20代の若者からみた、広告におけるアドテク業界の存在 

連載企画の「シゴトノコトゴト」。第1回目の【A面】ではアドテク業界について、その業界像や実際に働く人たちのスタイルをレポートしました。今回の【B面】では、20代の若者から見た身のまわりにある広告や、アドテク業界に対してどう思うかなどを率直にお伝えしていきたいと思います。

「広告業界はなくならない」ということも聞きました

私たちにとって、インターネットを見ない日・使わない日はありません。その生活の一部にインターネット広告が存在するということは十分にわかりますし、その市場がますます拡大するということも理解できます。だから、この業界は安定していてなくなることがないと判断できるのかというと、そういうことではないのだろうという予想も簡単につけることができます。まさに、テクノロジーの進化で仕事が奪われるという話題がすっぽりとハマる分野なのではないでしょうか?

テクノロジーの発展とは正反対のことなのかもしれませんが、例えば駅などにおいてあるフリーペーパーを使った広告はまだまだ成長マーケットだという説明を聞いたことがあります。その説明を受けている際に、「広告産業は、そもそも極めて最古の産業だ。この産業は姿かたちを変えつつ永遠になくならないものだ」という強弁をしていたのがとても印象的に残っています。そこで、自分でも少し調べてみました。

広告業界の歴史を簡単に振り返ってみると、一番古い広告はイギリス、次にアメリカと当時を象徴していた2国が広告手法を確立させ、現在の広告業界のスタイルを編み出していったことが分かりました。一方日本では、鉄道路線ができた19世紀くらいに、日本初の広告である交通広告が生まれました。いまでは電車に乗っていると当たり前に見る中吊り広告なども、そのような時代に生まれたと思うと、なんだか感慨深く感じます。ちょうどそのころに新聞広告も登場してきたようです。

広告業界の歴史について振り返って見ると、広告が技術革新でその手法や技術の進化を遂げ続けていくということと、紙メディアからからラジオやテレビなどの電波広告、そしてインターネットへと進化を続けてきたさまがわかります。

自分自身の生活の中の広告を振り返ってみると

自分自身の生活の中の広告を振り返ってみても、知らない間に自然とさまざまな媒体を通して広告に接触していることに改めて気づかされました。

具体的に私自身の一日を時間帯に沿って振り返って考えてみると、私自身は進んでテレビを見ることはありませんが、準備している時間に家族がつけている番組などでCMや番組のPRを目にすることが多いです。それから電車で移動すると、必ず目にするのが交通広告です。最近では数年前にはなかった液晶ディスプレイによる動画広告を以前より目にすることが増えたなと感じていました。中吊り広告などの広告も、昔から当たり前にやっているものだと思っていましたし、時々「電車ジャック」とニュースにも取り上げられるような広告手法も以前からあるものだと思っていましたが、10年ほど前にはなかったものだということを知って大変驚きました。また電車の中では、新聞を読んでいる会社員の方をよく見かけますが、我々の世代だとニュースアプリや検索などを使って情報収集をすることが多いですが、その際にもインターネット広告を見ることが多いでしょう。

簡単に自分自身の生活を振り返って見ても、常に何かしらかの媒体を通して広告に接触していることに気が付くことができたかと思います。また広告と言っても、大きく2種類に分けることができます。
1つ目は「新聞・雑誌・ラジオ・テレビ」、この4つを合わせた総称をマスメディアと呼び、その広告をマス広告と呼ばれているものです。マス広告は、幅広い年齢層や人数に届けることができるメリットがある一方で、その広告に対する成果を正確に測ることができませんでした。

これを補うように、どこからでも情報を入手できる時代に生まれたのが、2つ目のインターネット広告です。その、正確に数値化でき成果向上に繋げられることができるという最大のメリットが、世の中への普及を後押ししたということも想像に難くありません。インターネット広告と一言で言っても、種類は多岐にわたります。ただそれまでの広告産業と大きく異なることは、インターネット上で見られるその広告は、自分自身のネット閲覧履歴や過去の検索行動などを踏まえた上で、自分にあった広告を表示させているという前提であることです。さらに、他のWebマガジンなどを見始めると、つい最近買ったWebショップの類似商品がバナーに表示されます。これらの多くは、「ダイナミックバナー」と呼ばれるもので、商品の種類や見る人の属性によって表示される内容が変わります。これも、技術の進化によって実現されるようになった広告です。

このように技術の進化も遂げながら、昔よりも今のようにさまざまな媒体を通して、普段から広告に触れていることをあなた自身も再認識することができたのではないでしょうか。

アドテク業界の実際の仕事は?

アドテク業界のプレーヤーについては、広告メディア・広告主・ユーザーと大きく分けると3つのプレーヤーに分かれ、それぞれについての理解も大まかにできました。ただアドテク業界の仕事については、あまり触れられていなかったので、仕事の中身をあらゆる産業と同様に「作る人」「売る人」という整理をしながら、確認したいと思います。

アドテク分野では、技術が絶対でもあるので、「作る人」が活躍しやすい、さらに言えば高給を得ることの近道もありそうだ、ということはなんとなくイメージできます。広告業界と言えば、以前から人気の産業分野で、人気企業ランキングには代表的な会社が常に上位に君臨していました。したがって、世間的な印象も高給取りで華やかなものだと思われているようです。

しかし、実際の仕事を大ざっぱに言い表すと、クライアント(主に企業)の広報・広告活動をサポートすることが主たる仕事です。具体的には、商品やサービスを世の中に認知・購買してもらうための活動、その一切を任せられています。最近では、これから開催される東京オリンピックでは大手代理店がその一切を担っているということが大きく話題にもなりました。

その仕事をさらに分解すると、営業、プランナー、デザイナーなどと分けられます。インターネット広告の場合、これに「運用」(オペレーター)という仕事もあるようです。これは、プランナーの直下に置かれます。ところで、先に大きく分けた「売る人」「作る人」の分類で整理をすると、この3つの仕事(あるいは4つの仕事)は営業が「売る人」で、プランナー、デザイナー、オペレーターは「作る人」と分類できそうです。

チームハッカーズでも時々、記事の作成時に有名なキャッチコピーが話題になることがあります。有名なキャッチフレーズは、よくその年の流行語にも選ばれたりしますが、時代を切り取るからこそ社会に受け入れられるのでしょうし、社会に対して新しい価値をまさに作っているからではないかと思います。アドテク業界において、1人1人に対するターゲティングのような技術の向上は確かに広告収入の売上につながるかもしれませんが、そうしたキャッチコピーのような従来から存在する広告コンテンツの価値も決してないがしろにしていいものではないのではないかと私自身考えています。

収入は? 生涯賃金はいくらなの?

広告業界の年収相場について見ていくと、平均575万円~675万円ほど(参照:平均年収.jp)です。日本の平均年収が430万円程なので、それと比べると若干高いかなという印象を受けます。ただどの業界にも共通していることですが、大手やベンチャーなどさまざまなプレーヤーが存在しています。特に広告業界のトップを争っているような大手2社の企業では、平均給料が1000万円を超えてくるなどと言った声もちらほら聞こえてきます。

一方で、広告産業を担うのは数多くの中小企業であることもこの業界の真実です。中小の場合は、もちろんかなり利益を出している会社も存在しているとは思いますが、大体の年収は日本の平均年収と近しいものとなることは頭に入れておいてください。

次に年収の上昇率について見ていきます。下記の画像を参考にして考察をすると


参照:平均年収.jp

一般的な会社員と同様に、入社してから定年に向けて徐々に賃金が上がっていきます。最近の傾向として、成果で報酬を決める成果主義に代わっていく企業が多い中で、いまだに年功序列のような給料体系がとられていることがわかるかと思います。こちらは少しうがった見方をすれば、先に挙げた数多くの中小企業を中心に見てみると、従業員の平均年齢がそもそも高かったり、勤続年数が国内平均よりもずいぶん多かったり、統計データそのものの偏りも気になります。

一方、アドテク業界を中心に見てみると、この業界はすべて創業10年に満たない企業ですし、特徴としては、IT大手の企業グループにバイアウトしていたり、早期株式上場をしていたり、開発依存の事業体として豊富な開発資金需要を背景にする一方、従業員の構成としては平均年齢が20代である企業が多い傾向です。また終身雇用という前提が既に崩れていますので、エンジニアばかりでなく優秀なプランナーが独立をしたり、そこからまた新たな広告ツールが誕生したりというプロセスもこの10年を振り返っても珍しいことではありません。

さらに、この業界の風土として激務や残業が多く「広告業界はブラックだ」言われることが多々あります。残業代が出ないことや先輩社員からのアルコールハラスメント、心を病んでしまい自殺してしまった例や、社会的にも忘れることができない過労死の問題、いまとなってもニュースとして表に現れています。その結果として、離職率も決して低くありません。そのため広告業界から他産業に移る人も少なくありません。もちろん広告業界を転々と移動する人も多く見られます。

最後に、広告業界を定年まで勤め上げた場合の生涯賃金を確認してみました。
上述した通り、現在では1企業で勤め上げるというモデルはあまり想定し難いですが、例えば、プランナー職をまっとうした人の場合その生涯賃金はどれくらいになるのだろうと試算してみました。
約3億円です。

大手広告代理店に限って、試算をすると約5億円となります。

この差をどう捉えるべきか、読者の皆さんの判断に委ねたいと思います。

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