TBSドラマ『わたし、定時で帰ります』から、本当に皆が定時で帰る方法を考える

私は現在台湾に住み台湾国内の企業で会社員をしていますが、「定時に帰る」のは当たり前のことです。自分の仕事が終わらなくとも、定時になればさっさと家に帰る。今日終わらなかった仕事は明日の仕事。皆そんな働き方をしています。

4月から始まった「わたし、定時で帰ります」というドラマがあります。このドラマは、2019年4月から順次施行される「働き方改革」をテーマにしています。物語は現在、第2回目の放送を終えたところです。

大手WEB制作会社を舞台に、産休から復帰したばかりのワーキングマザーの苦悩や、仕事はできるが二言目には「辞める」が口癖のさとり世代の新人教育など、近代の日本企業におけるさまざまな問題が浮き彫りになっており、とても面白いです。

今日は「わたし、定時で帰ります」から、「本当に皆が定時に帰るにはどうしたら良いのか?」について考えていきます。

「働き方改革」とは?

政府が推奨している「働き方改革」とは、残業時間の上限を月45時間、年間360時間までにしようという政策です。仕事の生産性を向上させて、長時間労働を減らしたり、正規社員と非正規社員の格差を無したりすることを目的としています。

ですが、「働き方改革」で残業時間を制限する法律を作ったところで、本当に働き方改革が守られるのでしょうか? 有給でいえば、既に現在の法律では入社6ヶ月を過ぎ、全労働日の8割以上出社している社員には有給を取ることが法律で定められています。

有給取得の理由を会社に説明する義務はなく、取りたいときに好きに休みを取る権利があります。しかし、実際にはどうでしょうか?

日本で働く同級生

以前学生時代からの友人が、台湾に遊びに来てくれることになりました。彼女は大手のマーケティング企業に勤めるキャリアウーマンですが、金曜日の午後に半休を取って、週末に遊びに来てくれました。

「どうして金曜全休取らなかったの?」と聞くと、「みんな忙しいから申し訳なくて、半休しか取れなかった」とのこと。

そう、無理やり取ろうと思えば取れるけれど会社の志気が、そうさせない雰囲気なんですよね。

社団法人で働く母親

私の母親は最近まで、公益社団法人に勤めていました。業務は完全なる事務職なのですが、いつも忙しそうで、家の近くの職場なのに帰りは20時を過ぎることも多かったです。

一般の企業と異なり、役所との関係も近いので有給や残業の取得には厳しく、「きちんと休みを取ってね」と言われていたと思います。そのため「時間内に仕事を終わらせられない私が悪い」と17時でタイムカードを切って20時まで働いたり、土曜日に出勤して業務をこなしたりしていました。

当時はそれが社会人として当たり前なんだー…と思っていましたが、いま考えるとおかしな話ですよね。

この通り、いくら国が法律で「働き方改革」をしても守られるのはごく一部の大企業だけで、下請けや中小企業はその下請けを食らうのではないかと思います。

ドラマ「わたし、定時で帰ります」の主人公

ここで「わたし、定時で帰ります」ドラマの話へ戻ります。

物語の主人公は、吉高由里子演じる東山結衣(32才)

「定時で帰ること」をモットーに、仕事はきちんと無駄なく終わらせてから帰るのですが、もともとバリバリ仕事ができるキャリアウーマンという設定ではありません。

会社に入って10年、地道に頑張ってきてやっと仕事ができるようになり、自分のできる範囲の仕事をきちんとこなして、定時で帰るというどこにでもいる普通の女性です。

上司から「キャリアプラン」を提出するように言われてもなかなかピンと来ず、数年後になりたい自分像も想像できないなーと思っています。

これまでのドラマでは、「定時に帰るキャリア女性」といえば、ドクターXの大門未知子など「デキる女」のイメージが多かったですよね。

それが、どこにでもいる普通の女性という設定で演じているため、視聴者の心を掴んでいるのではないかと思います。

定時で帰られるために現場がやるべきことは?

政府が「働き方改革」政策をうたっても、実際に全員が実行するのは難しい。

残業時間が定められていても、終業時間前にタイムカードを推すのを遠まわしに強制される。日本の企業に蔓延るこの習慣を改善するために、現場がやるべきことは何でしょうか?

現場チームの雰囲気づくりが大切

インターネットの普及により、海外の情報が容易に入るようになり、日本の働き方の異常性が注目されるようになりました。10年、20年前と比べてこれだけコンプライアンスや働き方が注目されている時代なので、企業の管理職も皆、会社の社会的立場のために、「残業を減らせ」「有給消化率を上げろ」と指令を受けているに違いありません。

しかし法律で決まっていても、上から指示を受けても「申し訳なくて休みが取れない」と思う大きな理由は「みんなが休んでいないから」だと思います。

  • みんなががんばっているのに一人だけ帰れない
  • みんなが休んでいないから私も休めない

口に出さずとも、そんな空気感が残業を強いる環境を生み出しています。

だからこそ残業をなくすには、「チームワーク」がとにかく大切なのです。

ドラマのように、「自分の仕事だけは終わったから先に帰る」を実践するのもよいですが、上司の顔色を伺ってしまったり、誰かに嫌われるのが怖くてそこまで思い切れないという人もやはり多いのではないでしょうか。

チームのメンバーが忙しそうにしているから申し訳なくて、今日のやることは終わったけれどなんとなく先に帰れない・・・そう思うなら、チームの仕事を全体で理解することが大切です。仕事は自分の担当している部分だけでなく、多くの人が携わって完成します。

どの箇所がどれくらい遅れているのか、負担が大きいのか、理解しチームワークを深めていくことが「定時で帰る」雰囲気作りに繋がると思うのです。

やっぱりコミュニケーション

学生時代から会社員まで、社会に出るととにかく大切だと言われる「コミュニケーション能力」。残業をなくすためにもやはり、「コミュニケーション」は欠かせません。まずは一声かけること。

  • 「もう今日は帰ろうと思うけど、あなたはどう?」
  • 「今何をしているの?手伝おうか?」

それが、今日やるべきことではなく、明日やっても間に合うことなのであれば、

「そのスケジュールは明日やっても間に合うと思う。明日一緒にやろうよ」と声をかけてあげることで、チームが帰りやすい雰囲気になるかと思います。

私の管理するチームではどうか?

私は現在、台湾にある台湾企業でマネージャーとして働いています。

日本のお客さんも担当しているとはいえ、海外に本拠を置く会社なので「定時以降帰りづらい」「有給が取りづらい」という雰囲気は一切ありません。

とはいえ、仕事自体は忙しいので、休みを取る前にはチームに事前に話をし、繁忙期を避けたり、引継ぎを行なったりしています。

有給を100%する方法

台湾では、入社から半年で3日の有給休暇が与えられます。

その後、1年目で7日、2年目で10日、3年目で14日と増えていき、そこからは1年に30日の有給を限度として毎年休暇が増えていきます。

詳しくは、個人ブログに書いていますので参考にしていただけると幸いです。

日本と台湾の労働法(有給・特別休暇)を比べてみたら、台湾が俄然ホワイトだった件。

台湾では、期限までに有給消化ができない場合、自動的に賃金化され翌月の給与に振り込まれます。会社にとっては余計な費用の増加になるため、できるだけ避けたいですよね。

そのため管理職には「部署の有給消化率に対するKPI」が指定されています。

大半のスタッフが繁忙期を避けて1週間以上海外旅行に出かけ、残りの有給を祝日に繋げて使ったりします。

私の勤める会社では、数日前どころか当日でも有給の申請ができるのですが、「XX日に休みます」と言われても、咎めないようにしています。有給は従業員の権利なので、どんな理由で休んでも問題はないと考えているからです。

1週間など長期休暇で業務に差支えがある場合は、引継ぎのため、大体1週間頃前には申請を出してもらうようにしています。

残業をしない方法

「365日残業をゼロにする」というのは、いきなりは難しいかもしれません。

実際に私も「ゼロ」ではありません。でも、仕事をすべて終わらせようとしたらキリがないので、「定時までに終わらせる」と決めておきます。自分の業務自体は定時までです。

残業するのは、客先から電話があったり、会食があったり、またはスタッフから相談を受けた場合など、他人に時間を使うときだけ。

よく「残業ゼロは無理だから+1時間だけ毎日残業するようにしよう」なんて決める人がいますが、無意味なのでやめたほうがよいと思います。勤務時間が1時間延びるだけです。

また、マネージャーである自分が帰ればスタッフも皆帰りやすいだろうと思い、できるだけ早く帰るように心がけています。

(まあ台湾のスタッフは、マネージャーがいるいないなんて気にしないんですけどね)

まとめ

今回は、「わたし、定時で帰ります」というドラマを見て感じた日本企業と、これから始まる「働き方改革」について、自身の台湾での経験を踏まえながら思うことを書いてみました。どれだけ法律が変わっても、実際に「定時で帰れるかどうか」は、会社によると思います。もっと細かくいえば、部署や現場レベルで異なります。

ブラックで残業が蔓延している会社でも、経理部署は早く帰れるかもしれませんし、営業は深夜になっても帰れないのかもしれません。自分が所属している部署やチーム内で、出来るだけ無駄をなくし、みんなが「自分の生活のために時間を使いたい」という目的を共通して持つことが一番大切だと感じます。

【出典】

厚生労働省働き方改革特設サイト(支援のご案内)

わたし、定時で帰ります公式

新入社員「オレ、定時で帰ります。」上司より先に退社キメてみたら…

この記事を読む

イチオシ記事

「定時帰宅」はドラマだけの幻想か?
最新情報をチェックしよう!
>TeamHackで、タスク管理を驚くほどラクに。

TeamHackで、タスク管理を驚くほどラクに。

TeamHackは、タスク管理とチャットが同時にできる「業務コミュニケーションのしやすさ」に特化したオンラインワークスペースです。コミュニケーションツールとタスク管理ツールを行ったり来たりして、二重に管理の手間がかかる問題をスッキリ解決します。

CTR IMG