事例紹介
2018.11.12

映画『ソーシャルネットワーク』で、Facebookを作ったザッカーバーグ氏のスキルを解剖してみる

何億人もの人々が使用している世界最大のSNSであるFacebook。毎日一定時間Facebookのチェックをルーティンのように行なっている方も多いことでしょう。存在自体当たり前のようになったこのSNSは、2018年現在、設立14年ほどで、すっかり私たちの暮らしの中に浸透しています。その利用者数の多さは、もはや国を超えたレベルです。巨大なこのSNSは、ユーザーにとっては魅力的である一方、ビジネスに役立てることもできる貴重な個人情報の宝庫であるのにもかかわらず、膨大な数の情報流失があったという問題に揺れています。
参考URL:フェイスブックの個人情報流出 ザッカーバーグの「自信」が裏目に?〈AERA〉

そして、会長でありCEOのマーク・ザッカーバーク氏はこれらの問題への対処や、リーダーシップ、責任に問題があるとして、会長職の辞任を求められていると報じられており、2018年はfacebookにとってさまざまな問題が発生した年であったとも言えるでしょう。
参考URL:ザッカーバーグ氏「フェイスブックを率いるべきは今でも自分」

ますます注目が高まるfacebookですが、今回の記事は、SNS隆盛の現在、おさらいしておきたいFacebookの創業前後を映画化した『ソーシャルネットワーク』から、Facebookを作ったザッカーバーグ氏のスキルについて、紹介していきます。

「ソーシャルネットワーク」あらすじ


ハーバード大学2年のマーク・ザッカーバーグは、ボストン大学に通うエリカと大学のクラブなどの話をしているうちに口論となりふられる。怒ったザッカーバーグは、彼女の悪口をブログに書き込むうち、女性のルックス比較サイトを制作。アクセス集中のため大学のサーバーをダウンさせ、大学から保護観察処分をうけ、女子学生からは嫌われる。そんななか、プログラミング能力を見込まれてハーバードのエリート学生、有名クラブ会員の双子の兄妹とその友人から、ハーバード大学生に群がる女性との交流を目的としたサイト制作協力を依頼される。それをヒントに、ザッカーバーグは、数少ない友人に出資とCFOを依頼。現在のFacebookを完成させる。

最初はハーバード大のみであったが、瞬く間に他の大学、他の大陸へと広がっていく。一方、依頼したサイトができないまま、Facebookの拡大を知った双子の兄弟はザッカーバーグを訴えることを決意。一方、ザッカーバーグはカルフォルニアへ。有名起業家のアドバイスをもとに、投資会社との契約でFacebookの規模を拡大。友人もFacebookへの出資を募ろうと行脚を続けていたがうまくいかないなか、相談なく投資を受けることを決めていたザッカーバーグとの友情に亀裂が生まれ、株の保有数も他の投資家の策略などもあり希薄化する。結果、双子の兄弟同様ザッカーバーグを起訴する。ザッカーバーグ自身は、Facebookの成功で巨万の富を得ることになったが、二つの訴訟を抱え、孤独であった。

独特なコミュニケーションスタイル

この映画は、世界最大のSNS、Facebookがどのような経緯で誕生したのか、創業者であるマーク・ザッカーバーグ氏と周囲の人間関係を中心に描いた作品で、編集、作曲、脚色部門でそれぞれアカデミー賞を受賞しています。映画「セブン」、「ファイトクラブ」、「パニックルーム」、「ベンジャミン・バトン」、「ドラゴンタトゥーの女」、などの大ヒット映画の監督として知られる、鬼才デビット・フィンチャーの8作目の作品です。デビッド・フィンチャー作品は、暗い色調が特徴的ですが、この「ソーシャル・ネットワーク」は、存命中の実在人物を題材にしていることもあり、従来のフィンチャー的な色調は抑え気味で、ドキュメンタリータッチな映像です。

この映画で特筆すべきなのは、主要人物たちの早口さ! 主演のジェシー・アイゼンバーグが演じるザッカーバーグの、早口でどんどんトピックが変わる話し方からは驚異的な頭の回転の早さと、思ったことをオブラートに包まずストレートに語ってしまう空気の読めなさがマシンガントークから溢れ出て、圧倒されつつ映画への集中と興味が高まっていきます。頭の回転が早すぎるために、早口でどんどんトピックを変えて話し続けるので、話し相手がついていけずに疲れさせてしまう映画でのザッカーバーグ。饒舌であるのに、コミュニケーションが苦手という不器用さがなんとも不思議です。そんな彼の姿にパソコンに精通したナード(オタク)をイメージさせられます。
また一方で、知りたいことは確実に質問し、話したいことは隠さずにはっきりと話す。その潔さは目的への近道であるとも感じさせられました。

実際にザッカーバーグ氏のプレゼンを見てみると、相手の反応をよく観察し、確認してから進行するというよりも、話そうと思っていることを、自信を持って展開していくという印象を持ちました。その姿は比較的この映画の彼とも相通じるのではないかと感じます。人はだんだん年をとると、固有名詞が出てこなくなったりするものですが、当たり前ですが、この映画にはまったくそのような人物は出てきません。

もし会社のトップやチームのトップに立つ人材であれば、ザッカーバーグ氏のように、話したいことを話し、周囲にその話しについてこられるような人材を配すことができれば、コミュニケーションが取れるのかもしれません。しかし、このようなコミュニケーションスタイルは、相手との共感力や反応を見る必要のある中間管理職にはむかないと感じさせられます。

圧倒的なスキル

限られた人にしか感情を表さないとも言われるザッカーバーグ氏。アンドロイドではないか? とも噂されるニュース記事がでてきてしまうほど、人間味が薄い(?)ザッカーバーグ氏ですが、この映画ではエリートに憧れ、女の子にモテたいが、どうしたらいいのかわからない、そこで必死に何かしようとしてもがいているという、普通の若者らしい、人間味も感じさせられます。そこには共感しやすいのですが、やはり驚異的なプログラミング能力、何かを作ろうとするときに必要なものが何なのかがすぐに分かる知性、そして作り上げるまでの集中力とスピードは、並外れたものであると映画で描かれています。その卓越した才能は、現在の取締役会長であり、CEOでもあるという矜持として現れているのでしょう。

そして、物事の変化についていくスピード感も鮮やかなものでした。友人のCFOだった作中のエドゥアルド・サベリンは、自分が知らない間に投資会社からの巨額投資の話が進行していた問題もあり、プライドからなかなかスピードについていけない姿が描かれており、友情が壊れていくさまに心が痛みます。
何かをきっかけにして、大きく世界が変わり、自分の周囲の環境が変わっていくのか。その変化を巻き起こすにはスピードに自分を適合させるスキルも必要であると感じました。

いらないものを見極める

当初「The Facebook」としていたところ、『「The」を取れ!』
とジャスティン・ティンバーレイク演じる伝説の起業家ショーン・パーカーから、アドバイスをうけたザッカーバーグ。
シンプルにして、余計な付録をつけないという試みが、ローンチ当初世の中に「クール」であると認識させることに成功します。必要なものを見極めてフォーカスするスキルは、目的をはっきりさせる役割をも果たします。アドバイスをすぐに採用して行動に移す力がビジネスに必要なときがあると感じさせるシーンです。

権力に自分を認めさせるプライド

勉強ができ、プログラミング能力も高いために、スキルでなんとか名門の大学内クラブに入れないかと考えていた作中のザッカーバーグ氏。その保有するスキルゆえに、大学のヒエラルキーの頂点である、資産家の息子で双子のボート部のイケメンにサイト製作を依頼されることになります。この双子は、ザッカーバーグが憧れ、入会したいであろうポーセリンクラブの中にザッカーバーグのバイクルームに引き入れますが、決して入会を進めません。仕事を依頼してきているのにもかかわらず、仲間に入れてはくれないという悲しさ、それに対する怒りから、双子に持ちかけられたサイトをヒントにして、facebookを作った、とされています。

ザッカーバーグ氏本人は、この映画の内容について、衣装以外は真実と程遠いとコメントしているようですが、真のエリートが集うハーバードに在学していた氏は、あながちこのような、ヒエラルキーとコミュニティと、自分の存在との距離に悔しさを感じていたのではないかと思わせられます。

そして、映画のなかでのザッカーバーグは、彼を見下してきた保守的な空気に対抗して、自分を認めさせるように、facebookを作るという戦いに挑んだのではないかと感じました。彼が見下され続けてきた保守的な空気は、排他的であり、自分たちが意のままにできないものはすべて排除してきた人たちで構成されていおり、そのなかに入ることは、当時のザッカーバーグは絶対に不可能であった。それが許せずに、爆発的な怒りでもってfacebookを作り上げたのではないでしょうか。

映画『ソーシャルネットワーク』で、Facebookを作ったザッカーバーグ氏のスキルを解剖してみるのまとめ

単に成功物語の映画ではなく、成功に至るまでの喧噪や、さまざまな感情を呼び起こす映画です。最後に映画で流れるビートルズの“Baby,you’re a rich man”が空虚に響き、お金を得ても心を満たすことが難しいという教訓を思い出します。
9月には、Facebookの子会社であるインスタグラムの、創始者二人が辞任したというニュースも報じられていました。FacebookはじめSNS界に、またなにか何か起きるのではないかとも推測されています。ビジネスでも大いに注目され続けるSNS、これからも動向を見ていきましょう。

事例に学ぶ

愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶと言います。ビジネスについても同じことが言えるでしょう。
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