公共に近い団体がチャットツールを導入するメリット&デメリット

いまや当たり前の話かもしれませんが、業種、業態に関わらず多くの企業や団体ではパソコンを使用しています。IT系はもちろんですが、事務系の業種でもひとり1台割り当てられるのが当然、という企業も多いかと思います。近年はさまざまな場面で電子化が進んでいるのを感じることができるのではないでしょうか。

しかし、地方で、かつ業種が公共に近ければ近いほど未だに「紙至上主義」を感じることはありませんか。市役所や町役場に手続きに行ったり、公共施設の予約をしたり、という場面で、何に使うのかよくわからない大量の紙を記入させられた、ということはないでしょうか。

今回は、とある25万人ほどの都市で、指定管理者として複数公共施設を管理する団体にいた方に話を聞いたうえで、公共に近い団体がチャットツールを導入するメリットとデメリットを見ていきたいと思います。

電子化と非電子化の混在

とある法人Zの様子

とある法人Zは、市から指定管理者として委託を受け、10か所ほどの公共施設を管理・運営する団体でした。各事務所10人~20人程度の職員、契約職員、非常勤職員のほか、清掃や警備などの外部業者が常駐している状態です。職員は20代からある程度高齢の職員までいるため、パソコンに関連するスキルは全くのバラバラです。サクサクと提案資料を作成したり、SNSを駆使したりという職員もいれば、指数本で文字を打っている職員もいるような状態でした。

施設同士連絡方法は、数日に1回各施設の職員が本部に持ってくる回覧板が中心で、それに間に合わない場合は電話やメールでの連絡となっていました。そのため重要な業務連絡でも「回覧板で見た気がするけど、回してしまったから内容の詳細を思い出せない」「そもそも何で見た(聞いた)のか思い出せないけど重要な話だった気がする」というようなことが頻繁に起こっていました。

また、外部業者とのやり取りは、電話、メール、そして紙。毎日使うようなものは特に紙が多く、字がきれいな人もいれば汚い人もいたため「これってなんて書いているんだろう…」と判別に困るケースも発生していました。

紙中心から脱しきれないことによる弊害

施設のうちの1つに、市内で基幹的に利用されている音楽ホールがありました。当然、毎年発表会やリサイタルで利用する団体もあれば、1回限りの興行で回ってくる団体、プロモーション会社など利用者はさまざまです。

数年に1度の利用でも、かなり長期間に渡って利用している団体もあるのですが、このような団体の詳細についてはベテラン職員の頭の中にしかありません。なぜなら、資料から調べようとすると膨大な申請書の中から数年前の申請書を掘り起こす、という作業をしなければならず、その資料にもほしい情報のすべてが書いているとは限らないからです。

パソコンで作ったデータが印刷して渡されることによる手間

また、法人Zは、施設ごとではなく法人として月刊広報誌を発行していました。各施設の主催事業や利用情報などを広報する目的の広報誌です。各施設から広報部に提出される情報は、メールにwordが添付されている場合もあればwordで作成したと思わしき印刷物を手渡されることもありました。

話を聞いた職員のAさんが広報誌の担当になった際、最初に意識したのは印刷物をもらった際に必ずデータ送付を依頼することだったそうです。上長は長年「紙ベース提出でもOK!デザイン会社に打ち込んでもらおう」というスタイルでやっていたようで、Aさんが見ていないうちにデザイン会社に持って行ってることも多く「データがあるのに…」と申し訳ない気分になることも当初は頻繁にあったそうです。

また、校了日になると、編集長がデザイン会社にカンプと自身が管理している分の資料を持って滞在し、デザイナーに赤入れした原稿を渡す→戻ってきたものを校正する
という作業をひたすら繰り返すため、Aさんが各施設から追加で集まった情報を印刷し、車で20分ほどかかるデザイン事務所に持って行く、ということが恒例となっていました。

編集長は、パソコンやネット環境を持たずにデザイン会社に滞在するため、「直接行く」「電話」「デザイン会社の担当者にメールする」の3パターンでしか意思疎通ができなかったためです。

施設同士が離れていることによる問題

ちなみに、施設間は一番遠いところで車で30分以上離れていました。そのため、他の施設の情報は回覧板か噂話でしか入ってこない状態でした。類似施設でトラブルを起こした利用者の情報もなかなか入ってこないため、申し込みがあってから気づく、というケースもあったようです。

チャットツールの導入で考えられるメリットとデメリット

施設間のやり取りの簡素化

前述の通り、各施設は数日に1回、必ず本部に回覧板を交換に来ていました。掲示物など、もちろん直接訪問でしか受け取れないものもあるのですが、大半がwordで印刷された紙に、閲覧済みの判子を押す場所がついているだけでした。

これらは、チャットツールで共有することで代替できるかと思います。また、チャットツールでの共有に切り替えることで、情報の管理も容易になるはずです。同一のチャットツールで施設ごとに複数グループを作成し、総務部や広報部、経理部などは全施設分まとめて閲覧できるように権限を編集しておけば良いでしょう。

また、一部の職員同士が顔を合わせた際にしか共有できなかった各施設固有の情報も、チャットツールで共有することで迅速かつ確実に、誰でも見れる形で残すことができるようになります。

外部業者とのやり取りもチャットツールで

施設間でのチャットツールのやり取りが常態化すれば、広報部はパソコンで作ったはずのデータがなぜか紙で来る、ということも無くなり、デザイン会社にもまとめてテキストで提出できるようになります。

このことで、デザイン業者が文字起こしをしていたことによる負荷を軽減することができます。また、電話でやり取りしていたことによる、聞き間違いなども、テキストベースで情報伝達ができるようになることで減りより正確になることでしょう。

さらに、デザイン会社とも別グループを組むことで、データの共有も容易になるでしょう。編集長が校了日にデザイン会社から出てこられない、ということもなくなるはずです。

起こりうるデメリット

この法人Zがチャットツールを導入する上で考えられる最大のデメリットは、全職員が使いこなすまでにどのぐらいの時間がかかるのか、ということです。パソコンを自然と使いこなす職員も多いですが、中には不得手な職員もいます。そのため、テキストの打ち込みに時間がかかる場合は結局電話をかけてしまう、というケースが考えられます。また、パソコンに強い職員が、そうではない職員に指導するためのリソースも必要になるかもしれません。

さらに、公共施設を預かる、という性質上、情報の機密性には細心の注意が必要です。便利になる反面「ついうっかり」で顧客情報が漏れてしまったなどということがあれば、一気にマスコミなどに取りざたされることでしょう。そのため、職員一人ひとりが高い情報管理能力を持つ必要があります。

まとめ

いかがでしたか。
今回はとある地方の法人Zを例として取り上げましたが、地方の公共団体や財団法人、社団法人などで身に覚えがある、もしくは見たことがあるケースはありませんでしたか?

公共に近い団体ともなると、セキュリティ面で新しいツールを導入したり、提案したり、ということにハードルが高くなりがちです。しかし、近年ではその部分が担保されていたり、力を入れて開発されたり、というツールも多くなっています。

「うちでは無理だ」と最初から決めつけず、まずは一度ツールを導入するメリットデメリットを洗い直し、メリットが上回る場合はどのツールであれば導入できるのか、検討を始めてみてはいかがでしょうか。

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