「社会人基礎力」を利用してメンバーの力を最大限に引き出すためには?

社会人としての基礎的な能力をより早い段階から育むことができる、その名も「社会人基礎力」。この政策は経済産業省が2006年に提唱し、大学のみならず多くの企業がこの施策を活用、採用・人材育成の場で生きたものとしてきました。そんな「社会人基礎力」が巷に展開されてから、はや10年超。当時は大学生または新入社員としてこの基礎力の薫陶を受けた方々も、いよいよ駆け出しのマネジメント世代になったようです。
ともに働くチームのメンバーに備えてほしい社会人の基礎力、バランス良く引き出せていますか。そしてうまく伸ばせていますか?

「あのときの対応は失敗だったなあ…」

「部下の社会人力? それどころじゃないですよ」
日頃の実務をこなすので精一杯のプレイングマネージャーのそんな声も多いと思います。ま、これを10年目のちょうどよい機会ととらえて、チームマネジメントに生かしてはどうでしょう。チームがパフォーマンスを発揮するためには、チームを上手に維持することこそ先決です。そのためにはメンバーに備わっている力をうまく引き出すことが肝要ですよね。メンバー個人の能力やキャラクターを十分に理解して、それが伸びる機会を与えてやればいい。とはいってみても、一人ひとりに確認して回るわけにもいかないでしょう。「○○さんの秀でた力って何だったっけ」なんて。

そこで思い出してほしいのです。
メンバーとのコミュニケーションを。あ、あのときの対応は失敗だったなあ。こんなことありませんでしたか? 彼/彼女のキャラや能力を把握していれば、あんな対応はしなかったはず。たとえば…。

慌ただしい時間が過ぎて、ようやく集中し始めたとたん、相談が…。

今日は朝から会議が続き、そのあと想定外の来客2件。自分の仕事をまったく始められない。
(これじゃ今日も進展なしだよ。焦るよなあ。)
それでも午後3時をまわろうとしていたころ、ようやく机に座ることができた。
(さあ昨日の続き続き、と。)30分経過。

「さっきの取引先の人、うちの課題ちゃんと理解してくれたのかな。」
自分と一緒に対応してくれた足立の声がするが、せっかく集中しはじめたところだったので、軽く無視。

「どうもあやしいんだよな、もう1回アポとってみようかな。でも僕じゃあの人、動かないだろうなあ。」
「俺にもう一度やらせるわけ? 別に向こうも乗り気じゃなさそうだったからいいじゃない、このままで。」
もし足立の言うこと素直に聞いていたら、いまやってる業務、土日に家でやるしかない。

「こう言えば、きっと関わらざるを得ないと思うんですよね。」
(なに意味深なこと言ってんの?)足立はニヤついた顔で俺を眺めながら語り始めたが…。
「頼むから、この俺を巻き込まないでくれぇ。やっと集中しはじめたところなんだよ!

わかってねえなあ、ま、新人だから。

1週間後。そして今日も何もできない、自分のこと。もう4時を過ぎた…。
(よし、少しでも遅れを取り戻すぞ。)
デスクワークに取りかかり、1時間が過ぎた頃。

「さっきの取引先の提案、うちの課題と少しずれてましたけど、うちのほうで焦点を合わせてあげれば効果的な切り口になりそうですよね。」新人の板橋が言う。
「え? なんでうちが相手に合わせるの?」(わかってねえなあ。)
「あ、そうですね。たしかに私たちとは立場が違いますよね。」
「板橋さん、そんな修正の時間があったら他の作業に使おうよ。」
「はい、わかりました。」

分別があるって大事だなと一瞬だけ思い、仕掛かりの作業に急いで復帰したのだった。

他人に働きかけて巻き込む力、意見の違いや立場の違いを理解する力

さて、みなさんが新人だったとき、上司はみなさんの社会人基礎力をいかにして評価していたんでしょうね。それはさておき、足立さんと板橋さん、それぞれの基礎力の特長をあらためて以下に。

足立さんの基礎力として十分に備わっていたのは「働きかけ力」です。
彼はつねに効果的に人を巻き込むことを念頭に置いているタイプに違いありません。邪魔をしたくてあなたに話しかけたわけでは決してない。躊躇することを明確な目的意識で乗り越え、忙しそうにしているあなたに話を振る。そして消極的な取引先に対しても、アイデアを駆使して巻き込もうとしていく。そういう足立さんがまた同じような発言をしたとき、あなたはどんなに焦っていたとしても、次こそこう言うでしょう。「確かにいまがそのタイミングかもね。俺もあとから加わるから、まずは一人でやってみなよ」。

いっぽうの板橋さん。「柔軟性」がとても豊かな方でしたね。
新人だから業界のことをわかってないのは当然です。しかし、立場の違いによる問題を自らの調整で解決しようとする柔軟性に早く気づき、それを優先できないか考えてあげるべきでした。また、一見して分別のあるメンバーは、違いを理解しすぎてアクションが遅れがちになる傾向がありませんか? だから背中を押してあげる人が必要なケースが多いんです。板橋さんには今度こう言ってあげてください。
「OK。まずは違いを書類にまとめてかたちにしてくれる?」

時間がないときに限って起こりがちですよね。失敗って。
でも成功は、失敗を失敗として認知することから始まるのです。
ですから、次からはメンバーの能力を引き出せるような流れにきっともっていけるはずです。

まとめ

チームマネジメントにあたって、「社会人基礎力」を利用してメンバーの力を整理そして相対化する。そこから彼/彼女のなかで秀でているいずれかの力を見極め、力を引き出す機会を生みだすことができるはずです。今回は特に「働きかけ力」と「柔軟性」を題材にしてみました。
組織の中で個人(自分)最適を追求する前に、チーム最適を優先してみませんか。そうすれば、きっと会社全体にとっての最適に結びついていくでしょう。

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