F1レーサー「キミ・ライコネン」にみる仕事へのアプローチとは?

今の日本においては、若者の車離れの傾向がたびたびニュースになっていますが、自動車産業は日本にとっても要の産業の一つであり続けています。そして同じく、日本のメーカーが世界の強豪と対峙する強いクルマを求め、しのぎを削るモータースポーツも、根強いファンを惹き付け続けています。2018年はトヨタのGAZOOレーシングにとって、伝統の耐久レース、ルマン24時間レースの悲願の初優勝を手に入れた記念すべき年でした。そして、トヨタと同じく、いやそれ以上にレースに懸ける日本のメーカー、本田技研工業にとっても今年は記念の年。ホンダグループが運営する鈴鹿サーキットでのF1グランプリの開催が30回目となる年なのです。
参考URL: http://www.suzukacircuit.jp/f1/

「レースはホンダのDNA」という精神を体現すべく、フォーミュラ1で進化を続けているホンダはバブルの全盛期を経、一時撤退はありましたが、2015年~2017年にはマクラーレンへのF1エンジン供給を復活させ、2018年からはトロ・ロッソにワークス仕様のパワーユニット供給でパートナーシップを結び、2019年からは強豪レッドブルにホンダ製パワーユニットの供給をスタートするというニュースがあり、ホンダは以前のような強いホンダへと復調するのではと期待されています。
参考URL:https://www.huffingtonpost.jp/2018/06/19/redbull-honda_a_23462558/

自動車メーカーが最大限に努力し強くて早いクルマを作り、仕上げはドライバーで結果が決まります。鈴鹿サーキットでのF1グランプリ開催30周年を記念する今年、最大の見所のひとつは、今期でフェラーリを去ることが決まったライコネンの走りでしょう。
キミ・ライコネン。カーレースの最高峰、F1で長年活躍するレーサーで最年長の彼をご存知でしょうか?フィンランド出身でニックネームはアイスマン。その冷たそうなニックネームとは裏腹に、今もっとも人気のあるF1レーサーの一人でもあるレジェンドな存在です。この記事では、ライコネンに見る仕事へのアプローチをについて考察していきます。

驚きのライコネンの移籍先

スポーツカーの頂点に君臨し続ける最高峰、フェラーリに2014年から所属するライコネンは、今年2018年時点において38歳。年齢もあり、そろそろ移籍や、引退をするのではないかとモータースポーツファンの間でもっぱらの噂でしたが、この9月、ついに去就が発表されました。それは格下のザウバーに、2年契約で移籍するというもの。このニュースはファンに驚きを持って広がりました。

ザウバーは、現在F1に参戦しているコンストラクターのなかででは歴史あるレーシングチームではありますが、現在ライコネンが所属しているフェラーリと比べると規模も、クルマの強さやスピードも格下であるのは明らかです。フェラーリは近年クルマの仕上がりがよく、常に上位表彰台をキープし続けていますが、ザウバーは表彰台に縁がありません。しかし、それでもライコネンはそちらに移籍することを決めました。本来であればライコネンはフェラーリに残り続けたかったと報道されていましたが、実質第一ドライバーのセバスチャン・ベッテルの能力に不満を持ったフェラーリが、若手の育成をはかろうとして、フェラーリのエンジン供給を受けているザウバーのドライバー、モナコ出身のシャルル・ルクレールを2019年に迎えることを決断したためベテランのライコネンを放出するに至ったという経緯です。

ライコネンは、ここ最近のグランプリでは複数回、実質第一ドライバーのベッテルに、上回る結果を出し続けたにもかかわらず、ベッテルの仕上がりの不安定さとフェラーリチームの今後のためにライコネンが放出されたということになります。そのライコネンが2019年の所属を決めたザウバーでの契約は2年契約なので、契約期間を全うできればライコネンは41歳になります。世界最高峰のカーレースというスタミナ、スピード、プレッシャーなど、全てにおいて極限が求められる環境で、40代でもまだ結果を出し続けられる可能性を持っている存在というのは、驚くべき存在です。
年齢も理由のひとつでライコネンは年齢で切られてしまったわけですが、そこで引退を選ばなかったことがライコネンのレースへの情熱や、アグレッシブな態度を感じさせられます。

ビジネスにおいても、ライコネンのような処遇を受けるときがあります。これまでの実績がある古株の社員がいるのに、新しい管理職の人材が入社してきてしまうような場合が同じようなケースと言えるでしょう。もしそんな処遇を受けたときに、たとえこれまで所属していた会社よりも規模が小さくなろうとも、新天地で、自分の能力を存分に出せる環境を選ぶことができたら、仕事人生もまた違った視野が広がっていくのではないでしょうか。

長いレーサー人生のモチベーションをキープするコツとは

ライコネンは、2019年から所属するザウバーにおいてレースをするのは実は2回目。初めてのF1デビューはザウバーからスタートさせています。ライコネンは2001年在バーでキャリアをスタートさせ、マクラーレン、フェラーリの3チームを2009年までF1でキャリアを積んでいます。
フェラーリがフェルナンド・アロンソを迎え入れることによってライコネンとの契約を解除するなど、F1でのごたごたやメディアからの注目にうんざりしたライコネンは一度F1を離れ、世界ラリー選手権(WRC)やNASCARに参戦を行います。別の境地でもレースで結果を残した彼は、満を持して2012年にF1に復帰します。2年のブランクから不調もありましたが、近年の表彰台にからむ活躍は、年齢を感じさせない走りをますます進化させていく奇跡を観客に見せてくれるようです。
このような長いキャリアを持つライコネンは、根っからのレース好きであることを感じさせます。ライコネンは、決して饒舌ではなく、むしろコメントの短さが特徴的でもあり、本心をメディアにさらすことはあまりありません。しかしレースを見れば、彼のレースという仕事への本物の情熱を感じることができます。黙々と続けられるような好きな仕事を見つけられる人生というのは幸せなものでしょう。

私たちビジネスパーソンも、好きだから続けられる仕事や、続けているうちに大切と思える瞬間を発見できるような仕事ができたならば、充実した仕事人生を手に入れたと感じられるのではないでしょうか。

短い辛口のコメントの力

ライコネンと言えば、辛口のコメントや、コメント自体の短さもかねてから大きな注目を集めています。しかしそのコメントは面白いものが多く、よく名言集などとサイトでまとめられたり、コメントをTシャツにして販売もされていました。
ミハイル・シューマッハの、大切なセレモニーの時に、不在だった訳を問われ、「トイレで大をしていた」とコメントしたり、レース中にチームから無線が入ったときに、「はいはいはい、やるべきことはわかってるからほっといてくれ」などとつれない返事をしたり、だいたい何をきかれても、「様子を見てみよう」とか、ある意味適当だったり、つれないコメントが多いライコネンです。先日のイタリアグランプリでも、久々のポールポジションを穫ったのに大喜びすることはなく、「仕事がひとつ終わっただけ」などと冷静そのもののコメントを残し、ひたすらクールな彼。しかし、常に自分を飾らずに短く的確なコメントをすることは、コメント自体でなく、レースという仕事自体に注目すればよいという彼の考え方を読み取れ、つねにその姿勢には一貫性があります。自分の主張や意見に自信を持っていればこその短い辛口なコメントには、いつも考えさせられたり、リアクションをしたくなります。長年F1界におり、プレッシャーを乗り越えてきたからこその重みや、なぜかあふれるユーモアも見逃せないポイントです。

ビジネスにおいても、発言に重みや説得力がある人物というのは影響力があり、一目おかれる存在です。無駄なほど沢山コミュニケーションをとっても、目的や意味が失われてしまっては残念です。発言を端的にできるというのは、状況を良く理解しているからこそなされることなのです。

本当の熱さ

いつもそっけないコメントばかりのライコネン。今期実質第一フェラーリのドライバーのセバスチャン・ベッテルを表彰台に送るべく、ライコネンとクルマの仕上がりを明らかに変えられ第二ドライバー扱いをあからさまに受け続けていても、淡々と仕事をこなすライコネン。しかし放出を決められたあとのライコネンは、もうベッテルに遠慮はありません。本当の第一ドライバーは自分だとばかりに、アグレッシブで、かつミスのない走りを見せてくれます。フェラーリを去る今年、ライコネンが表彰台のトップにあがることも期待できそうです。辛口なコメントが常で、いつも本心を語らない彼の、本当の熱さをレースから垣間みれることが、彼が多くのファンを持っている理由のひとつかも知れません。

私たちビジネスパーソンも、情熱を持って仕事をしているのか、情熱を胸に秘めているのか、日々の業務に追われ、手に入れたい本当の目的を忘れていないか、自分を客観的に見てみましょう。

まとめ

ライコネンというドライバーは、来年も観客を楽しませてくれる走りをしてくれることでしょう。モータースポーツは、その大きな規模からも様々な魅力にあふれています。メーカーによる技術の戦い、ワークスにおけるチームワーク、ドライバーの運転スキルやコメントなど、ビジネスにも参考になるポイントがあふれる一流のエンターテインメントを、これからも期待したいと思います。

効果的なマネジメントの処方箋

組織の潜在能力を引き出してビジネスを成功に導くためには、タスクや時間、そして人に対して、適切なマネジメント(管理)を実践することが必要不可欠です。
しっかりとした方法論に則って、効果的なマネジメントを実現させましょう。

詳細を確認する

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

同じタグのついた記事

同じカテゴリの記事