事例紹介
2018.08.16

生産性もアップするフリースケジュール制という働き方

ビジネスパーソンの皆さん。会社への通勤時間はどのような時間帯ですか?始業時間にあわせて、決まった時間に会社に着くようにしていますか?それともフレックス制で、コアタイムまでに会社に着くように通勤していますか?通勤時間が電車のラッシュを避けられない時間だと、通勤も苦痛になることでしょう。そんななか、何時に会社に行ってもよく、また休む事も会社に報告せずともいい会社があると聞いたら、どう思われるでしょうか?そんな夢のような自由な働き方のできるフリースケジュール制について、ここでは紹介していきます。

フリースケジュール制の働き方とは?


小学生と幼稚園児のいるライターの私。子供の夏休みが始まり、今年の暑い夏休みを、子供とどう過ごそうかと思案していたとき、たまたまかかっていたテレビで、フリースケジュール制についての放送を見て、目から鱗が落ちた気分を覚えました。フリースケジュール制を導入している会社として紹介されていたのは、大坂府にある「パプアニューギニア海産」という会社です。この会社は、天然の冷凍エビをエビフライやむきエビなどに加工し、販売を行っています。もともとは石巻市にあった会社でしたが、東日本大震災で被災し、工場が全壊。その後大阪に移転したところ、パート従業員がなかなか集まらないために、それを解消しようと、従業員の働きやすさを考え、「フリースケジュール制度」を導入するに至ったということでした。
 驚きのこのフリースケジュール制度は、社員は働きたいときに会社に来て、休むときも特に連絡は必要ない、というものです。実際、働いている女性パート社員は、子供の急な用事などで仕事に来られなくなっても、気を遣わずに休めることが大変助かると話していました。そして、引きこもり気味だった男性も、ここならば、いつ来ても、来なくともよいので、勤怠について余計な気を遣わずにすむこの会社での仕事は続けやすいという話が紹介されていました。
フリースケジュール制は、働く人の気持ちに寄り添い、生活を充実させられる柔軟な働き方であることが伝わってきました。タイムカードでの管理や、勤怠管理の手間も減らすことも可能なこの働き方はとても先駆的な制度ですが、一方で、その制度を導入しても、仕事が回るのか、という素朴な疑問を感じます。

誰も会社に出勤しない日は何日?

工場では、社員2人とパート従業員約20人が働いているそうです。出勤日も、働く時間もすべてパート従業員が自分で決められるために、出勤する人の人数は、毎日ばらつきがあります。しかし、繁忙期は従業員に伝えてあり、従業員数も増えてきているために、誰もこない日というのは意外と少なく、今年2018年7月での放送時点では、フリースケジュール制を導入してからパート従業員が誰も来なかった日は、たったの2日ということでした。仮に、出勤する人が極端に少ない日があったとしても、週単位でならして見れば、出勤人数は平均化されるそうで、特に困ることはないということも驚きです。実際問題、パート従業員の誰もが賃金を得たいがためにパートを行っていることから、積極的に多く休むよりも、なるべく出社できるときは、仕事をしようとするという考えがあることから、想像よりも休む従業員は少ないようでした。

嫌いな仕事は絶対しない

このフリースケジュール制を導入するこの会社、ほかにも特徴的な仕組みがありました。この会社では、定期的に好きな仕事と嫌いな仕事を従業員にアンケートを行い、嫌いな仕事はしなくていい、として、絶対に嫌いな仕事をしないように徹底しているのです。その結果、苦手な仕事や嫌いな仕事をしないですむことになり、適材適所が生まれ、自分の好きな仕事、もしくは嫌でない仕事ができることにより、効率や品質も向上することにつながり、生産性がアップしたということでした。
誰にでも、仕事に対して苦手なことがあったり、得意不得意や、好き嫌いがあったりと好みがあるものです。苦手なことを避けたり、好みの仕事ばかりしていると、仕事のえり好みをしていると思われるのではないかと周囲の目が気になってしまう人もいるかもしれません。しかし、苦手なことをしないで済む事により、仕事の精度があがって、スピードもアップするのであれば、このことは見逃せない考え方ではないでしょうか。実際、ビジネスを行う上で、どんな仕事でも何でもできる何でも屋のような人材は、何でもできるために、かえって仕事へのフォーカスが難しくなるというマイナス面もあわせ持っているのではないかと考えられます。逆を言うと、苦手なことがたくさんあるが為にできることが少ない人材は、数少ない出来ることにフォーカスせざるを得ない状況を産み、結果としてその集中が大きな仕事を作る可能性を作る場合もあることでしょう。
仕事の好き嫌いやえり好みをマイナスにとらえず、生産性を向上させるために自分の得意分野、苦手意識などをよく洗い出して考えていくことも必要なのではないでしょうか。

決定に責任を持たせる意味

シフトを自分で決められる、嫌いな仕事を自分で主張して避けることもできるというこの職場の制度は、パート従業員自身の決定に責任を持たせているという点において、従業員への信頼を感じられる制度であるとも言えます。会社と従業員の信頼関係が構築されていれば、会社が困っているときの要望にも従業員は柔軟に対応してくれるというメリットももたらします。パート従業員は、子どもが熱を出したり、行事などのために休みを取らなくてはならないときにも、常に自由に休め、働きたいときには働けるという会社に恩義を感じるようになることでしょう。そのため、繁忙期にはなるべく出社してほしいという会社からの要望を受け入れてくれるようになるという関係は、理想的な信頼関係ではないでしょうか。

働きやすさは効率アップの鍵

一般的にパートの従業員女性は、子供の用事や介護などで休みがちになると、周囲に迷惑をかけているという認識を持ってしまい、その結果仕事を辞めるというケースが後を立ちません。その女性が積み重ねていた仕事の経験値は消えさってしまいますし、企業としてもまた、人材を採用し、一から教育し直すという手間が発生します。企業にとって、人材の離職は仕事効率がダウンする一因でもあります。その点、パプアニューギニア海産は、フリースケジュール制を導入してからは、離職者が減り、従業員のシフトを組む事や勤怠管理も不要になったことから、求人費用、新人教育などのコストが減り、人件費を削減できたといいます。
皆が働きやすい職場作りを目指せば、結果としてよけいなコストを削減できるようになり、仕事効率もあがって生産性向上につなげられるというポイントを、ここでも確認することができます。
働きやすい職場とは、皆が求める働きやすさを、企業が従業員の声を聞き、探しながら共に構築していくというその姿勢から生まれるものなのでしょう。

フリースケジュール制できるかできないか?


あなたの職場にフリースケジュール制を導入することはできるのでしょうか?この会社では、つねにエビの加工という、決まった仕事を行っているためにフリースケジュール制を導入することができたとも考えられます。行う仕事が日々異なっていたり、得意先の仕事時間にあわせて業務を行う必要がある職場においては、フリースケジュール制の導入は難しいかもしれません。しかし、このフリースケジュール制のもつエッセンスを読み取って、私たちの職場においても採用できるポイントを探っていってはどうでしょうか。

まとめ

フリースケジュール制という働き方は、選択と集中の結果、生産性を向上させることができるように仕事が進んでいくという、大きなヒントを与えてくれる働き方ではないでしょうか。自分らしく仕事をして、力を発揮できる職場の姿について、働き方改革元年ともいえる今年、ぜひみなさんもよく考えてみてください。

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

同じタグのついた記事

同じカテゴリの記事