リモートワークはもう古い?ABWで働き方をもっと自由に

2019年4月に働き方改革関連法が施行され、ますます加速する働き方の多様化。フレックスタイムや残業時間の制限、有給休暇の義務化などあらゆる面から働きやすさを実感しつつある人も多いのではないでしょうか?

中でも、注目度の高い働き方のひとつ、リモートワーク(テレワーク)もますます増えていて、国土交通省の「テレワーク人口実態調査」2018 年版によると、働く人の15%(10人に1人以上)がテレワークを実践している結果になっていました。東京オリンピックに向けて、交通機関の混雑緩和を目指して国が2017年より推進している「テレワーク・デイズ」というプロジェクトも毎年7月に実施。今年も、テレワークの促進に向けてまもなく開催されようとしています。そこで、今回は、リモートワーク(テレワーク)およびリモートワークと、次に注目を集めているABW(Activity Based Working)という働き方についてご紹介します。

欧米先進企業で進むABWという働き方とは?

リモートワーク(テレワーク)や在宅勤務など、時間と場所を選ばない働き方が日本でもかなり浸透してきていますが、さらに先を行く働き方「ABW(Activity Based Working)」というのをご存知でしょうか。ABWとは、オフィスとも在宅とも決めず、働く人が今やるべき仕事のために、どの場所でいつ働くかなどを自由に決められるワークスタイルのことを指します。もともとはオランダの企業で、オフィスコストなどの削減のために採用した働き方だったようです。ただ、働く側にとっても、仕事と私生活のバランスが取りやすくなり、生産性も高められるというメリットがあり、他の地域や企業にも広がっていっています。

なんとなく、リモートワーク(テレワーク)や在宅ワークとの違いが感じられない人もいるかもしれません。大きな違いとしては、「オフィスでも働ける」ということ。実は、リモートワーク(テレワーク)は世界的にもかなり浸透している働き方ではあるものの、一周回ってやはりオフィスで働く価値もあるといった意見も出始めているのです。

例えば、Yahoo!やIBMなどの世界を代表する先進企業が、最近、リモートワーク制度を廃止する動きがありました。背景として、「1人のほうが業務効率は上がるが、協力関係を築いたり、イノベーティブなアウトプットを出したりするには実際に顔を合わせて働くに勝るものはない」というもの。そこで取り入れられたのが、オフィスのどこでも(フリーアドレス)、オフィス外でも、自由に働き手が選べる「ABW」なのです。

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従来のリモートワーク(テレワーク)や在宅勤務と違って、「月曜と水曜日は自宅作業で他はオフィス」などと決まっているのではなく、1人で集中したいときはカフェに行ったり、チームで情報共有をしながらアイデアを膨らませたい時はチームメンバーと近い場所で働いたりと、取り組む仕事の内容次第で場所や時間が自由に選べるのがポイントです。

日本で加速する働き方改革の流れ

一方、日本では働き方改革関連法案が施行されたばかりで、リモートワーク(テレワーク)を含む、新しい働き方の推進はまだまだこれからという状況。フレックスタイムや時差出勤などがかなり浸透してきたとはいえ、朝の通勤ラッシュを見ると、まだ通勤型の働き方のほうが一般的なのが分かります。首都圏を中心とする電車の混雑を思うと、確かに来年に迫ったオリンピックに向けて国が焦るのも頷けます。ちなみに、2012年のロンドン大会では、なんと企業の約8割がテレワークや休暇取得などの対応を行ったことで、ロンドン市内の混雑を解消したそうです。

このような背景で国が進めるテレワーク国民運動プロジェクト「テレワーク・デイズ」。厚生労働省は、総務省、経済産業省、国土交通省、内閣官房、内閣府、東京都や経済団体等が連携して、東京大会の開会式にあたる7月24日を「テレワーク・デイ」として、テレワークの一斉実施を呼び掛けていました。2017年は約950団体、6.3万人の参加だったものが、2018年には1,682団体、30万人以上に。3回目となる2019年は全国3,000団体、延べ60万人以上の参加を目標としているようです。まだ目標値ではありますが、数字だけ見るとこの3年で規模は3倍以上となっていて、リモートワーク(テレワーク)の注目の高さや浸透度が分かります。あと1年で日本も8割にのぼる企業がリモートワーク(テレワーク)をはじめとした多様な働き方の採用を実現できるのでしょうか。

求められるのは、働く側の能力とマネジメント力

「ABW」にしても、リモートワーク(テレワーク)や在宅勤務にしても働き方が多様化することで難しくなるのは、まずはマネジメントです。これは、セルフマネジメント(自己管理)と部下などの他者管理のふたつの意味がありますが、いずれも同じ場所、同じ時間に働いていた時に比べるとずっと難しくなります。

通勤の場合、9時に始業し、12時からランチ、18時に退社など大枠が決まっているので、9時からの3時間で何をするか、13時からの5時間で何をするかといった詳細を埋めていくだけ問題ありませんでした。それが、働き始める時間も自由、働く場所も自由となると、起きてみたら10時を過ぎていたなんてこともありそうですし、家でそのまま働く場合はオンオフのスイッチが入れられず、ダラダラ音楽を聞いたり、テレビを見たりしてしまって仕事がはかどらなかったなどという人も出てきてしまいそうです。おそらく「その日やるべきこと」を前もって明確にして、それをより効率的かつより効果的に実施するには何時からどこでやるのがいいかを決めていくという業務&働き方設計をしなければならなくなります。なかなかの自立性がないと難しそうです。

また、他者マネジメント、つまり管理職の場合は、目の前で部下が仕事しているわけではないのですから、いつどこで働いているかで管理するのではなく、やはりこちらも「何をどれくらいの期間で仕上げたか」を把握しなければなりません。セルフマネジメント以上にこちらのほうがさらに難易度が高そうです。家でテレビばかり見ている社員に給与を払い続けるわけにはいきませんから、アウトプットの質とスピードを“遠隔で”把握するスキルが求められるわけです。

まとめ

日本でもいよいよリモートワーク(テレワーク)がより浸透されるのかと楽しみである一方、「同じ釜の飯」カルチャーが根強い日本で、自立的に独立的に働くスタイルが本当に浸透するのかといった懐疑的な気持ちも残ります。個人主義の欧米と比べると、日本人はそこまで“個”が強くもなければ、尊重もされないからです。

「ABW」のような働き方はもはや社員というよりは、フリーランス。それぞれの社員に課せられたミッションが明確にあるのが前提ですが、そのミッションを遂行するために自分自身でプロジェクトを推進していくスタイルなのでしょう。つまり会社という縛りよりも、プロジェクトで繋がっているというイメージに近いのかもしれません。そのように考えると、働き方が多様化すればするほど、社員とフリーランスの差はなくなっていくと言えます。セルフマネジメントも他者のマネジメントもフリーランスで成り立っているチームであれば違和感がありません(フリーランスであれば、各フリーランスメンバーがいつどこで仕事をするかなんて考えません。アウトプットの質とスケジュールの管理がすべてです)。

自由とはそれなりに責任やリスクが伴うものですので、多様で自由な働き方がすべての人にとってハッピーかというと必ずしもそうではないということだけは念頭に置きつつも、個人の裁量で進めたい人はそうするし、あくまで組織の一員として働きたいという人はそうできる。そんな誰もが自分に合う働き方を選択できるようになったら嬉しいですね。

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