企業文化や風土を見直すことで、よりよいチームを築きプロジェクトを成功に導く

企業の文化や風土について、普段考えることは少ないかもしれません。しかし、現代のビジネスマンが企業文化や風土について考えることはとても重要です。なぜなら企業文化や風土は、日々の業務から長期的な事業戦略まで、日々の実務面に影響を大きく及ぼすからです。

アメリカのコンサルティング会社であるベイン・アンド・カンパニーによる調査では、対象企業幹部の大多数が「企業文化は戦略と同じくらい重要である」「文化なき企業は並の業績しかあげられない」という意見に同意したそうです(参考:http://president.jp/articles/-/3156)。

企業文化や風土は、会社の歴史や事業内容などによって大きく変わります。時代の変化によって求められるものが変化しつつある今、企業文化や風土を変える必要が生じることもあります。今回は、プロジェクトを進めるにあたってチームの文化や風土をどのように見直せばよいのかについて考えます。

事例紹介 ある大企業でのハードウェアリプレースプロジェクト

全国に支店のある大企業で、現在利用中のOS(Windows7)のサポート終了時期が迫っていることにともない、次期OS(Windows10)への一斉切り替えが決定されました。
そして、OSを切り替えるために最新のハードウェアにリプレースされることが確定しました。およそ2000台規模の機器リプレースプロジェクトが立ち上がったのです。

経過、あるいは原因 ヒエラルキー型の組織で、突然リーダー不在の状況になったら

日本企業の一般的な組織構成はヒエラルキー型と呼ばれる縦型の構成です。この形の組織は機能ごとに組織が作られ、縦割りで作られています。ヒエラルキー型組織のメリットは、機能・責任・指揮命令系統がわかりやすいという点です。そのため、日本の企業では大企業を中心に多くの企業がこのシステムを採用しています。プロジェクトに関してもヒエラルキー型の組織構成が多く、リーダーが筆頭となってプロジェクトをまとめ、メンバーがその手足となって振り分けられた業務を遂行するのが一般的です。

今回取り上げるリプレースプロジェクトも、ヒエラルキー型の組織体制で円滑に進んでいました。ところが、プロジェクトリーダーが事故を起こして入院することになりました。
つまり、退院までの数週間、リーダー不在の状態になってしまったのです。すべての作業をリーダーが統括し指揮命令をおこなっていたため、メンバーは動揺し、現場は混乱しました。

知識化する ミドル・リーダーを活躍させる

ミドル・リーダーの奮闘

プロジェクトリーダー不在の状態に陥り、メンバーはこのプロジェクトをどう進めればよいのかわからず、上司(管理職)に相談しました。すると、上司はこの状況を解決するために後任(代理)のリーダーを立てず、あえてプロジェクトメンバーに任せることにしたのです。今まではリーダーが率いていたプロジェクトを、現場のミドル・リーダー(それぞれの機能をまとめあげるリーダー)に任せました。

ミドル・リーダーたちは普段、決められた役割の中で動いているため、当初は戸惑いました。しかし、プロジェクトを進めるために、今までプロジェクトリーダーに相談していたことをミドル・リーダー同士で相談し合うようになりました。それをきっかけとして、徐々に横の連携を図るようになっていったのです。

その結果、ミドル・リーダー同士のコミュニケーションが活発になりました。今まではプロジェクトリーダーを経由することによって横の連携をとっていましたが、定期的にミドル・リーダー同志が集まり、積極的に周りに情報を発信し、連携を図るようになったのです。
さらに、トラブルや問題をチーム内で解決しようとせず所属部署の上司や同僚に相談するようになったことも、横との連携を強めることができた要因の一つとなりました。

ヒエラルキー型組織からからマトリックス型組織へ

さらに、ミドル・リーダーたちは今の体制のままではプロジェクトが円滑に進まないことに気づき、組織体制を見直しました。新組織のポイントは、統率力のあるリーダーがいないかわりに、横のつながりを強化した点です。

プロジェクトチームの枠を超え、所属部署の上司たちをも巻き込み、それまでのヒエラルキー型組織とは対象的な「マトリックス型組織」へと変わりました。マトリックス型組織のメリットは、状況に応じてプロジェクトメンバーを柔軟にアサインし、稼働させることができる点です。今回のように、急きょリーダーが不在になり、トラブルや問題が発生するプロジェクトには向いている場合もあります。トライしてみる価値はありそうです。

社会性と広がり 「先を読む力」でチームを変える

チームの文化や風土の改革、先を読む力

プロジェクトをまとめていたリーダーが不在になるという状況になった場合、通常であればリーダーの代理を立てるでしょう。しかし、プロジェクトマネージャーである上司は、あえてプロジェクトリーダーの代理を立てず、ミドル・リーダーたちに任せました。つまり、「この課題をプロジェクト内で解決せよ」とメンバーに問いかけたのです。

プロジェクトに限った話ではありませんが、業務を進めるにあたって、今までと同じ体制・同じ手順で物事を進めようとすることはよくある話です。それは過去に成功体験があり、道筋があることでコストや時間が削減できるほか、メンバーの精神的なハードルが下がった状態で業務に取り掛かることができます。しかし、毎回適用できるとは限りません。今までの文化や風土を見直さなければいけない場面に遭遇することもあります。
リーダーだけではなく、プロジェクトに携わるメンバーには以下のような柔軟な考え方が求められます。

・想定外のことが起きた際、広い視点で進む方向を見極める力
・環境の変化に流されず、変化を取り込んで動ける力
・担っている役割の成果を最大限にするため、組織に変化を生み出せる力
・職責を果たすプロセスのなかで自分の能力・価値観を見直し、柔軟に変化し続ける力

チームの現状について考える

今回はリーダーが急きょ不在になるというトラブルがきっかけだったので、不安材料が明確でした。そのため、プロジェクトメンバーに「企業風土(文化)を変えよう」というモチベーションが高い状況にありました。

しかし、「なぜかよくわからないけど、プロジェクトがうまく回らない」ということもあります。この場合「うまく回っていないけど、メンバーが残業すればなんとかなる」と考えていてはいけません。うまく回っていない組織や仕組みは、基本的な部分がぶれていることが多いのです。何のためにこのプロジェクトが立ち上がったのか、クライアントから何を求められているのか、プロジェクトのゴールはどこにあるのか等のビジョンを明確にしましょう。

まとめ 柔軟に考えることがポイント

ビジネスを取り巻く環境は常に変化し続けています。想定外の状況に置かれることがたびたびある場合、既存の文化や風土に固執することなく、柔軟性のある考え方が求められます。会社全体の風土や文化を変えていくことは難しいかもしれませんが、プロジェクト単位であれば実現も可能です。風土や文化の構築は、上から押しつけられるものではなく、自ら生み出し、柔軟に変化させていくことも重要です。よりよいチームを作り上げるため、今一度企業の風土や文化について考えてみてはいかがでしょうか。

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