【Re:】20代の若者から見た、HRテックとは??

連載企画の「シゴトノコトゴト」。第2回目はHRテック業界について、AIやビッグデータなどのテクノロジーの急伸により従来の人事業務がどう変わり、現在どのようなサービスが展開されているのかなど見ていきました。

本稿では、HR分野で急成長を続けるHRテクノロジーの事例と今後の発展について20代の本音を述べていきます。

2019年、HRテック業界が台頭

最近、ビズリーチやエン・ジャパンなどのHRテック企業のCMを頻繁に見かけるようになりました。特にテレビCMでは、人材選びに特化したHRテック企業の広告が流れています。HRテックがカバーするのは、人材確保の採用分野だけではなく、労務、組織開発などさまざまな人事領域です。海外では数年前からこのHRテック業界が広く認知されるようになり、多くの企業に導入されました。しかしながら、日本においては本年度(2019)が普及元年であると言われています。

世界では既に広く知られるこの業界が、これまで日本では普及・浸透しなかったのはどうしてでしょうか?

製造業の国、日本

はじめに、日本で普及してこなかった背景について、HRテックを展開する株式会社カオナビの柳橋氏は以下のような見解を示しています。

日本は製造業の国として発展してきた歴史があり、それぞれの個の能力を引き出すより、社員の稼働率を引き上げることを重視してきた」

「24時間働けますか。」という栄養ドリンクのキャッチコピーが流行語になった年があるように、日本はどの国よりも労働時間が長く、会社という組織のために従業員が身を削り働いてきた歴史があります。長い間、製造業的な管理での成功体験が日系企業に根付いていたことが参入障壁となり、HRテック業界がなかなか浸透してこなかったのです。

HRテックが注目されているのは、なぜ?

先日、産経新聞に日本総人口が8年連続で減少しているという内容の記事が取り上げられました。下図を見ると、2007年をピークに翌年からは下降の一途をたどってることがわかります。この人口減少に伴って年々働き手の数も少なくなっており、企業側が人集めに苦労している現状が、HRテック業界の注目を集めている大きな要因になっていたのです。

平成以降の日本の総人口を棒グラフで表示。

これまでも、たびたび少子高齢化社会の到来で労働人口が減少することについて議論されていましたが、ここ最近の数値でその傾向が顕著になって表れました。労働力確保の対応に追われる企業が導入し始めたことで、HRテックの市場規模が拡大しています。

採用担当はペッパー君です

いくつかある人事業務のなかでも、大事な業務が採用です。この先、就職活動を行なう中で、希望先の企業がHRテックを使用していることが自然になり、皆によく知られているAI「ペッパー君」が面接官として採用活動をしているかもしれません。

以前、私はHRテックを使用した録画面接を受けたことがあります。これまでの面接とは違い、以下のようなメリットを実感しました。

  1. 何度か撮り直しが可能である
  2. 自分の予定に合わせて面接に臨むことができる

それでも、相手の反応が見えないデメリットがあり、自分の想いを十分に伝えられているとは思えませんでした。

実際にこの面接を受けてみると、上記のメリットを感じることができる一方で、機械に判断されてしまうことから違和感を感じ、なんとなく苦手意識に近いような感覚を覚えるはずです。

もし仮に100%機械が採用を行なうのであれば、こうした形の面接が苦手な人を締め出すことになりかねないし、その中に優秀な人材がいたら企業側は獲得できるチャンスを逃すことになります。

面接を担当するペッパー君。

そうは言っても、これまでの採用方法にテクノロジーを活用することで、次のようなことが期待されています。

「従来の属人的で主観や印象に左右されるような不確実な情報よりも、ビッグデータなどを用いた正確なデータから人材を選別していくことが可能になる」

また、その結果として優秀な人材の確保につなげることができると見込まれているのです。加えて、働き方改革を進めている日本では、リモートワークなどの場所や時間に制限されない新たな働き方を推奨しており、クラウドで一元的に管理できるテクノロジーが用いられているHRテックがその実現に一役買ってくれるという見方もされています。

すべてをテクノロジーに頼ってもいいですか?

最近、リクルートキャリアによる就活生の内定辞退率を予測したデータ販売が問題になったことを覚えているでしょうか? AIで予測した就活生の個人データを無断で企業に販売したことが問題となりました。ほとんどの就活生がリクナビやマイナビなどの媒体を通じて就活を行なっており、学生の身近にもHRテックが存在していることに改めて気づかされました。

今回の例だと、企業側がAさんはB社から内定をもらっても80%の確率で辞退するという予測を購入したデータから知ることによって、40%の辞退確率の候補者よりも不利な立場になる恐れがあります。

テクノロジーの発展による「変化」はますます増えていくと思いますが、機械が人をコントロールしている未来の可能性を感じさせられるようなニュースになりました。

スマートフォンを手に取る。

普段、私はマップ機能を使用し、支払いをするにもスマートフォン決済です。ほぼすべてのシチュエーションでスマートフォンが必要不可欠なものになっています。HRテックも未来で同様な存在になっていると考えたとき、個人、さらには、社会レベルでテクノロジーに対する向き合い方を考えなければいけない可能性があります。

HRテックをどう見ますか?

改めてリクルートキャリアの問題を見ると、HRテックの普及による今後が気になるところです。

HRテックが利用されている利点は、先述したようにこれまでの勘や経験などの不確かな部分よりも正確なデータに基づいているため公平さを保つことができることです。しかし、

  • AIによるデータ分析は既存のデータから行なわれるため、既存の枠を大きく超えるような型破りの優秀な応募者がいた場合にはどうなるのでしょうか?
  • 似たような人ばかりを採用して、多様性が失われることにならないのでしょうか?

何事もそうですが、ある課題を解決したら、そこから新たな課題が生まれます。本稿で取り上げた事例を当てはめると、予測データを購入することで企業側は内定辞退者数を減らすことができます。ですが、予測データ上では辞退率が高い就活生でも内定を承諾することは十分に考えられます。

一見馴染みのないように感じる業界でも、就職活動など私たちの身近なところで使用されていることがわかりました。深刻化している人口減少を背景に、HRテックは今後ますます身近に存在するものとなるでしょう。          

テクノロジーに依存し、翻弄されるのではなく、仕事を手伝うアシスタントとして認識することが大切なのかもしれません。    

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