育休の義務化?育休男子の実態とこれから

自民党有志による議員連盟の発足で話題になっている男性の育児休業義務化。子どもが生まれた男性に育児休業を原則100%取得させる仕組みの導入を目指して、準備が始まるそうです。9年前に男性も育児休業が取得しやすくなる「パパ・ママ育休プラス」の制度が新設され、改正育児・介護休業法が施行された2010年に1.38%だった男性の育休取得率は5.14%(2017年度)まで増加。それでも、2020年までに13%という政府目標にはほど遠い状況となっているため、次なる一手として「義務化」に舵を切ったのかと思います。

働き方改革の流れもあり、男性の育児休業について前向きに動き出している国や企業。一方で、この「育休の義務化」には賛否の声が上がっているようです。そこで今回は、男性の育児休業についてご紹介したいと思います。

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育休男子は本当に増えている!?

今回の「男性の育休取得義務化」のニュースの前にも、男性の育休取得について話題になった事例がありました。

サイボウズの青野慶久社長やメルカリの小泉文明社長、三重県の鈴木英敬知事などの各界の著名人パパの育休です。さらに最近では、大手ハウスメーカーや大手都市銀行で男性社員に約1ヶ月の育休を取得させるという制度を導入し、すでに「義務化」に踏み切っているということも注目されました。

他にも、ワーク・ライフバランス社が提唱する「男性育休100%宣言」プロジェクトでは、現状、男性の育休100%取得を目指すことを宣言している企業は31社だと言います。公式サイトには、宣言企業の経営者の顔写真とサインが紹介されているという気合の入りようで、男性の育児休業がいかに盛り上がりを見せているかが分かります。

国や企業の取り組みもあって、男性の育休取得率は年々高まりつつあるようです。しかし、内閣府男女共同参画局の調査で、民間企業だけを抜粋して見ると男性育休取得率は2004年に0.5%だったのが、2015年に2.65%とわずか2%程度しか増えていません。こんなに世の中で話題になっているし、周りでも育休を取っている男性がいるというのに、あまりに低い数字のように感じてしまいます。2020年までに13%という政府目標そのものも目標にしては低く感じますが、実態と照らし合わせると決して低い目標ではないようです。

育休男子の実態

個人的な感覚ではありますが、子どもの誕生を機に会社を一定期間休むなど働き方を変える男性は確実に増えているように思います。ただ、それが「正式な育休」ではないから、カウントされていないのではないでしょうか。

「正式な育休」は、取得した経験のある人は分かると思いますが、かなり手続きが面倒なものです。取得者本人が準備する書類も多いですし、所属企業(の人事や総務)が準備する書類も多くあります。なぜこんなに面倒かというと、育休中は相当な好待遇を受けられるからです。健康保険や雇用保険など各種社会保険料は免除されますし(個人差はありますが、給与に応じて多い人だと月に数万円程度と、かなり大きい金額になります)、何より産後6ヶ月までは給与の67%もの育児休業給付金が支給されます。

これだけの好待遇を受けるのは簡単ではなく、前述の申請書類の準備や、資格取得の承認を得る時間がそれなりにかかってしまいます。私の経験では、申請してから実際に給付金の振込まで数ヶ月かかったように思います。このような背景から「正式な育休」を取らずに、育児参加をしているパパは大きく以下の2つに分けられます。

有休消化

正社員で長期間勤めていると、有給休暇は年々たまっていき、消化前に期限が来て消滅してしまうことが珍しくありません。「正式な育休」でも最大67%(子どもの月例により変化)もの給付金はもらえますが、100%の収入ではないですし、支給まで時間がかかることが多いです。

このようなことから、手っ取り早い方法として、2週間〜3週間程度であれば、有休消化をしてしまったほうがずっと早いし、楽。ということで、「正式な育休」取得に踏み切っている例は少なくないと思います。

在宅勤務

テクノロジーの進化によって、どこでも仕事を進めるのが身近になりました。在宅勤務を導入している会社も珍しくありません。そこで、子どもの育児をサポートする期間は在宅勤務に変えて、仕事を進めるパパも多くなったように思います。

1週間であれ、2週間であれ、仕事を丸々休むのはそれなり準備が必要で、休む前は普段以上に残業して働かなければいけないなど、本末転倒とも取れる状況に陥りがちです。在宅勤務へのシフトであれば、仕事は滞ることがないですし、ずっと自宅にいるので、育児や出産後の妻のサポートも両立できるので、有休消化よりも身近な働き方の工夫といえます。

無視できない育休男子の問題と目指す姿のギャップ

私の夫も子どもが生まれて数日間の間は仕事を休んだり、在宅勤務をしたりしていました。休んだといっても数日間だけですので、有給休暇か、出産に関連した会社の特別休暇だったのでしょう。育休の足元にも及ばない日数…と思って、よく調べてみると、厚生労働省によると、育休を取得した男性の56.9%は5日未満という調査結果がありました。次に多いのが5日以上1ヶ月未満で26.3%。つまり、たったの2%程度しかいない育休男子のほとんどが1ヶ月未満の短い期間だということが分かります。一方で、女性はどうでしょうか。6ヶ月から12ヶ月未満が54%、次に多いのが12ヶ月から18ヶ月未満で27.6%という結果。この数字をみると、育休はただ、取得すればいいというだけではなさそうです。

男性の育休の取得が義務化されたら、おそらく多くの企業やそこに在籍する男性社員は面倒な書類の準備をして取得実績を作るのだと思います。その育休がたったの数日間(最悪1日)であっても。それでは、ただ書類の準備に忙しくなる人が増え、育休を取得する人が増えれば増えるほど、それにまつわる手続きをする人の残業時間も増えてしまったりしないのでしょうか。

つまり大切なのは、育児休業を義務化するだけでなく、その育休期間も適切に管理してほしいと思うのです。取得義務化の次の段階なのかもしれませんが、ただ、義務化するだけでなく、その質こそ、真の働き方改革であり、少子化対策に繋がるのではないかと思います。

まとめ

男性の育休取得の義務化について少し否定的に書いてしまいましたが、個人的には大賛成。日本という国民性から考えて、「義務化」というほどの圧力を与えないとなかなか変われないと思うからです。

本文でも触れましたが、女性は1人出産するのに1年から2年程度、仕事を休みます。この期間が長すぎるかどうかというのは今回あえて触れませんが、この年単位の休職期間は少なからずブランクとなって、仕事・キャリア上、ネガティブに働きます。休職する側にとっては不利、逆に企業にとっては〝課題〟になります。出産年代の女性は年単位で休むのが当たり前と思うと、採用の時に男性のほうが休むリスクが低いと思って優先するでしょうし、昇進・昇格の年齢でも男性のほうを重視する気持ちも大変よく理解できるのです。

出産は女性特有の機能ですから男性に出産してくれというわけにはいきませんが、数ヶ月や年単位で仕事を休むのが女性だけではない。男女とも当たり前に育休を取るという世の中になれば、仕事やキャリアの領域で女性だけがネガティブな存在になることが少なくなるのではないか。そう期待して、これからの育休男子の変貌を楽しみにしていきたいと思います。

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