事例紹介
2018.07.10

ビジネスモデルの基本概念|ビジネスモデルにみる組織のあり方 Vol.1

チームハッカーズでは、今回から「ビジネスモデルという視点から今後の組織のあり方について考える」という未来志向の連載を始めます。

高度情報化社会の現代においては、インターネットの誕生により社会や人々の生活が大きく変化してきました。チームハッカーズのキーワードでもある「チーム」「組織」に着目してみても、そのあり方は大きく変化しています。
今後、組織のあり方はどのように変化していくのでしょうか?

今回は、連載のはじめとして、ビジネスモデルの基本概念やその歴史についてみていきたいと思います。

ビジネスモデルとは?


ビジネスモデルとは、ひとことで表すと「企業が継続的にお金(売上や利益)を生み出す仕組み」のことで、「誰に、何を、どのように提供し、どこでいくら稼ぐか」ということを具体的に仕組化したものです。

ビジネスモデルには、シンプルな物販モデルから、広告モデル、ライセンスモデル、マッチングモデルなど、様々なビジネスモデルが存在します。ただし、どんな時代でも成功するビジネスモデルというものは存在しません。なぜなら環境や時代が変われば、成功するビジネスモデルも変化するからです。

絶対に成功するビジネスモデルはないとしても、ビジネスモデルの中にどんな時代でも成立する共通の法則を見出すことができれば、時代の波に乗れるような適切なビジネスモデルを見出すことができるかもしれません。

また、ビジネスモデルの土台には、必ず「組織」があります。ビジネスモデルを知るということは、組織のあり方を知ることにつながります。

そこで、まず歴史を振り返る作業から始めてみましょう。

人類史上最も成功した古代ローマ帝国というビジネスモデル


皆さんは、ローマ帝国をご存知でしょうか?
ローマ帝国は、その昔、現在のヨーロッパ地域できわめて長期間継続した帝国の名前です。ローマ帝国の大きさは地中海全域に広がり、ブリテン島(イギリス国土の中心的な島)や中近東にまで及んだといわれています。

ローマ帝国という一つの組織が、これだけ広い地域を、長期間にわたって支配したことは、人類の歴史において後にも先にもありません。この点からみると、ローマ帝国という組織は、人類史上最も成功したビジネスモデルであるといっても間違いはないでしょう。

組織のあり方を歴史に学ぶという意味では、ローマ帝国のビジネスモデルを知ることはとても重要です。なぜなら、ローマ帝国は人類史上最も成功したビジネスモデルであるからです。これだけ長く一つの組織が存続するということは、そこに何か組織を存続させるためのポイントがあるからだといえます。

また、人間の行動原理はいつの時代も変わらないため、ローマ帝国時代の組織運営は現代の企業経営においても役立つことが多いです。
例えば、リーダーについて考えてみてください。リーダーに必要な素質や能力は、いつの時代においても変わらないものが多いと思います。リーダーと呼ばれる人の考え方や行動は、どのような立場の人にとっても参考になります。

ビジネスモデルについて知り、その土台である組織を構成する人々の行動原理を知ることができれば、これからの組織のあり方をより具体的にイメージできるかもしれません。

ビジネスモデルの2つの基本概念

今後の連載では、様々な時代のビジネスモデルについてみていきます。その中で、最低限知っておきたいビジネスモデルの基本概念についてみていきましょう。

ビジネスモデルには2つの重要な基本概念があります。それは「多様性の確保」と「フロンティアの拡大」です。

①多様性の確保

多様性は、良い組織をつくるために重要な要素の1つです。

歴史的にも、積極的に様々な人材を取り入れて多様性を確保できた国や企業は、多様性を確保できなかった国や企業よりも優位に立てることが証明されています。ローマ帝国は多様性を欠いたために崩壊したともいわれています。

企業における人材マネジメントの観点から見ても同じことがいえます。似たような考えをもった人を集めると、意思疎通が簡単にできるのでプロジェクトがスムーズに進むと思われがちです。確かに、それは正しいです。しかし、同じ考えの人ばかりを集めるというのは、企業においては大きなリスクといえます。

なぜなら、何か大きな変化が起きたときに、多様性を欠如した組織を存続させることは不可能だからです。

組織において多様性が確保されていない場合、変化に対応することが難しくなります。いつの時代も、変化に対応し成長を続けてきた組織は、総じて革命的な人物を抱えていました。例えば、アップル社のスティーブ・ジョブズが良い例です。彼は、圧倒的なカリスマ性と異質性をもってアップル社を1兆円規模の企業に育て上げました。

多様性の確保は、良いビジネスモデルを作り、企業を存続させるために重要な概念であり、多様性がなければ一つの組織を長期間存続させることはできないといえます。

②フロンティアの拡大

もう一つの基本概念は、フロンティアの拡大です。

フロンティアの拡大というと、土地や領土の拡大をイメージしがちですが、ここでいう「フロンティア」とは土地や領土的な意味だけではありません。ほかにも、未開拓の分野や新分野、学問やテクノロジーの最先端といった意味も含みます。

日本の高度経済成長を例にみてみましょう。
日本は、第二次世界大戦までは、戦争に勝ち領土を広げることで成長してきました(地理的拡大)。一方で、高度経済成長期は、経済規模の拡大により、新しい仕事や企業などの組織が次々に誕生しました(新しい経済活動の増加)。
このように、土地や領土の拡大や経済規模の増加など、フロンティアの拡大が可能な場合に、国や企業は成長を続けることができます。

世界的にみてみると、20世紀中ごろからは地理的拡大という意味でのフロンティアは限界に達しています。しかし、「情報」という側面から世界をみてみると、インターネットの急速な普及や新しいテクノロジーの進展により、無限といって良いほどのフロンティアが広がっています。

そう考えると、情報化の流れの中で、今後ますます組織のあり方が大きく変化する未来が見えてくるのではないでしょうか?

まとめ

いかがでしたか?今回は、ビジネスモデルの基本概念やその歴史についてみていきました。
次回以降の連載では、ローマ帝国や江戸時代の日本のビジネスモデルについて具体的にみていきたいと思います。

>>連載2「最強のチームは存続できない!?ローマ帝国に学ぶ多様性」を読む


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