マネジメント
2018.05.21

5月だからこそ改めて知っておきたい「会社」の必要性

「働き方改革」を掲げる安倍晋三内閣は、2017年から、「副業・兼業」を推進してきました。今年2018年の初めには「副業・兼業の促進に関するガイドライン」について厚生労働省がまとめを行ない、これまでの「モデル就業規則」から副業禁止としていた規定を削除しました。そのためか、今年は副業を解禁する有名企業も次々と続いています。
これからの時代は、ひとつの会社に所属してその会社だけの仕事をする以外に、副業をしたり、あるいは会社に所属せずにフリーランスとして仕事をしたりする人なども増えてきており、働き方に大きな多様性が広がっていく時代でもあります。
その流れのなか、ビジネスパーソンにとって、会社とは、会社に属するとはどういうことなのか、熟考が求められる時代ともいえるでしょう。
そこで、この連載の最後として「会社」の必要性や、メリットについて紹介していきます。

毎日ビジネスパーソンが出勤して働いている会社。そもそも、その「会社」とは何なのでしょうか?

会社とは?

会社法により設立された,営利を目的とする社団法人。資本の結合,労力の補充,危険の分散をはかることを目的として発達した制度。会社法は株式会社のほか,合名会社,合資会社,合同会社の 4種類を認めており,後者の 3種を持分会社と総称する。出資者(→出資)である構成員 (→社員) の責任の態様による分類のほか,社員と会社との関係が密接であるか否かによって人的会社と物的会社に分けられる。会社は社団すなわち共同目的を有する複数人の結合であるが,実務上の要請から一人会社の設立あるいは存続が認められる。また,会社はすべて法人格を有し権利義務の主体となる。さらに営利を目的とするものであり,対外的な営利活動によって得た利益を構成員に分配することを目的とする点で,相互会社や協同組合と異なる。
参考出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

会社とは、「営利目的の社団法人」を指し示す言葉

ブリタニカの辞典にあるように、第一に会社とは、「営利を目的とする社団法人」であると言えます。そして、会社に属する従業員は、社団法人に雇用されている人のことです。

会社は、主体を法人に求める

法律は、会社の権利や義務を持つのは個人ではなく、「法人格」に求めます。そのため、会社の主体を、個人の代わりとして法人と示すということになるのです。
会社は、設立登記をすることにより、法人とみなされます。会社が人格を持つように、法律上の権利義務の主体となるのです。ちなみに、法人の分類は、「公法人」= 国や地方公共団体などと、「私法人」=財団法人・社団法人に大きく分けられます。一般的な会社は社団法人に分類されます。社団法人とは、ある一定の目的を持つ人材の集合体に権利能力が与えられた団体を示します。基本的に、構成員は会社の持つ規則に従い、会社運営は社員総会に基づいて行われるものとなります。そして、社団法人は、「公益法人」「営利法人」「中間法人」に分類されます。

通常の会社は、営利を目的とする「営利法人」ということになるわけです。
「法人」と「自然人」については、前回の記事でも触れました。

会社は営利性を求める

公益、営利を目的としない「中間法人」とは違い、営利法人である会社は営利を目的とします。会社は、会社に所属する構成員(社員)が出す利益を目的として、さまざまな経済活動をすすめます。その活動で得た利益を、配当などのカタチで、社員に分配していきます。

会社は経済活動をして得た利益をもとに、従業員に給料を支払ったり、会社の発展のために投資を行なったり、株主への配当をすることから考えても、利益を出すことが会社にとっての最大の目的であす。しかし、それだけを追求していても、立ち行かなくなるのが会社の興味深いところです。

営利性のみを追求し続けると会社に問題が起こる

実際、利益を得ることだけを会社の目的と考えている会社や経営者もいるかもしれません。しかし、利益を得ることだけを目的と捉えてしまうと、結果としてその会社が利益至上主義に陥ってしまう可能性があると言えます。そのような主義の会社が行き着く先は、利益を得るためには個々の従業員を顧みないブラック化や、粉飾決算や不正会計事件を引き起こす企業となりゆくと言っても過言ではないでしょう。もちろん、利益を出すことは良いことであり、会社の目的のひとつではあるのですが、利益を出すまでのプロセスこそ重要なものとみなし、会社としての存在意義や、会社の使命の徹底をすすめ、必要事項を収まるところにすべて収めてから初めて、正しい利益が出ると考えてよいでしょう。

利益とは、会社の事業や経営がうまくいっているのかを正しくあぶり出すものとも言えるのです。

「会社」のメリットとは

個人で活躍するビジネスパーソンの中には、「会社」というくくりが必要のない人もいることでしょう。が、「会社」にはメリットがあります。
それは、個人では体験できない規模のことや、一人ではたどり着かなかった考えの事業に、「会社」が持つ共通の意識やモットーを持って挑戦できることです。会社に所属していない人同士で何かを成し遂げようとすると、さまざまな事柄についての照らし合わせや申し送りが必要とし、必要以上に手間がかかったり、曖昧になってしまう事柄がある場合があります。しかし、同じ会社に所属している人同士であれば、共通のインフラもありますし、会社の人格や、持モットー、会社の仕事目的、意義、ねらいについての共通理解や教育がされているために、仕事をすすめやすいときがあると考えられます。

また、個人が顔出しで行なうと進めづらい案件においても、「会社」であればやりやすくなる業務もあることでしょう。「会社」とは、個人で働く人たちが増えていく社会においても、まだまだ求められる存在であるといえるのです。

では、改めて「会社」の必要性とはなんだろう?

明治以降、初めての会社ができてから現代に至るまで、連綿と会社は作られ続けてきているわけですが、フリーランス人材の増加や、働き方の多様性が生まれているこの現代において、「会社」という形態を持続させていく必要性はあるのでしょうか? これまで、「会社」とは営利目的の法人であると紹介してきました。法人とは、個人に会社の代表を背負わせるのではなく、その代わりに会社を人のように考えて、会社に法人という人格を持たせる考え方ですが、会社の必要性を説明するためにはもう一度このことを考えることが鍵になります。どんなに能力がある人であっても、たった一人では仕事をすることはできません。仕事とは、相手があってこそ初めて成り立つものであるからです。

亀山社中や渋沢栄一については、こちらの記事でも触れていました

そして、仕事を成り立たせるために会社という人格をどう形成していくべきかを所属する人材皆で構築していくことが必要なたまに、「会社」が必要であるといえます。会社の目的、利益の出し方、会社方針などから、その会社がどう社会に貢献し、利益を出す存在になるのかを人格形成のように構築していくのです。そのときに、一人だけの意見だけではなく、所属する人たちの様々な意見を吸い上げるための広い視野が必要なのです。チームビルディングの集大成が、会社の必要性につながっていくとも言えるでしょう。

「会社」と「いい会社」の違いを知る

会社=利益を追求する法人ですが、ひたすら利益を追求していきさえすればよいのでしょうか。決してそうはいかないのが会社でしょう。願わくば、自身が所属する会社がただの「会社」ではなく、「いい会社」であればなおよいと考える人も多いのではないでしょうか。「いい会社」との定義も、人によって様々な考え方があることでしょう。「いい仲間がいる」「価値観が自分や時代に合っている」「条件がよい」「社会貢献できる」「残業がない」「働きやすい」などなど、人によって会社に求める条件も違うのは当然です。

その場合、「会社」の人格=法人格と、働き手である自分自身とのギャップが少ない、あるいはフィットする会社が、その人にとっての「いい会社」と言えるのではないでしょうか。

いい会社にはいいスローガンがある

利益は、会社がうまく機能していないと、簡単には得ることができないものです。そして、会社が機能するためには、その会社が持つ社会へのメッセージとも言える「使命」ががあるはずです。会社の使命は、あなたが入社するにふさわしいものだったでしょうか? もし仕事が立ち行かないほどつらく苦しい時がきたとしても、その会社の持つ使命やモットー、スローガンが、あなたを助け、鼓舞してくれるでしょうか。時代を生き残っていく企業には、必ずわかりやすく、すぐれたモットーがあります。

美への貢献高く、常に日本の化粧品業界の売上トップを走る企業の資生堂は、昨年2017年の売上が1兆円を超え、過去最高となりました。http://www.syogyo.jp/news/2018/02/post_020334

資生堂のスローガンは「一瞬も 一生も 美しく」。そして、これからの50年、100 年続く会社をめざすために2015年に長中期戦略「VISION2020」を掲げ、そのメインテーマを「動け、資生堂。」としています。このように、会社のスローガンも、戦略のテーマもわかりやすく、かつ社員を鼓舞してさまざまな取り組みに派生させられる含みを持つものに入念に設定されていることがよく伝わってきます。

iPhone、アップルウォッチなど、ユーザをつかんで離さない商品開発力とブランド力を誇るアップル社。革新的な視点を意味するスローガンは、「Think different」1997年に発表されたものですが、今もなお斬新でストレートなメッセージと、アップル商品ものつ魅力とのコラボレーションで、消費者たちの心を踊らせるにふさわしいスローガンです。

ライバルのIBMのスローガンが「Think」であったことから、それをひねってつくり出したこのスローガン。これまでにない革新性をもつ商品をつくり、まったく違ったビジネスモデルを開拓していくその革新性は、従来のものをひとひねりして考える精神から生まれてきたものでしょう。

このように、企業スローガンは短い言葉で企業イメージを伝えると同時に、社員のモチベーションを上げるために使用したり、会社が何をどのように考えているのかを社内的認知させるものです。あなたが所属する会社の、スローガンやキャッチコピー、社内目標のテーマはどんなものですか?今一度、よく読み込んでみましょう。いまのあなたとそれらはマッチしたものでしょうか?

あなたが所属する「会社」の法人格はどのようなものですか?じっくり会社の規則やモットー、社則などをよく理解してみましょう。「会社」が、今後も持続が期待できる「いい会社」だったでしょうか?そしてあなた自身とのギャップや、働くときに感じるジレンマはありませんか?働くことや働き方について、今一度よく考えてみてください。

 

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