老後に2,000万円必要? それはともかく、老後も幸せに暮らせるために考えておきたいこと

  • 2,000万円問題って、どんな問題なの?
  • 本当に老後に2,000万円も必要なの?
  • もしそうだとしたら、どうやってお金を貯めればいいの?

つい最近までメディアをにぎわせていた老後2,000万円問題。このニュースを見て、自分も歳を取るまでにこんなにもお金を貯めないとダメなのか、と頭を抱えた人も多いでしょう。そこで今回は、この問題を背景にこれからの人生設計について考えていきたいと思います。

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そもそも老後2,000万円問題とは何だったのか?

この問題、事の発端は、金融庁が公表した報告書でした。今後のさらなる長寿化に伴って、預貯金などの経済的な蓄えである「資産寿命」も延ばす必要があり、具体的に言うと公的年金以外に「老後2,000万円」が必要だ、という内容。その後、ネット上など炎上気味に反応があり、
「2,000万円を自力で準備しろというのか!」
「いまの生活でいっぱいいっぱいで貯蓄なんてできるわけがない」という不満の声が募り、結果として政府は報告書そのものをないことにしてしまいました。

現実的にこの老後2,000万円の貯蓄という数字に向き合うと、あまり明るい姿が見えて来ません。金融広報中央委員会発表の『家計の金融行動に関する世論調査』(2018年度版 https://www.shiruporuto.jp/public/data/movie/yoron/)の日本の貯蓄に関するデータを確認してみると、

年代別平均貯蓄額【二人以上の世帯】

年代 貯蓄がない人の割合
20代32.2%
30代17.5%
40代22.6%
50代17.4%
60代22.0%

表には挙げていませんが、20代の独身者では、なんと45.5%もの割合で貯蓄ゼロ世帯が存在します。まず、それが日本に暮らす現実であるということは受け入れつつ、ではどう生きていくのかということを本題としてこの話題を取り扱っていきたいと考えます。

人生の価値はお金ではない、とそれでも声を大にして言いたい

確かに、貯金は大事ではあるでしょう。
「いま、〇〇やってて、手取り○円。こんな状態でどうやって貯金ができる?」
「給料上がらないし〜」
そんな世相は、下記の記事でも取り上げました。

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それに対して、単純に「収入を増やせばいいでしょ」という答えはむしろ簡単です。2つの方法を取り上げます。

できるだけ共働きをすること。
共働きをすることで毎月の収入が増えることはもちろんのこと、老後にダブルで厚生年金を受け取ることができます。厚生年金受給の平均月額は約14万円なので、夫婦で考えると年に約360万円もらえることになります。しかし、配偶者がなくなった場合、配偶者の基礎年金や厚生年金がもらえなくなります。

もう一つは、分散型の投資。
これは金融庁の報告書でも「長期・積立・分散投資による資産形成の検討を」と言及されていました。銀行にお金を預けても金利が低く、ひどい場合はマイナス金利だったりするので、より流動的にお金を働かせなくてはいけません。分散投資といっても、株や債券などの商品の分散だったり、通貨の分散だったりといろいろ検討ができます。もちろん、投資にはリスクがつきものなので余裕資金で行なうことが大切です。

この2つ。そりゃあ、そうかもしれないけれど、というのが第一印象ではないですか?
あるいは、それができればそうするよ、と。

働き方改革〜「自由な働き方」「新しい働き方」「自分らしい働き方」何が正解?

少しこの問題の見る目を変えてみましょう。近年、「働き方改革」という言葉が跋扈(ばっこ)し、少しずつではあるけれど、いろいろなことが変わってきました。「働かせ改革」だ、などという言葉も聞かれました。その真意は、つまり制度改革であるに過ぎず、「ホワイトカラーエグゼンプション」に代表されるような規制緩和であり「それはそもそも誰が幸せになれるんですか?」と問いたくなるような話題に終始するありさまです。

また、フリーランス人口が増え続けている、働き方も自由になるのだ、と喧伝(けんでん)されます。

「いまや6人に1人がフリーランス、日本もアメリカみたいに〜」(総務省統計局 https://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/tsuki/index.html)という発表や、フリーランスプラットフォームのランサーズが6月から行なった「#採用やめよう』プロジェクト」キャンペーン。そこで語られるのは、「働き方のアップデート」=「新しい働き方」であり、「自分らしい働き方」という言葉たちです。

ところで、チームハッカーズのメディアコンセプトは、「もっと自由に、自分らしく働くために」としています。
https://teamhackers.io/media-concept/

権力者が語る自由は本来自由ではない、とぼく自身はそれこそ高校生の頃から思っています。G.オーウェルが描いた『1984』という小説でも権力者の望む自由が語られます。ちなみに、Apple という会社を嫌いになれないのはなぜかと言うと、このCMの衝撃が忘れられないからです。
https://youtu.be/1j3A6ckVois

自由という言葉はとても強い言葉だと感じます。スパイダーマンでは、「大いなる力には大いなる責任が伴う“With great power, comes great responsibility”」という言葉が作品を通じて語られますが、自由というものを定義すれば、それは責任や力から逃れられないものであると思います。人類の歴史では、自由を得るためにあまたの暴力も経験してきたわけですから。

「自分らしい」という言葉の答えは、自分であるあなたの中にしかありません。ですから、本来、働き方に関する正解なんて誰かに決めてもらうものでもないはずですし、押しつけられる自由が自由であるはずがありません。

旧来の生涯一企業で働き続けるという働き方を信じる人はもはやいないでしょう。それでも、10数年前にはまだ多くの人がそういう旧神話を信じていました。それが大きく変わってしまったという点だけでも、「働き方改革」はあったと考えられなくもありません。旧世代のちょっと人生の先輩からあらためて言葉を発すれば、不明確な定義の言葉に踊らされるな、ということに尽きます。自由は戦い奪うものであるし、それを実現するのがあなたらしいのであれば、それがあなただということ。あなた自身のありようは、そもそも誰にも邪魔されないものであるはず。自分らしい、とはそういう言葉であるべきなのだと思います。

そもそも、「会社に属すること」と「自分らしく働く」ことが相容れないものであるという議論は誤りですし、起業やフリーランスになることが国を挙げて推奨されるような経済のありかたはどこか異常であるのは、少し歴史を振り返ってみても判断できそうな気がしています。

ITのみが社会を革新するものではないということ

さらに、別の角度から考えてみましょう。第4次産業革命あるいはSociety5.0、という言葉を聞いたことがあると思います。Society5.0とは、政府による科学技術政策の基本指針のひとつで、2016年初出のキャッチフレーズです。
https://www.gov-online.go.jp/cam/s5/
内閣府は「サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会(Society)」と定義しています。もう少しわかりやすい言葉で語れば、それまでの「モノとカネ」から「ヒトとコト(データ)」中心の社会という理想を示しているということです。

その技術の代表例が、日本でも多くの企業で開発研究が盛んな自動運転分野でしょう。自動で走れる車はできあがっても、それをどう動かすかはまだまだこれからの仕事であるという事実があります。昨年のドラマ『下町ロケット』で描かれる自動運転のトラクターやコンバインに驚かれた方もおられると思いますが、一般道を走り回るような状況が生まれるには、まず技術的にシュミレーション能力を向上させることが必要だということ。ドラマだけの世界ではない理想をいま実際に現実に落とし込むのはドラマで描かれたような「夢だ、夢を持つことだ」とひたすら熱量あふれる一人の技術者なのかもしれません。

あるいは、無人店舗構想はどうでしょう? 無人コンビニと言えば、amazon GO がその先頭ランナーであり、2021年までには3000店舗の出店を計画しているとか、すでに有人店舗もあるのだとか、等の報道がされています。が、日本での出店はまだありません。セブンイレブンが日本での「コンビニ」ビジネスを始める際に、本国のルールを踏襲するのではなく日本独自の方法を幾つも開発して導入していったということが成功法則として有名になったのですが、ここには「イノベーション」とはどのように生まれるかという答えもすでにあるのではないかと思います。

「イノベーション」は「技術開発」や「技術革新」だけから生まれるものではないということ。これからの「イノベーション」とは、つまり「コトの再定義」でもあると考える必要があるのではないでしょうか。S.ジョブズがiPhoneを取り出して語ったのは、「電話を再発明した」という言葉でした。

社会が変わっていくという意識は確かに必要でしょう。しかし、それはテクノロジーが勝手に変革するものではなく、そこに生きる一人ひとりの意志が反映するものであるはずです。ここ数年、AI技術が仕事を奪うとか、「働き方改革」の一環で警句じみた言葉も増えてきましたが、その点を十分に覚えておきたいものです。

老後の幸せ〜『人生フルーツ』のご夫婦の生き方に学ぶ

老後2,000万円という話題に戻りましょう。でも、その金額の多寡は正直どうでもいい話です。
老後の幸せってなんだろう? 幸せな老後ってなんだろう? ということこそ考えてみませんか。

少し前になりますが、2016年に公開された『人生フルーツ』というドキュメンタリー映画があります。

かつて日本住宅公団のエースだった修一さんは、阿佐ヶ谷住宅や多摩平団地などの都市計画に携わってきました。1960年代、風の通り道となる雑木林を残し、自然との共生を目指したニュータウンを計画。けれど、経済優先の時代はそれを許さず、完成したのは理想とはほど遠い無機質な大規模団地。修一さんは、それまでの仕事から距離を置き、自ら手がけたニュータウンに土地を買い、家を建て、雑木林を育てはじめましたーー。

参照:http://life-is-fruity.com/about/

この舞台となる高蔵寺ニュータウンには、ぼくの人生の縁もあり、この映画を観た直後の感想は「ぼくもこういう風に生きたい」でした。

映画の中の老夫婦は、何事にもゆっくりと時間をかけ実に丁寧に生きています。その姿が何を押してもまず胸を打つのです。そして、夫である修一さん(90歳)が映画の中で、「彼女は生涯で最高のガールフレンド」と妻の英子さん(87歳)のことを語るシーンがあります。予告編 https://youtu.be/Y6geEC5-p44 でもちゃんとそのシーンがありました。自分はやがて共に老いた妻のことをそう語れるだろうか。そう自問し、でもぼくにはなんとかそう言える時が来るのじゃないかというぼんやりとした自信も確かにありました。

あえて一言でまとめれば、この老夫婦の人生は「後悔しない生き方」「あぁ、いい人生だったね。と言って死んでいける生き方」ということになるのでしょう。人生の幸福の答えがここにある気がします。

まとめ

2,000万円という数字が実際に多いのか少ないのか。ぼく自身はいまから20数年前に家族のためにと生命保険(年金保険)に入りましたが、その際に今回の金融庁の資料とほぼ同じ説明を受けた記憶があります。ちなみに金額はもっと大きかったです。

金融庁が公表した報告書に嘘はないでしょう。

大事なことは、ネット上に溢れる表面的な事実を鵜呑みにして不安に駆られることがないように、また否定的な言説に押しつぶされることのないように、きちんと自分で調べ自分で考え、さらに行動し積極的に豊かな人生を切り拓けるようにするということではないでしょうか。

余談ではありますが、ぼく自身、20代には Don’t trust over 30 と言っておりまして「おれ、45歳くらいで死ぬから」と言いながら結婚したのでありました。未来はわからないものです。『優雅な生活が最高の復讐である』的な。

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