新しい人材を獲得するためにアジャイル開発を導入するべき理由

職場で存在感を増しつつあるミレニアル世代。彼らは育ってきた環境がそれまでの世代とは大きく異なっているため、ライフスタイルや働き方における点で、多くの異なった価値観を持っています。その一つに「アジャイルな文化」を好むというものがあります。ここでは、なぜミレニアル世代がアジャイルに惹かれるのかを紹介していきます。

ミレニアル世代の特徴

ミレニアル世代とは、1980年代から2000年前後にかけての時期に生まれた世代で、パソコンやインターネットを使いこなし、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)への依存度が高い、いわゆるデジタルネイティブの世代です。

車やマイホーム、海外旅行など、それまでの世代が憧れていたものに興味を持たず、さらには恋愛にも興味がないということが指摘されており、日本では「さとり世代」とも言われているミレニアル世代ですが、働き方に関しても独特の価値観を持っています。

それは例えば「仕事に目的を求める」「仕事の成果を実感したがる」「チームワークを好む」などです。これらの価値観がなぜアジャイルな文化と親和性が高いのかを見ていきましょう。

アジャイル文化

アジャイル開発は、1980年代に、ソフトウェア開発の現場から生まれた新しい開発手法です。アジャイル文化を理解するために、ここでは、従来から用いられているウォーターフォール型の開発手法と対比して説明してみます。

ウォーターフォール型開発

ウォーターフォール型の開発では、製品を開発するまえに、製品の仕様や開発にかかるコストや日数などを詳細に議論し、決定します。そして、その計画に基づいて工程を細分化し、一つひとつ工程をこなしていくことで製品を開発していきます。

この手法には、ガントチャートなどを使って工程の進捗管理を行いやすいなどのメリットがあります。その反面、詳細な計画を事前に作成するので、開発途中での突然の仕様変更や誤作動(バグ)などの予想外の事態に対応することが難しいといった欠点があります。

そして、まさにそのような事態が多発していたのが、ソフトウェア開発の現場でした。そのため、従来のやり方にとらわれない、全く新しい開発の手法がソフトウェア開発者たちによって考案されることになりました。それが「アジャイル開発」です。

アジャイル開発

アジャイル開発では、事前に完成までの詳細な計画を作成するのではなく、2週間程度で終わらせることのできる計画を立て、その短期間の単位(これ「イテレーション」、あるいは「スプリント」と呼びます)を何度も繰り返すことで開発を行います。製品の仕様は各イテレーションの初めにステークホルダーと議論することで決められます。

一つ一つのイテレーションの中でPDCAサイクルを回すため、製品の仕様はイテレーションごとに更新されていきます。そのため、最終的な成果物は、当初の仕様とは大きく異なっているということもありますが、それこそがクライアントが本来求めていたものなのだと捉えるのです。

このようなアジャイル開発はソフトウェア開発の手法として考案されたものですが、ソフトウェア開発に限らない多くの分野で活用することができると言われています。

それでは、アジャイルの手法はなぜミレニアル世代を魅了するのでしょうか?

ミレニアル世代がアジャイルに惹かれる理由

目的意識を感じることができる

従来のウォーターフォール型の開発では、開発者は、初めに決定された計画に基づいて細分化された作業に従事することになります。そのため、「何のためにこの作業をしているのか」という目的意識を感じることができず、機械の歯車になったかのように感じてしまいがちです。

ミレニアル世代は目的を求めます。高い給与や上司からの命令といった外部的な要因よりも、「何のために自分がこの仕事をしているのか」という内的な目的意識に対してモチベーションを感じるのです。アジャイル開発では、イテレーションごとに目標が設定されるので、目的意識を感じて仕事に取り組むことができます。

成果を感じることができる

前述の目的と共通しますが、アジャイル開発では短いイテレーションの中で目標が設定されるために、目的意識を持ちやすいだけでなく、目標を完了した時の達成感も感じやすくなっています。

その際、達成感を短いスパンで感じることができるということが重要になります。それは、ミレニアル世代はチャットやインスタントメッセージなどの速報性の高い情報のやり取りに慣れているため、仕事でも頻繁なフィードバックを受けることを重視しているからです。

チームで働くことができる

ミレニアル世代は、個人間の競争よりも、チームワークで仕事をすることを重視しています。この点で、ウォーターフォール型の開発では、役割別に個人的に別々の仕事をすることが一般的であるのに対して、アジャイルでは、クライアントも巻き込んでチーム一丸となって開発に臨みます。

アジャイル開発の手法の一つが、ラグビーの陣形から取って「スクラム」と名付けられたことからも、アジャイルがチームワークを重視していることが感じられると思います。スクラム開発では「デイリースクラム」と呼ばれる毎朝のミーティングが設定されており、チームの一体感を感じやすくなっています。

以上、3つの観点からなぜミレニアル世代がアジャイル文化を好むのかということを説明しました。最後に、企業はミレニアル世代の好みをかなえる必要があるのかということについて述べたいと思います。

企業はアジャイル文化を取り入れるべきなのか

確かにミレニアル世代がアジャイル文化を好ましいと感じているということはわかりました。それでは、企業は彼らの好みを聞き入れて、アジャイルな開発手法を取り入れるべきなのでしょうか? これに関しては、もちろん一概に言うことはできないのですが、業界を問わず、多くの企業が取り入れるべきであると思います。それには2つの理由があります。

人材の獲得

優秀な若い人材を獲得するためには、企業が変わる必要があります。今までに見たように、ミレニアル世代は高い給与だけでは引き付けることは難しくなってきています。さらに、この世代は転職に対して抵抗感がありません。そのため、彼らの願いを聞き入れなければ、他社に優秀な人材をとられてしまうことになります。

世界はよりIT化していく

アジャイル開発はソフトウェア開発の現場から生まれました。なので、非IT企業これを積極的に取り入れる理由はないように思えます。しかし、今後、ビジネスの世界はますますIT化していきます。現在はITとは直接のかかわりのない業務を行なっていたとしても、いずれはソフトウェアの開発などに携わっていく必要性が出てくるでしょう。その際に、変化に素早くスムーズに対応するためにも、部分的にでもアジャイルの手法を取り入れるべきだと思います。

「新しい人材を獲得するためにアジャイル開発を導入するべき理由」についてのまとめ

ミレニアル世代は「仕事に目的を求める」「仕事の成果を実感したがる」「チームワークを好む」という価値観を持っているということを確認し、アジャイル開発がこれらの価値観と親和性が高いということを説明しました。

アジャイル開発は今後より重要性を増していくと思われるため、すぐに取り入れる必要がなかったとしても、今後のためにリサーチを行なう必要があるでしょう。

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