私も新卒で働き始めた当初、まずは一つの会社でとにかく頑張り、成果をあげてから徐々に自分のやりたいことや副業、社会貢献的な活動をすべきだと思っていました。しかし結果的に私は一つの会社でさえ成果をあげられず、自分の理想とする生活からは遠ざかっていきました。
そんな私の働き方を変えたのは、「パラレルワーク」という働き方でした。
「会社員としてまったく成果を挙げられないのに、もう一つ仕事を増やすなんて… …」と、思う人もいるでしょう。しかし実際には、パラレルワークを始めることによって、本業にもよい影響を及ぼすこともあります。
今回は、会社員として成果を出したい人のために、パラレルワークがオススメな理由を紹介していきます。
目次
そもそもパラレルワーク(複業)とは何なのか?
パラレル(parallel)という言葉は、直訳すると「平行」や「並列」という意味。つまりパラレルワークとは、同時並行的に複数の仕事をして働いたり、ビジネスをしたりするということです。
一般的にいわれる「副業」が軸である本業の収入を補うイメージをもつことに対し、パラレルワークは複数の収入源をもつ(分散させる)という意味をもち、必ずしも会社の仕事がメインになるとは限らないのがおもしろい点なのです。
本業の収入による生活基盤をもちながらパラレルワークをしていたら、いつの間にか自分のやりたいことがメインの収入になっていた、ということもありうるでしょう。
こんな人ほどパラレルワークがオススメ
- 会社員だけの生活に飽きている
- イマイチ自分の本来の力を出しきれていないと感じる
- 自分の強みを生かしていきいきと働きたい
- 会社で成果を出すということを経験したことがない
といった悩みがある人には、ぜひパラレルワークをオススメします。なぜなら、私自身がパラレルワークをする前、実際にこのような悩みをもっており、パラレルワークを始めることでそれを解消し、いきいきと仕事を楽しむ日々を過ごしているからです。
副業ではなく、パラレルワーク
前述した「本業の収入を補うという副業」という考えで、新たに仕事を始めることはオススメしません。
「副業」という考え方では、あくまで会社員としての仕事や特定のビジネスからの収入源に依存した働き方となり、これからの時代にはそぐわず、また何より自分自身の世界を狭めてしまう可能性があるからです。あくまで、「複数の収入源をもつ」という意味があるパラレルワークを始めることを意識してください。
では、なぜパラレルワークを進めるのか?
結論からいえば、人生がより豊かになるからです。複数の仕事を同時並行することで視野が広がり、思考が柔軟になることで、会社員としての仕事に新しい可能性を見いだしたり、タスク管理能力が身についたりするなど、結果的にキャリアアップや独立のチャンスにつながるスキルを手に入れることができるのです。
パラレルワーク、最初の一歩は?
パラレルワークをしていくにあたり、まず何から始めたらよいか。いきなりビジネス戦略を考えたり、サービスコンテンツを作り上げたりしてみる、ということは必要はありません。肩肘貼らずに、まずは「自分の強みや、自分が好きでできることは何なのか?」ということを言語化してみましょう。
その際にぜひやっていただきたいのは、『パラレルキャリア−新しい働き方を考えるヒント100−』(ナカムラクニオ著、晶文社)という本を活用して、自分を見つめ直すことです。
同書には、パラレルキャリアについて考えるためのヒントとなる問いかけが多数用意されており、今まで自分の仕事についてじっくり考えたことのない人でも、自身の新たな仕事の形を想像することができます。
「楽しく仕事をすることは大事だ!」とただ語るのではなく、「そのために何をすればよいか」を考えることもでき、非常に有意義な内容となっています。
自分の可能性を開くために他者の視点を
その際に、できれば一人で考える作業をするのではなく、ペアや複数人で行なうことをオススメします。
一人でじっくり考えるほうが、自分にできることが思いつくと考えている人もいるでしょう。しかし、一人で新しい何かを作り出すのは難しいことです。第三者の視点や社会のニーズに応えてこそ、自分の新しい仕事の可能性は開いていきます。
これは、「ジョハリの窓」というコミュニケーション心理学の考え方にも通じます。他人と自分との間にある「自分の特徴」に対する印象のズレを認識し、徐々に一致させることで、自分が気づいていない自分の新しい側面を受け入れてみましょう。今まで開くことのなかった新しい可能性の窓を開き、ワクワクする自分だけの仕事を新たに作り上げるヒントがつかめます。
いきなり複数人で自分の強みを振り返る機会なんて作れないという人は、強み診断ツールを活用してみてはいかがでしょうか。
「ストレングスファインダー」「16personarities」「ウェルスダイナミクス 」など、多くの人が受けるようになってきた診断ツールを使えば、結果を受けた後にそれについて考察している人をSNSやブログで見つけることができます。考察を深めたコンテンツも多いですし、それによって強みを生かせるようになった人たちの働き方を垣間見ることもできます。
パラレルワークは「小さく実験」を繰り返しながら
自分にできそうなことがある程度見えてきたら、とにかく「小さく実験」をしながら検証してみてください。ポイントは、いきなり「働く」と考えるのではなく、「小さく実験」をしてみることです。
いままでとは違う仕事を作り出すことになるわけですから、いきなり「働く」と腹を決めてしまうと、取り掛かりのハードルが高くなってしまったり、「ちょっと違うな?」と思ったときに後戻りできなくなってしまうからです。
新しい視点やアイデアを取り入れたうえで、「小さく実験」をするような感覚で、自分に合った働き方を模索していきましょう。
「小さく実験」しやすくなった現代はチャンス
誰もが簡単に情報を発信できる個の時代、ITの力をうまく活用することで、自分のやりたいことを実験しやすくなりました。初期費用をかけずに、かつ後戻り可能な形でパラレルワークを始めることができます。
まずはSNSやブログを活用して、自分の考えを発信してみましょう。「将来、自分はこんなことがしたい」「こう考えている」というあなたの発信を受けて、「何か頼みたい」「一緒にやってみたい」という人が現れるかもしれません。
「ランサーズ」「クラウドワークス」「ココナラ」といったクラウドソーシングに、自分が考えたサービスやできることを登録してみることもオススメ。「こんな仕事、誰が頼む?」と思うようなことでも、ひょんなところからニーズが生まれることがあります。
パラレルワークの最終ゴールは?
ここまで、パラレルワークの魅力とその始め方について説明してきました。
本業を補うための副業ではなく、同時並行的に行う複業としてのパラレルワーク。この働き方の最終ゴールは、仕事とプライベートを分けず、すべての時間を自分らしく楽しむこと。
仕事とプライベートの時間を分けるという考え方もありますが、よくよく考えれば、仕事をしている時間も自分の時間です。とはいえ、いきなりすべての仕事を楽しむことはできないかもしれません。
そんなときに、働く楽しさや自分らしくありながら人の役に立つ機会を体験できる可能性があるのがパラレルワークなのです。
ぜひ、ここに紹介した方法を試して、人生を豊かに楽しむ一歩を踏み出してみてください。