チーム
2018.05.18

正しいアラートの上げ方 – インシデント対応と報告の処方箋 2 連載10回目

インシデント発生時、PM PLはどう対処すべきか

チームメンバーからインシデントの報告を受け取ったとき、PM PLはどう対処すべきかについて、リーダーシップという観点から取り上げてみたいと思います。

前回の記事は、「正しいアラートの上げ方 – インシデント対応と報告の処方箋 1 連載9回目

初報を受け取ったら

初報を受け取った際、必ず複数人で対応するようにしましょう。比較的トラブルシュートに強いメンバーか、メンター的なメンバーを最低1人、インシデント当事者とペアを組ませるようにします。また、彼らが別のタスクを持っていた場合、途中から引き継ぐメンバーを指名するか、スケジュールに余裕がある場合は手を止めてもらいます。

関係各所への連絡

インシデント発生の事実を、発生時刻、発生内容と現在対応中(対応を開始した)であることと謝罪を顧客や関係各所へ初報として連絡します。仮に、その後自チームメンバーに非がなかったとしても、お客様にしてみれば最初から言い訳を聞きたいわけではありません。

インシデント発生の初報を受け取った顧客がまず興味をもつのは

  • 業務影響はどの程度か
  • いつ復旧するのか
  • 直接または間接原因

です。詳細な時系列や再発防止策にも勿論興味をもっているのですが、これは終報の際に触れるべき内容ですので、まずはトラブルシュートに専念しましょう。

メンバーのフォロー

顧客や関係各所に初報を終えてからも対応が続いていれば、時々メンバーのフォローを行います。ただし、対応中のメンバーは対応に専念してもらい、ペアのもう1人に声をかけるようにします。
また、いくら顧客からせっつかれていても、対応当事者のメンバーに「まだ復旧しないの?」というプレッシャーをかけるのはよくありません。「あなたの見立てではあとどのくらい作業が残っている?」という聞き方をすることで、おおよその復旧時刻の予測をたてるのは、リーダーが行なうべきです。

ただし、「データの流し込みに時間がかかる」「過去事例がない障害」などの理由で時間が読めないケースもあります。こうした不確定要素は、決して埋もれさせず、都度進捗をモニタリングしましょう。

顧客へのフォロー

メンバーへのフォロー同様、顧客へのフォローも忘れてはいけません。初報から一切連絡をしない、というのは、顧客の立場になってみれば物凄く不安なものです。進捗がない、あるいは待ちの時間があるという理由であっても、先手を打ってこちらから連絡を入れるというのは、顧客の不安を払拭するという意味において非常に有効です。
仮に、原因が不明であり進捗がない、という場合でも、原因特定のためにいくつかの想定から絞り込みを行なっている場合、何かしらの絞り込みができていれば、その途中経過の報告でも構いません。

また、顧客へのフォローは必ず責任者が行なうようにします。

  • 顧客の立場からすれば、責任ある者からの報告が欲しい
  • 障害対応者は対応に専念させたい

これら2つの理由が主な理由です。

インシデントが解決したら

インシデントが解決したら、顧客への障害報告書を作成します。同時に、チーム内で必ず振り返りを行ないましょう。障害報告書の書き方にも通じることですが、次の観点で行ないましょう。

  • 直接原因の分析
     →「誰が」ではなく「何が」という観点で分析する
  • 再発防止策の検討
     →「チームの仕組み」による防止策と「個人のスキルや気付き」による防止策
     →再発防止策コストの検討
      ・今回かかったコストはどの程度か
      ・本来誰が負担するべきコストなのか
     →再発防止策の習慣化を検討
      ・無理なくできるか
      ・形骸化しないか

あくまで、個人が萎縮することのない、チームで実行可能なプランをたてるべき、という観点でリストアップしました。

また、何かしらのインシデントが発生した場合によくありがちなのは、「弊社が悪いのだから」というペナルティ意識が働いて、インシデント対応コストや今後のインシデント防止にかかるコストを顧客に請求できず、再発防止策のためにチームが疲弊したり、逆にコスト増を嫌うあまり実効力の及ばない形骸化した再発防止策ができてしまったりすることです。なかなかすべてを満足させるのは難しいですが、見えないコストをメンバーに押し付けることのないようにだけはしたいものです。

≫Next…「大規模プロジェクトを成功させるために、プロジェクトにPMOを設置することのメリット」

まとめ

•インシデント発生時、リーダーは当事者の他に必ず複数名のメンバーを対応にあたらせること。
•関係各所への連絡は、憶測や希望を挟まず今わかっている事実のみで行うこと。再発防止策で「できない約束」をしないこと。
•メンバーへのフォローは、決してメンバーを圧迫しないように行なうこと。
•顧客へのフォローはあくまでリーダーが矢面に立って定期的に行なうこと。
•インシデントが解決したら、現実的な解法をベースに振り返りを行なうこと。

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