【保存版】クラウドソーシングでも業務品質を高める委託と管理の事例

IT化が進み人の働き方が多様化する中、「ランサーズ」や「クラウドワークス」などの台頭で、オンラインで業務を受発注するクラウドソーシングという概念は、今や珍しいものではなくなりました。クラウドソーシング・サービスは、オンラインで素早く必要な人材を探し、比較的低単価での業務委託を実現できる反面、顔が見えない状態でマッチングし仕事を委託するという性質上、人選ミスや発注側と受託側との間で業務に対する認識のズレが起きやすく、業務品質をどう担保していくかという観点では、まだまだ課題があるようです。この記事では、そんなクラウドソーシングによる業務委託でも、業務品質を高めるための委託や管理のコツを具体的な事例を交えてご紹介していきます。

クラウドソーシングで業務品質を高めるためにはココを抑えよう!

それでは早速、クラウドソーシングで業務品質を高めるための委託や管理のコツを具体的にご紹介していきます。クラウドソーシングは、一般的に「業務内容の整理」>「人選・マッチング」>「業務委託契約」>「業務開始」>「業務進行」>「業務完了・納品・校了」といったフローで進みます。このフローをなぞりながら「知っておけば避けられるトラブル回避法」や「受託側の業務クオリティがUPするやる気の引き出し方」などを確認していきましょう。

ステップ1「業務内容の整理」

クラウドソーシングでの委託において、業務内容を簡潔に伝えることは、業務品質のクオリティを上げる上で非常に重要です。社内の人材に依頼する際は、詳細の確認・変更点の伝達などを口頭ベースで進められますが、クラウドソーシングではチャットのやり取り、時間を決めてのオンラインミーティングなど、タイムラグが発生しやすいといった問題があります。

細かいところは後々説明すればいいと思って、ふわっとした要件のまま進んでしまうと、受託側からの問い合わせに思った以上の時間や労力を費やしてしまったり、上がってきた業務が意図したものとズレていたり、といった結果になりかねません。双方にとって無駄を生まないためにも、業務発注前に業務内容の整理をしっかり行いたいところです。

具体的に注意したいポイントは以下の通りです。

5W1Hで簡潔に業務を整理しよう

その業務が、なぜ(Why)必要なのか。どんな人材を求めていて(Who)、いつまでに(When)、何を(What)、どこで(Where)、どのように(How)、納品するのか。項目別に用意しておくことで、スムーズに受託側へ業務内容を伝えることができます。後々、受託側との調整が出てくるかもしれませんが、一旦、明確に決めきることから始めるといいでしょう。

例)当メディア記事のライティングをクラウドソーシングで委託すると仮定した場合

5W1H 内容
業務委託背景(Why) メディアのPV数拡大を目指し、未対応キーワードを押さえた記事を制作し、メディアの更新頻度も増やす必要性があるため。
求める人材(Who) メディアでのライティング経験者(生産性・タスク管理・業務改革などをテーマにした記事を作成したことがある人材であればなお良い)
納期(When) 20XX年、X月末までに(記事の品質が良い場合、継続して週1記事ペースでお願いしたい)
納品物(What) 生産性・タスク管理・業務改革などに関する記事を合計で3本。
業務プラットフォーム(Where) タスク管理ツール「TeamHack」を使用してやりとりする。
どのように進めるか (How) SEO対策に基づくキーワードの指定や記事の方針をこちらで決め、委託をする。受注者は、Wordにマークダウン方式で記事を書いた状態で納品。1記事あたりのボリュームは、2000字以上とする。

このように、一目で理解できるよう整理しておくと、その後の工程がスムーズに進むでしょう。

ステップ2「人選・マッチング」

委託したい業務内容が明確になったら、その業務とマッチした人材をアサインできるかがクオリティへの鍵となっていきます。とはいえ、クラウドサービスのプロフィールに書かれた内容だけで、「本当に業務を遂行してくれる人材なのか」判断するのは至難の技です。この章では、受託者を選ぶ際に選考の基準としておきたいポイントを押さえることで、可能な限りの優良なマッチングを目指していきたいと思います。

基本的には実績のある人材を選ぶ

当然のことで、もはや説明も不要ではあると思うのですが、委託する内容に似た業務実績を持つ人に委託をすることが一番間違いありません。極力、過去の仕事について、聞ける範囲で詳しく聞き取りをして、検討したいところです。クリエイターやライターなどの場合はポートフォリオ(自分の作品や仕事をまとめた作品集)などを提出してもらい、頼んでも大丈夫かどうかを判断しましょう。

委託する分野に知見がないときは、その道の専門家に意見を聞く

社内業務をクラウドソーシングする場合は、社内に型や知見があるため問題ない場合が多いのですが、デザインや制作系の委託となると、担当者が誰一人として委託する分野に明るくないといったこともあり得ます。そのような状態でクラウドソーシングすることは、人選ミスが起きたり、後々受託側とモメたりといったことも起きやすく危険です。

ここは知り合いのツテを辿ってでも、その分野の専門家にクラウドソーシングで委託しようとしている業務について相談をしたほうが良いでしょう。専門家にプロとして業務を委託をするにはハードルが高くても、相談と言う形なら無償で聞いてくれることもあります(もちろん余力があれば、お礼はできたほうが良いのですが)。相場観や、効率的な業務の委託方法、人を選ぶポイントなど、プロの知見で思わぬ提案してくれるかもしれません。人脈は宝といったところでしょうか。

受動的人材・能動的人材の違いに注意

オフラインでもクラウドでも変わらない部分ではありますが、候補の人物が「受動的人材」か「能動的人材」かの確認はしておいたほうがいいでしょう。指定されたことを指定された通りに、期日を守って行ってほしいという場合は「受動的人材」のほうが向いているでしょうし、業務について提案してほしい、一緒に考えてほしい、ある程度は権限を付与してお任せしたいという場合は「能動的人材」のほうが合っているでしょう。ここを間違えると、お互いにやりにくさを抱えてしまうため、予め「受動と能動、どちらのタイプか?」という確認項目があっても良いかもしれません。

問題解決マインドがある人材を選ぶ

なかなかいないレア人材ではありますが「何がこの仕事の目標で、それを達成・解決する最適な手法は何か」という提案ができる(かつ、現実的な指摘ができる)人材は、間違いなく優秀な人材と考えて良いでしょう。このような人材を見つけるために、エントリー時に提案してもらう形の質問を用意しておくのも良いかもしれません。(ハードルが高すぎるとエントリー自体が少なくなってしまうので、バランスが大事ですが……)

学習意欲の高い人材を選ぶ

どうしても良いと思う人材が見つからずに、妥協しなければいけないこともあるかもしれません。業務がある程度型化できるものなら、教育コストがかかることを念頭に、長期的に関われる学習意欲の高い人材を選ぶようにすると良いでしょう。委託する分野に明るくなかったとしても、他分野で一定以上の知見を持っている人であれば、自分にあった学習フローを身につけている場合も多いため、スムーズに業務に適応してくれる可能性もあります。もし、単発で発生するテクニカルな業務の場合は、委託をスッパリ諦める勇気も必要です。

ステップ3「業務委託契約」

良さそうな人材とマッチしたら、業務委託契約を結ぶことになります。クラウドソーシング・サービス利用場合、契約については、サービス規定の中に既に含まれている場合が多いため、各サイトをよくご覧いただくとして。ここでは、一般的な契約項目については触れず、後々のトラブルを避けるためにプラスαお互いに確認・定義しておいたほうが良い項目をご紹介します。

試用期間を明記しておく

顔が見えない以上、いきなり長期間の業務を委託してしまうと、求めていたレベル感より低いのに、業務の委託を出し続けなければいけない、ということも起きてしまいます。まずはお試し、という期間を用意しておくことでリスクヘッジしましょう。

納品物の修正に関する取り決めをしておく

制作系の委託をする場合は、1発OKということはほぼありません。修正業務が発生する場合がほとんどですので、どのくらいまで修正を繰り返すことが可能であるかを取り決めしておきましょう。受託側に不備がある場合は別ですが、発注側都合で修正をお願いしすぎると、高確率で次の仕事を受けてもらえなくなります。

納品物の著作権の帰属や使用範囲・改変に関する取り決めをしておく

納品されたものに関して、著作権の帰属や、どこまで使用できるか、改変は可能か、など出来る限り明文化しておきましょう。雇用契約を結んでいる人材が制作したものであれば、基本的には「自社に著作が帰属する」ことになりますが、業務委託の場合は、その辺が曖昧になることも多く、後々制作側とモメる原因にもなりかねません。例えば、ロゴの制作などであれば、色変更、形の変更、など、どこまで自由に行えるのかなど、細かな前提作りをしておきましょう。

ステップ4「業務開始」

契約が問題なければ、早速業務の開始です。業務を進めていく上で、どのようなコミュニケーションを取ればスムーズに品質の高い仕事をしてもらえるかという観点からコツを紹介していきます。

開始前に電話などで打ち合わせをしよう

業務開始時に、業務内容について改めて確認するために、電話などでコミュニケーションをとりましょう。人によってはうっかり要件を見逃していたり、正しく内容が伝わっていない部分が炙り出されることもあります。認識がズレたまま進んでしまうと、最後まで間違った状態で進みます。その損失を考えれば、5分10分の確認はしておいたほうが安心ですね。

不明点・疑問点・不安点などは最初に潰しておこう

電話をかけるついでに、不明点・疑問点・不安点も口頭で確認しておきましょう。予め起きそうな問題を潰しておくという意味合いもありますが、受託者に「自分のことを気遣ってくれている」と感じてもらうことで、自ずと頑張ろうという気持ちになってもらうことができます。

会社のことを好きになってもらおう

会社のことに関する良い情報は、積極的にシェアしておきましょう。社員ブログや、企業成長しているニュース、会社のビジョンなど、できるだけ自分たちのことを知ってもらい会社自体を好きになってもらいましょう。受託者のやる気やモチベーションがかなり変わります。

ステップ5「業務進行」

1〜2割の進行時点で、確認の時間を作ろう

業務が開始したら、早い段階で1回目の確認をとりましょう。実際にやってみてどんな感じか?困っていることや分からないことはないか?問題を早めに検出できます。制作物の委託の場合も、100%完成した状態で出してもらうのではなく「構成案」や「カンプ・ラフ」といった状態で、出してもらうと目線を合わせて品質の高いものができていくでしょう。

フィードバックの仕方に注意!

受託者さんの仕事に対して、フィードバックをするときは「できるだけ良いところを見つけて褒めてから、お願いを通す」ようにすると、多少の無理でもモチベーションを落とさずに仕事してくれます。もちろん使える使えないはあると思いますが、ダメ出しばかりだと萎縮されてしまうので、バランスが大事です。

後出しの要件変更・業務追加はダメ絶対!

基本的に最初の委託内容を途中で変更するのは、受託者にとってより良い条件になるという場合を除いてはタブーです。受託者から嫌われる原因となりますので、業務スタート時には変更がないような状態に根回ししておくことが大事でしょう。しかしながら上からの圧力でなど、どうしても急遽変えないといけない!なんていうこともあり得ます。そういう時でも快く引き受けてもらえるような人間関係づくりをしておきたいところです。

ステップ6「業務完了・納品・校了」

発注の仕方に対する改善ポイントを聞こう

一通りの業務が完了したら、自社の発注の仕方でやりにくかったところはなかったか?どうすればもっと良くなるかなど、受注者にアンケートをとるようにしましょう。発注側では気づきにくい課題点が、受託者視点ではハッキリ見えているという場合もあります。いい仕事をしてくれた人でも、微妙だった人でも、その人なりの仕事のやりやすさ、やりにくさがあってのこと。受け入れるかどうかは別として、話だけでも聞いておけば新しい発見があるかもしれません。

戦略的に感謝は伝えておこう

満足な仕事ぶりならば自然と出てくる言葉だと思いますが、たとえそうでなかったとしても、働いてくれた感謝は戦略的に伝えておきましょう。もし受託側が微妙だったとしても、会社としてマイナスイメージを与えないようにしておくのが、次のより良い人材を見つけるための賢い戦略だと思います。

「クラウドソーシングでも業務品質を高める委託と管理の事例」まとめ

いかがでしたでしょうか?
クラウドソーシングといえども、人と人が仕事をしている以上、いい仕事にするためには気を使うことも多いですね。この記事によって、クラウドソーシングでの委託や管理のヒントがみつかっていれば幸いです。

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