仕事で失敗ばかり… 失敗原因から学ぶべきこと

みなさんは仕事のプロジェクトで失敗をしたことはありますか?個人的な小さい失敗から、会社にとって大損害になるような失敗など、規模にもいろいろありますが、大なり小なり誰でも経験があることでしょう。しかし、その失敗が続いてしまう人もいれば、それをしっかりと教訓にすることで、成功につなげられる人もいます。今回は、主な失敗原因と、そこから教訓にするコツをご紹介します。

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良い失敗と悪い失敗

まずは失敗にも種類があることを知っておきましょう。

工学者であり、東京大学名誉教授の畑村洋太郎著『失敗学のすすめ』によると、失敗は大きくわけて2種類あります。それは、ひとつは技術の発展のため、生活の発展のためなど、その失敗が後進の人たちや世の中へと役立てることができような、前向きな「よい失敗」。もうひとつは、事前の予測やシュミレーション、計算や想定不足など、準備や配慮が足りなかったために起こってしまう「悪い失敗」です。

失敗は日本で忌み嫌われる

しかし、たとえ「良い失敗」であっても、日本では「失敗」は忌み嫌われているのが現状です。それがビジネス上のものなら、それは汚点であり、誰にも知られないように隠すべきものという風潮もあるでしょう。確かに、失敗はできれば起こしたくないもの。しかし、起きてしまった失敗は、自分のステップアップに必要な試練ととらえて、発展のための糧にできるよう、マインドを律しておきたいものです。失敗を糧にするには「なぜ失敗してしまったのか」をまず考えることが必要です。

プロジェクトが失敗になる要因・原因

また同じ失敗が起こらないようにするためにも、しっかりと原因を分析しましょう。そもそも、ビジネスで失敗が起きる理由には、大きく3つのことがあげられます。

会社、技術、風土など、ビジネスが成熟していること

成熟しているビジネスや会社では、会議ひとつを例にあげると、会議にでて議論し、(ビジネスにとって)必要な決定を行なう場ではなく、会議自体の開催が意味をもつだけの形骸化がみられたりします。つまり、ルーティンとマニュアルによって効率をあげ、必要以上に担当者に考えさせないで仕事をする文化を育てがちです。

そうした会社では、プロジェクトを進行させていくときには、部署ごと担当者ごとでは決められた仕事をこなすことができても、プロジェクト運営に必要な全体のとりまとめや連携をうまくとれず、またマニュアル以外の動きをとることもできず、プロジェクトが沈没する危険性があります。

大増産などがおき、生産ラインと人材、機械がマッチしていない

2つ目は、大増産のため急激に仕事量が増え、生産ラインに混乱があったり、無理をして稼働しているような場合です。そのような無理な稼働では、事故がおこったり、多忙のために人材に必要な休息がとれず、疲れから小さな危険を見過ごしてしまいます。そして、それが大きな危険へと発展させる可能性を作ってしまうのです。

コストダウン、リストラ対策が行われていること

3つ目は、2つ目の大増産とは逆に、販売縮小のためコスト削減、リストラが進行しているような会社、職場に考えられるケースです。このような場合だと、本来の力を発揮せず、最低限のことしかしない人や、心ここにあらずで責任感なく仕事をする人などが出てきたり、またストレスをかかえて病気になってしまう人が出てしまいます。このような状況下では、いきいきと仕事をすることは難しく、注意が散漫になり、失敗が起きる可能性が高くなります。

原因管理と失敗から学ぶべきこと

上記のような環境のなかでも、失敗を起こさないために、起きてしまっても対応できるようにする必要があります。そのためには、仕事にかかわる人すべてが自分の役割を十分理解したうえで、自分が出す結果やパフォーマンスと、必要な行動を管理することが重要です。

これを「原因管理」といいます。

原因管理ができれば、おのずとめざすべきゴールを迎えることができ、目的意識もアップするために、効率もあがり、現在社会的に問題となっている長時間労働も解決できることでしょう。また、同時に失敗を未然に防いだり、再度失敗が起こっても、失敗から学びや教訓をくめる力を養えます。

原因管理の方法を改めて知ろう

「原因管理」とは固い言葉ですが、実際にそのために行なうことは非常に地に着いた、ビジネスパーソンならばいつもやっていることも含まれます。
原因管理に必要なこと、具体的には、以下の3つにまとめられます。

ジョブディスクリプション(job description)をする

人員の過不足や、誰が何をしているのかを知るために行なわれることの多いジョブディスクリプション。徹底的に、自分がいつも行なっている業務を洗い出して書き出していきます。それを俯瞰的観点で確認することが重要です。そうすると、ルーティン的に行なっていた業務が、必ずしも自分がする必要はないことがわかったり、あるいは全体をみて、するべき仕事が見えてきたりと発見が必ずあります。仕事を人ごとに羅列できるため、組織編成にも有効です。

ToDoリストの確認

その日するべきこと、今週中にすべきこと、すべてをメモでも手帳でもよいので羅列していきます。頭のなかに入っていると思っていても、何かトラブルが起きたらつい一つ忘れてしまったりと、人の記憶力や遂行能力は完璧ではありません。ToDoリストをいつも手元におき、するべきことを思い出す時間を節約しましょう。そして仕事のやり残しをしないことです。

スケジュール、予算の確認

当たり前ですが、スケジュールや納期、予算などの具体的な数字を確認しておくことを忘れてはなりません。それらをきちんと把握したうえで、設定よりも早く、案件をクリアしたり、予算よりも多く利益をだせるように工夫していくべきです。目標は具体的な数字であればあるほど、目標として達成しやすいでしょう。

上記の3点を徹底して行うことで原因管理ができれば、自分の仕事の全体の理解が深まります。仕事全体を理解するということは、力のあるビジネスパーソンでしたら必要なスキルです。

仕事全体を知る能力は、大きな組織ではなかなか習得することが難しいものです。スタートアップの企業で、組織がまだ小さいうちは、どんな業務も自分進めざるを得ず、必然的に仕事全体を知ることができます。大きな組織に属している人は、仕事の全体を知ることに時間も手間もかかりますが、セミナーで知識を得たり、他部署の人と情報交換するなどして、スキルを増やしましょう。

仕事全体を理解できた人材は、その仕事の真のプロフェッショナルとして、広い視野をもって問題に対処できます。仮に問題や失敗が起こっても、持っている知識をつかって、必要な対処方法や、人材を提示することができるのです。
そして、その力は、失敗を教訓として、必要な部署や人に届けることができる力にもなるのです。

失敗はたくさんしたほうがよい?

勝負ごとは痛いめにあわないと止められない、とか、体験を伴わない知識は失われやすく、身につきづらいとなどと言われます。

失敗に直面した人はどうなるのでしょうか。失敗すると、人は自分を責めたり、周囲に責任を負わせたり責めたりします。パニックを起こす人もいますし、あまりのショックに思考停止に陥ってしまい、何も対処できなくなってしまって、失敗をさらに大きな問題にしてしまう人もいます。しかし、失敗はいつも突然起こるわけではありません。

失敗には予兆がある

前出の畑村洋二郎氏は、著書『失敗学のすすめ』で、ハインリッヒの法則に触れています。その法則とは、事故にしろ失敗にしろ、大きなカタチでそれが現れるときには、その前には同じような30くらいの小事故、小失敗があり、さらにその前には予兆を表す300のサインが現れるという法則のことです。その法則からいえば、突然降ってわいたように思える失敗も、事前に予兆が必ず現れているはずなのです。

失敗は最小限に

ライター自身も、失敗はいろいろしてきましたが、納期遅れ、と言われて具体的に思い出せる事例があります。その苦い経験をもって「納期遅れ」と聞くことと、経験なしで聞くのとはやはり違う感情があるのではないでしょうか。

しかし、経験が大事だということで失敗ばかりしていても、いつかまわりからの信用をなくしてしまうことになりかねません。よい失敗はいい経験をもたらしてくれるかもしれませんが、失敗は最小限に抑えましょう。
失敗体験は、失敗したその人の中に深く根付き、痛みをもって、新たな知識を受け入れる素地をつくってくれることでしょう。

失敗を教訓にするには

最後に、失敗が起こってしまっても、その失敗を教訓に変えるノウハウをご紹介します。

失敗を分析しよう

もし失敗してしまったら、その失敗をよい失敗経験に変換できるようにしましょう。体感した失敗知識と、他人の失敗体験を仮想の失敗体験として理解していき、後から学んだ知識と融合させて、自分の知識としていきましょう。
失敗を有効な情報にするためには、その事実をただ羅列するのではなく、なぜそれが起こったのか、どのように対処したのか、その失敗後の総括、そしてそれをシェアできるように知識化し、分析することが有効です。

失敗情報を共有しよう

共有したい失敗情報がある場合、その失敗した本人を責めたりする風潮があっては、失敗した人が、保身のために事実をねじまげて報告してしまったりなどする可能性があり、正しい真の失敗情報が得られません。

責めたり批判することのない環境をととのえて、その情報を伝えられるようにしましょう。正しい情報を伝え、シェアできていれば、例えば規模の大きな会社でも、違う部署で同様の失敗が起こることを避けられます。

失敗やマイナスポイントに向き合おう

失敗に対して向き合う姿勢をとりましょう。人は、自分が苦労してつくりあげた企画や商品、サービスに対して、どうしてもよい面を見ようとしてしまうものです。その心は、企画したものに対して客観的にあがったマイナス面や、マイナス評価などの仮定を、過小評価したり、見なかったことにしてしまい、失敗を招く要素を作ってしまいます。もしローンチ前の商品やサービスにマイナスポイントがあることがわかれば、ローンチ前に修正できるほうが、批判されるのが耐えられずに修正をしないことよりも良いはずです。

「原因管理」と失敗から学ぶ術に関するまとめ

日本では失敗は忌み嫌われるもの、隠すべきマイナスなものとしてとらえられがちです。原因管理をして、失敗を減らし、もし失敗してしまったときは、失敗をプラスにとらえ、仕事に有効な面を見いだし、その情報を活用してみましょう。

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