による人材育成環境の変化が社会に与える影響はどのようなものがあるでしょうか。
以下の考えられる3つの影響から考察していきます。

  • 生産効率が上がる
  • 論理的思考力が必要になる
  • 教育側のレベル向上が求められる

生産効率が上がる

本稿の導入でも少し触れましたが、人材育成の環境の変化によって優秀な人材を育成することができます。優秀な人材を育成することによって生産効率が上がり、プレミアムフライデーやノー残業デーといった働き方改革やワークライフバランスの実現をすることができるでしょう。

論理的思考力が必要となる

育成の仕方が「根性論」的から「論理」的になり始めていることを取り上げました。そこで教育する側、教育される側のどちらにも論理的に物事を考える能力が必要になってきます。2020年から小学校でのプログラミング学習の必修化から見ても、論理的思考力が今後必要になってくることは明白です。
捕捉になりますが、小学校でのプログラミング学習の必修化の狙いは「コンピュータの基本スキルの獲得」と、「論理的思考力を高める」ことです。

教育側のレベル向上が求められる

論理的思考力が必要となるということにも関係してきますが、教育側のレベル向上が求められます。現在、従来の「根性論」的育成環境で育った人が教育側の立場にいることが多いのではないでしょうか。そういった人たちは変化を嫌う、保守的傾向が見られます。しかし、時代の変化とともに人材育成環境も変化しているので、そこで教育する人にも変化がなければ優秀な人材は育っていかないでしょう。>>新人教育に欠かせないコーチング的コミュニケーションスキル-マインドセット編-

まとめ

ここまで、人材育成環境の変化について広い視点を持って考察してきました。

これからの時代において、「根性論」的育成は古いものとなりました。「論理」的な育成が重要視されていく中で、教育する側、教育される側の論理的思考力が大切になっていきます。それはスポーツ、企業の場関係なくそうなっていくと思われます。

その上で、特に教育する側は古い価値観を捨て、時代に合った教育ができるように自分自身が変化することが重要であると言えます。

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